食事、睡眠、運動、そして免疫力──ウイルスと戦う冬に「アミノ酸」が必要な理由

社長

西井孝明氏:1959年生まれ。同志社大学文学部卒業後、味の素社に入社。営業やマーケティング、人事などを担当。2004年に味の素冷凍食品に出向し取締役就任。当時不振事業だった家庭用冷凍食品の業績を改善。13年ブラジル味の素社長に就任。15年から現職。創業家を除いて、歴代最年少となる55歳で味の素社の社長に就任。

提供:味の素

新型コロナウイルス(COVID-19)が猛威をふるい、我々の生活は大きく変化した。しかし、どんなに気をつけていても、いつ罹患しても不思議ではないのがウイルス。そのリスクに備えるため「免疫力」が注目されている。免疫力を維持するためには、普段の食事・睡眠・運動が大切。この「免疫」「食事」「睡眠」「運動」に共通したキーワードが「アミノ酸」である。アミノ酸が持つ力とは。味の素社の西井孝明社長に聞いた。

「うま味」成分だけじゃない、知られざるアミノ酸のはたらき

スパイス

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「免疫力をどうすれば落とさずにいられるか、今、多くの生活者の関心事となっていますが、鶏肉、大豆に多く含まれるシスチン、緑茶のうま味のもとであるテアニンが免疫力を高めるサポートをすることをご存じの方はあまりいらっしゃらない。我々がそうした情報を伝えていくことで、健康課題に対して食の分野からもっと貢献できることがあるのではないか。そうした思いで11月中旬から『食べる、眠る、運動する-健康を育む、アミノ酸のはたらき』というキャンペーンを行っています」(西井社長)

「アミノ酸のはたらき」を技術の中心としながらさまざまな角度から研究開発を続けてきた、アミノ酸のリーディングカンパニーの味の素社。「新しい生活様式(ニューノーマル)」に伴う「新しい健康様式」として、食事・睡眠・運動の重要性と、それによってもたらされる心の安定の大切さを提唱している。

ではアミノ酸は、実際の私たちの健康にどう役立っているのか。

アミノ酸は、たんぱく質の構成成分であり、だしやスープにはうま味成分であるグルタミン酸というアミノ酸が多く含まれている。このグルタミン酸を抽出し、調味料とした商品が「味の素®」だ。うま味を効かせることにより、中高年は食事の塩分摂取量を減らすことができ、子どもは苦手な野菜もおいしく摂ることができる。また、「Cook Do®」などのメニュー調味料や冷凍食品は、コロナ禍で内食需要が高まっている昨今、時短調理に欠かせない商品として注目されている。

睡眠

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アミノ酸が活用されているのは食事だけではない。意外にも、質のよい眠りにもアミノ酸のはたらきが関係している。コロナ禍による生活習慣の変化や運動不足、ストレスや不安、緊張といった問題は、眠りの質に悪い影響を与えてしまう。「グリシン」というアミノ酸は、睡眠の質の向上に関係し、目覚めがすっきりして疲労感が軽くなることが味の素社の研究で分かっている。

さらに、運動時のエネルギーとなり筋肉疲労を和らげるはたらきをするのもアミノ酸だ。筋肉に含まれる必須アミノ酸のバリン、ロイシン、イソロイシンを総称したBCAA(分岐鎖アミノ酸)は運動時に大切なアミノ酸と言われていて、食べ物ではまぐろ、鶏肉、牛乳などに多く含まれている。BCAAの中でも、ロイシンは、他のアミノ酸と筋肉のたんぱく質を作る材料になるだけでなく、筋肉のたんぱく質を作るスイッチを入れる役割を持っている。

今、注目されている免疫力にもアミノ酸が大いに関係している。免疫は、病原性の細菌やウイルスが体内に侵入したときにそれを排除しようとして働く自己防衛機構。その免疫を調整する物質・グルタチオンの材料となるのがシスチン、テアニンというアミノ酸なのだ。 味の素社の研究では、シスチンとテアニンを同時に摂取すると、摂取していない場合よりも風邪をひきにくくなるという結果が出ているほか、風邪を引いた場合でも、悪寒や発熱、鼻水、のどの痛みなどの症状が少なくなったという。

減塩と野菜不足にもアミノ酸が貢献

G家族

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味の素グループは、2019年に栄養戦略を打ち出し、現在の世界的な栄養課題である「減塩」に取り組んでいる。2030年までに「アミノ酸のはたらきで、食習慣や高齢化に伴う食と健康の課題を解決し、人々のウエルネスを共創します」というビジョンを掲げ、調味料や加工食品、食品や医薬品用途のアミノ酸素材、医薬品開発・製造のサポート事業などに携わる。

