S&P500の割高感を示す指標は過去平均の2倍に…ドットコム・バブルや世界大恐慌の時より上昇

株式指標は大恐慌前より上昇

Jeenah Moon/Reuters

  • S&P500のCAPE比率とは、過去10年間のインフレ調整後の利益を測定したもので株価の割高感を表す。それが今、2000年のITバブル以来の高水準に達し、1929年の大恐慌直前のピーク値も超えている。
  • 12月7日にはその指標が過去の平均の16.72に比べて約2倍にまでなった。
  • ドイツ銀行のストラテジスト、ジム・リードによると、この指標は株式市場が大幅に割高になっている可能性を示唆しているが、完璧なものではないという。実際、CAPE比率は、1991年以降、2008年の金融危機の10カ月間を除き、過去の平均を常に上回っているからだ。
  • おそらく、ハイテク大手が「今までなかった」ような形で影響を与え、指標の値を高めているのだろうとリードは言う。
  • ワクチンをきっかけとした強気の動きが、株価を過度に引き上げた可能性もある。

ドイツ銀行のストラテジスト、ジム・リード( Jim Reid)はリポートの中で、S&P500の物価調整後の株価収益率(CAPE比率:Cyclically Adjusted Price Earnings Ratio)は、2000年のITバブル以来の高水準にあると述べた。また、1929年の大恐慌直前の水準や、2018年1月の最高値をも上回っている。

この指標は現在の収益ではなく、過去10年間のインフレ調整後の平均収益で算出する。著名な経済学者ロバート・シラー(Robert Shiller)によって有名になり、シラーPERとしても知られている。

CAPE比率は12月7日に33.71に達し、これまでの平均値16.72の2倍になった。過去最高値は、1999年12月の44.19だ。

12月4日に達成された史上最高値から株価が下落したため、指標は上昇した。アメリカ株は7日、カリフォルニア州でCOVID-19の症例数が急増し、新たな経済規制を促したために下落した。ワクチンへの期待は高まっているが、公衆衛生の専門家は、予防接種が広く行われるようになる前にパンデミックが悪化する可能性が高いと述べている。

CAPE比率は通常、株価が割高か割安かを測るために使用されるが、割り引いて考えたほうがいいとリードは述べている。例えば、2008年の金融危機時の10カ月間を除けば、この指標は1991年初頭からずっと平均を上回っているからだ。

彼は「いつかこの指標が元に戻ったら(おそらくそうなる)、投資の構造的な転換が必要になるだろう」と述べた。

リードによると、大型株のハイテク株が、指標の上昇の要因となった。これらはCAPE比率に「おそらく今までになかったような」大きな影響を与えており、指標がさらに上昇するのかどうかを決定する要因となる可能性が高い。

[原文:One gauge of stock-market valuation has reached its highest point since the dot-com bubble - and exceeds levels seen before the 1929 crash

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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