この65室の「サマーコテージ」は、希望価格1250万ドル(約13億円)で売り出されている。
Anthony Acocella
- ニューヨーク・ポストによると、かつてヴァンダービルト家が所有していたマサチューセッツ州の邸宅が1250万ドル(約13億円)で売りに出ている。
- 89エーカー(約36ヘクタール)の敷地に立つ邸宅には、全部で65の部屋がある。
- 敷地はとても広く、ふたつの町にまたがっているほどだ。
- 庭園の設計は、ニューヨークのセントラルパークを設計したフレデリック・ロー・オルムステッド(Frederick Law Olmsted)が手がけた。
- この邸宅は、不動産会社コンパス(Compass)が取り扱っている。
19世紀アメリカで栄えた裕福な一族、ヴァンダービルト家がかつて所有していた避暑用「コテージ(小別荘)」が、1250万ドルで売りに出ているとニューヨーク・ポストが報じている。
ヴァンダービルト家は、南北戦争直後のいわゆる「金ぴか時代(Gilded Age)」に、莫大な富と高い社会的地位を築いたことで知られている。フォーブス(Forbes)の2014年の記事によるとこの一族は「アメリカの王室」と呼ばれていた。ヴァンダービルト家は実入りのいい鉄道経営で財を築き、著名なビジネスマンや慈善家、社交界の有名人を世に送り出してきた。CNNの著名ジャーナリスト、アンダーソン・クーパー(Anderson Cooper)はヴァンダービルト家の末裔だ。
「エルム・コート(Elm Court)」と呼ばれるこの邸宅は、もともとは鉄道王コーネリアス・ヴァンダービルト(Cornelius Vanderbilt、1794 - 1877)の孫娘のひとりであるエミリー・ソーン・ヴァンダービルト(Emily Thorn Vanderbilt、1852 - 1946)とその夫のために建てられた。
ニューヨーク・ポストによれば、建築当初のサマーコテージの質素さに不満を抱いたエミリー夫妻が拡張工事をおこない、現在の65室からなる巨大な邸宅ができあがった。この豪邸が建つ敷地は、マサチューセッツ州の2つの町にまたがっている。
それでは、その広大な不動産の内部を見てみよう。
かつてヴァンダービルト家が所有していたマサチューセッツ州のサマーコテージが、1250万ドルで売りに出されている
上空から見た邸宅。
Gavin Preuss
Source: Compass
マサチューセッツ州のバークシャー地方にある広さ89エーカー(約36ヘクタール)の豪邸「エルム・コート」は、1886年に建築されて以来、ヴァンダービルト家が所有していたが、2012年に、コロラド州デンバーを拠点とするリゾート開発業者に売却された(ただし、この地所をリゾートにする計画は実現しなかった)
邸宅の外観。
Gavin Preuss
Source: The New York Post, Compass
この大邸宅は私邸として使用されてきたが、1948年にヴァンダービルト家の末裔がホテルに変えた。しかし、運営コストが高すぎたせいで1957年に閉鎖されている。以後、1999年まで放置されていたが、別のヴァンダービルト家の一員が購入し、イベント用スペースに改築した。
上空から見た敷地。
Gavin Preuss
Source: Compass
この邸宅が設計されたのは1800年代で、当時を代表する建築事務所ピーボディ・アンド・スターンズ(Peabody and Sterns)が手がけたという
邸宅に65ある部屋の1つ。
Anthony Acocella
Source: Compass
ニューヨーク・ポストによると、豪勢な庭園は、セントラルパークを設計したフレデリック・ロー・オルムステッド(Frederick Law Olmsted)が手がけた
邸宅の遠景。
Gavin Preuss
Source: Compass
広大な屋敷には、13室のベッドルームと15室のバスルームを含め、合計65室もの部屋がある
邸内の数ある部屋の1つ。
Anthony Acocella
Source: Compass
ダイニングキッチンを含む65室の部屋は、3つの階に配置されている
キッチン。
Anthony Acocella
Source: Compass
キッチンは、広いカウンターのあるアイランド式で、複数のコンロが備わり、いくつかの壁面は収納スペースにあてられている
キッチン。
Anthony Acocella
Source: Compass
ダイニングキッチンのほか、多数のゲストをもてなすことができる、フォーマルな広いダイニングルームもある
ダイニングルーム。
Anthony Acocella
Source: Compass
ニューヨーク・ポストの記事によると、この邸宅には暖炉や寄木細工の床などの、建築当時の金ぴか時代をしのばせる数々の特徴があるという
随所にある贅沢な暖炉の1つ
Anthony Acocella
Source: The New York Post, Compass
格間が施された天井も
廊下の床はカーペット敷きで、天井には格間(ごうま)が施されている。
Anthony Acocella
Source: Compass
この邸宅の重要性は、公式に認められている。不動産情報によると、この邸宅はアメリカ合衆国国家歴史登録財(the National Register of Historic Places)に指定されている
どの部屋も天井が高く、広々としている。
Anthony Acocella
Source: Compass
広大な敷地を見渡せるところもたくさんある。主屋には複数のバルコニーと、芝生を眺められるポーチがある
バルコニー。
Anthony Acocella
Source: Compass
一歩外へ出ると、庭園、木立、芝生などからなる広々とした敷地が迎えてくれる
敷地内の様子。
Gavin Preuss
Source: Compass
当然、主屋が最も広いが、敷地にある建物はそれだけではない。馬車庫、厩舎、管理人棟、2軒の納屋、2軒の小さいコテージもある
厩舎。
Gavin Preuss
Source: Compass
独立した温室もある
温室。
Gavin Preuss
Source: Compass
2000年には大規模なリノベーションが行われ、廃墟となっていた邸宅がイベント会場に生まれ変わった。「ヴァンダービルトの時代には、本当に華やかな空間だったのだろうと想像できる」と不動産業者のジョン・バルバト(John Barbato)はリアルター・ドット・コム(Realtor.com)に語っている
夕暮れ時の邸宅。
Gavin Preuss
(翻訳:梅田智世/ガリレオ、編集:Toshihiko Inoue)