こうした味の素グループの食と健康の課題解決に対するさまざまな取り組みは、これまで確固たる結果を出してきた。

その一つが、岩手県との減塩の取り組みだ。

「かつて岩手県は食塩摂取量が全国的に多く、ワーストワンになったこともありました。そこで2012年に我々が岩手県に対して働きかけ、行政、アカデミア、メディア、そしてスーパーマーケットのみなさんと一緒に、おいしく続けられる減塩メニューをご提案。減塩の必要性を分かりやすく生活者に伝え、県民の健康を促進する取り組みを始めました」(西井社長)

その結果、岩手県の食塩摂取量は年々減少し、2016年には全国平均並みに改善した。

愛知県とは、野菜摂取量を向上させる取り組みをスタート。今、その動きは全国へと広がる。

「愛知県は野菜消費量がワーストワンでした。そこで地元の栄養大学の学生さんにメニューを考えていただき、我々はPRや売り場づくりを行い、地元のメディアにもご協力いただき『ラブベジ』というキャンペーンを始めました。これも全国に広がり、2019年時点で39都府県に広がっています」(西井社長)

日本の高齢者は、実は低栄養

高齢者診療所イメージ

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西井社長は最先端の生理学的研究をもとに「健康に生きる力」に着目したサプリメントなどの機能性表示食品を推進してきた。日本の高齢者は健康意識が高い半面、カロリーを抑制しようとするあまり必要な栄養素まで不足しがち。西井社長はこうした高齢期の低栄養に問題意識を持ってきた。

「日本は平均寿命が長い一方で健康寿命は短く、10年ほどのギャップがあることに課題があります。この理由は、高齢期の低栄養であることが明らかになっています。メタボリックシンドロームなど過剰栄養摂取に対しての教育が行き過ぎて、筋力が低下してくる50歳代、60代でもダイエットを続けてしまうことが理由です。食事で改善できればいいのですが、実際には難しい。そこでサプリメントが必要なのです」(西井社長)

西井社長によると、例えば70歳、体重60キロの人に必要なタンパク質の量は1日約60グラム。1日60gのたんぱく質は3食で均等にとるのがよいと言われているが、朝食や昼食は夕食に比べ簡単に済ませる人が多く、かつ炭水化物に偏りがちなため、20gのたんぱく質摂取をクリアできない人も少なくない。その際にサプリメントや加工食品でたんぱく質摂取をサポートするのは意義がある。

「アミノ酸のサプリメントを摂取すると、そのまま胃を通って小腸で吸収されるので消化の負担をかけずに栄養を補完することが可能です」(西井社長)

世界に広がる創業時の志「おいしく食べて健康づくり」

味の素社長

提供:味の素

味の素グループの食と健康の課題解決の取り組みは、日本国内だけでなく海外にも広く展開している。その一つの例が、東南アジアでの取り組みだ。

「当社グループのベトナム法人では、子どもたちに栄養バランスのとれたおいしい食事を摂ってもらおうと政府に粘り強く働きかけ、2012年から約4,600校の小学校で日本式の学校給食を導入する『学校給食 プロジェクト』を始めました。この取り組みは今、フィリピン、マレーシア、インドネシア、タイ、ブラジルにも広がっています。

『Eat Well, Live Well.(おいしく食べて健康づくり)』をさまざまな地域に広げていく。これは我々だけではできることではないので、現地の行政や地域の人々と一緒に取り組んでいく。そして、誰一人取り残さないSDGsの健康という大きな目標に少しでも役立っていきたいというのが我々の願いです」(西井社長)

世界中が健康や免疫について頭を悩ませた2020年。西井社長はアミノ酸のリーディングカンパニーとして今後の展望をどう描くのか。

アスリート

shutterstock

当社は2003年からトップアスリートのサポートを開始し、その中で生まれた栄養環境を整える栄養プログラム『勝ち飯®』を展開しています。このアスリートへのサポートで蓄積した知見を生かし、2020年上半期までの1年間で全国約6万店の店頭で勝ち飯フェアを展開。栄養バランスの良い献立の提案や、アミノ酸のサプリメントで補完するように伝えてきました。海外でも『Kachimeshi®』として同様の取り組みを行っています」(西井社長)

「当社は世界一のアミノ酸の会社」と胸を張る西井社長。「おいしく食べて健康づくり」という1909年の創業時の志を今も引き継ぐ味の素グループは、人類がコロナに打ち勝つ一助を目指す。


withコロナ時期における味の素グループの取組みの詳細はこちら

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