ミシガン州のジョスリン・ベンソン州務長官(2020年8月18日、デトロイト)。
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アメリカ大統領選挙における不正を無視したとして、20人あまりのデモ参加者が12月5日夜(現地時間)、ミシガン州の州務長官ジョスリン・ベンソン(Jocelyn Benson)氏の自宅前に集まった。
デトロイトにあるベンソン氏の自宅前で行われたデモの様子は、Facebookでライブ配信されていた。動画は、デモ参加者たちが州務長官の自宅前に立ち、アメリカ国旗や「盗むのは止めろ」と書かれたサインを掲げる様子を捉えている。
ベンソン氏はデモ参加者たちが武装していたと言い、4歳の息子と一緒にクリスマスの飾りつけをしていると、集団が近付いてきて「暗闇の中から大声で罵詈雑言を浴びせ、拡声器を使って抗議を繰り返した」とツイッターに投稿した声明文で述べている。
ミシガン州は、トランプ大統領が11月の大統領選の結果をひっくり返したいと狙っている激戦州の1つだ。大統領は同州での一連の法廷闘争に破れていて、12月4日にも選挙結果に異議を唱えるトランプ陣営の訴えを控訴裁判所が退けている。
「彼らがわたしを狙ったのは、わたしがミシガン州の選挙管理の最高責任者だからだ。ただ、彼らの脅威は、実はわたしや他の選挙管理人に向けられたものではない。有権者に向けられたものだ」とベンソン氏は声明文で指摘している。
午後10時頃、デモに対応するため警察が出動したが、MLiveによると、逮捕者はいなかった。
州当局は今回のデモを批判している。
ミシガン州の司法長官ダナ・ネッセル(Dana Nessel)氏とウェイン郡の検察官キム・ワーシー(Kym Worthy)氏は12月6日、「彼らは選挙に関する根拠のない陰謀論を叫び、ソーシャルメディアにアップロードされた動画の中で、少なくとも1人が『お前たちは人殺しだ』と州務長官の子どもの寝室のすぐ近くで叫ぶのが聞こえた」と声明文の中で述べた。「この暴徒のような行為は、基本的な道徳規範や良識とはかけ離れたものだ」とした。
その上で、市民社会でデモ活動をするには「たくさんの方法」があるとし、「社会的慣習に従った、民主的な手段」で行うよう人々に呼びかけた。
「子どもや家族を彼らの自宅で恐怖に陥れるのは、行動主義ではない。抗議活動を装ったこのような不穏な行動は非難されるべきであり、市民や公務員によって糾弾されるべきものだ」
[原文:Armed protesters gathered outside the home of Michigan's Secretary of State to deny voting results]
(翻訳、編集:山口佳美)