墜落まで1年。NASAの木星探査機「ジュノー」が魅せる、太陽系最大の惑星の姿15選【2020年ヒット記事】

※本記事は、2020年に注目を集めたヒット記事を再掲しています。


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NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Kevin M. Gill

2016年7月5日に木星に到着し、今もなお観測を続けているNASAの木星探査機「ジュノー」(Juno)

ジュノーはこれまで、約53日周期で木星に近づいたり離れたりしながら、搭載されている可視光カメラ「JunoCam」で幾度となく木星の姿を撮影してきた。

そしてその度に、私たちは太陽系最大の惑星の驚きの素顔に直面してきた。

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土星探査機「カッシーニ」が、土星へ行く途中に撮影した木星。2000年に撮影されたこの画像は、いわゆるイメージ通りの木星だ。ジュノーによって、この木星のイメージが劇的に変えらえれることとなった。

NASA:JPL:UniversityofArizona

しかし実は、ジュノーがその寿命を終えるまで、あと1年を切っている。

NASAの資料によると、ミッションが完全に終了するのは、2021年7月31日だ。

約1年後、ジュノーは木星のまわりを周回するそれまでの軌道から、木星へ墜落する軌道へと進路を修正する。そして、秒速77kmというミッション中最大速度で木星大気へと侵入し、最期は燃え尽きることになる。

2011年8月5日に地球を旅立ったジュノー。

10年に渡る長い旅路の終わりが見えてきた今、これまでに撮影された木星の美しい姿を、あらためて振り返ってみよう。

かつて、これほど美しい木星を見たことはあるだろうか。

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NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS

大気の細かい流れまでもがはっきりと見える。この精度で撮影された数々の画像によって、木星の謎が次々と明らかにされている。

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NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS

木星の1日は、約10時間だ。巨大な天体が高速で自転することで、木星にはジェット気流が発生している。

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NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS

水面に垂らした絵の具のような複雑な斑模様。木星の雲の構造は非常に複雑だ。

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NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Kevin M. Gill

ジュノーは史上初めて木星の北極と南極の様子を撮影した探査機となった。同じ「巨大なガス惑星」である土星の極ともまるで異なる様子に、世界が驚いた。

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この画像は、木星の南極。

NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Betsy Asher Hall/Gervasio Robles

南極近くには無数のサイクロンが。赤道の近くでは、雲がフィラメント状になっている。

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南極側から見た木星。

NASA:JPL-Caltech:SwRI:MSSS

北極点には8つの小さな渦に囲まれている巨大な渦があった。北極と南極でも大気の様子はかなり違う。

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北極を赤外線カメラで撮影した画像。

NASA / JPL-Caltech / SwRI / ASI / INAF / JIRAM

木星から放たれる強力な放射線を避けるために、ジュノーは木星を南北に縦断するような軌道で近づいている。

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北半球側のコマ撮り画像。北極点に近いほど、大気が複雑な構造を示している。

Gerald Eichstädt and Sean Doran (CC BY-NC-SA) based on images provided Courtesy of NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS

木星の直径は地球の約11倍。木星の特徴でもある巨大な高気圧「大赤斑」は、地球2、3個分の大きさにもなる。

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画像右上にあるオレンジ色の領域が「大赤斑」。

NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Kevin M. Gill

木星の大気は赤道に平行に、層のように積み重なっている。まるで巨大な川のようだ。

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NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Kevin M. Gill

層状になった大気の流れはジェット気流によって作られる。

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NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS Image processing by Kevin M. Gill

画像の上部から下部にかけて謎の筋が見える。科学者たちも、この筋がなぜできるのかよく分かっていない。

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NASA/JPL/SwRI/MSSS; image processing by Gerald Eichstädt

白い渦は巨大な高気圧だ。木星にはいたるところに巨大な高気圧が見える。

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Gerald Eichstädt and Sean Doran (CC BY-NC-SA)/NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS

美しいマーブル。宇宙の暗闇の中にあらわれる宝石のようだ。

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NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS

史上初めて木星の衛星「ガニメデ」の北極をとらえた。ジュノーはときおり、周囲にある衛星も撮影している。

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NASA/JPL-Caltech/SwRI/ASI/INAF/JIRAM

文・三ツ村崇志

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