「充電不要」の3輪ソーラーEV…予約開始から24時間で初期330台が完売

アプテラのEV

アプテラの電気自動車。

Aptera Motors

  • 電気自動車のスタートアップ、アプテラは2011年に一度解散したが、非常に効率的なEVを開発して復活した。同社によるとそのEVは充電不要だ。
  • この軽量の3輪電気自動車の航続距離は最長1000マイル(1600km)だという。これは、現在市場に出ているEVの中で最長のテスラ・モデルSの2倍以上だ。
  • また、1日で45マイル(72km)を走れる分の電力を生み出すソーラーパネルを内蔵している。
  • 価格は2万5900ドル(約270万円)から4万6900ドル(約490万円)で、2021年に納車を始める予定だ。

2005年に創業したアプテラ(Aptera)は、EV(電気自動車)業界では有名だった —— 試乗したテレビ司会者のジェイ・レノ(Jay Leno)を感動させ、その高性能3輪自動車は最終的に数千台の注文を受けた —— が、最後には資金が底をつき、2011年に廃業した。

しかしアプテラは復活した。ほとんど充電の必要がないというソーラーパネル搭載の電気自動車を開発したのだ。アプテラは12月4日(現地時間)、この未来的な3輪自動車の詳細と価格、性能を発表し、予約注文の受付を開始した。同社によると、完成したEVはこれまで市販されたものの中で最も航続距離が長く、現在最長の航続距離を誇るテスラ・モデルS(Tesla Model S)よりもはるかに安い価格で販売するという。

このEVは2021年に生産を開始し、同年に納車を始める予定で、 最初の330台 —— パラダイム(Paradigm)とパラダイム・プラス(Paradigm Plus)と呼ばれる特別仕様車 —— は予約開始から24時間経たずに完売となったが、その後の納車分は返金可能な保証金100ドルを支払えば、予約することができる。

そしてアプテラは12月11日、国内外からの予約を3000件以上受け付け、合計で1億ドル以上の売り上げを記録したと発表した。ただし、予約注文者は何らかの理由で予約を取り消す可能性があり、実際には1億ドルの売り上げを実現したとは言い難い。

アプテラの新EVを見てみよう。


アプテラは2019年の復活以来、航続距離1000マイル(約1600キロメートル)のEVを作ると約束していたが、それが今、現実のものとなった

アプテラのEV

アプテラの電気自動車。

Aptera Motors

Aptera Motors


同社の発表によると、最上位モデルの航続距離は1000マイルで、それ以下の3つのモデルではそれぞれ、250マイル(約400キロメートル)、400マイル(約640キロメートル)、600マイル(約970キロメートル)となっている

アプテラのEV

アプテラの電気自動車。

Aptera Motors

Aptera Motors


現在の最長航続距離はテスラのモデルSの402マイル(約650キロメートル)で、ルシードの次期モデル、ルシード・エア(Lucid Air)も517マイル(約830キロメートル)。ただし、アプテラの数字はアメリカ環境保護庁(EPA)の審査を受けたものではない

アプテラのEV

アプテラの電気自動車。

Aptera Motors

Aptera Motors


とは言え、この車はもう1つの仕掛けがある。同社によると、ソーラーシステムが1日最大45マイル(約72キロメートル)、年間にすると1万1000マイル(約1万7700キロメートル)の走行を可能にするという

アプテラのEV

アプテラの電気自動車。

Aptera Motors

Aptera Motors


オプションで、ボンネットや後部のハッチにソーラーパネルを追加することも可能で、さらに走行距離を伸ばすことができる

アプテラのEV

アプテラの電気自動車。

Aptera Motors

Aptera Motors


同社によると「アプテラは、太陽光発電だけで日常の運転ニーズのほとんどを満たすことができる初の自動車」だという

アプテラのEV

アプテラの電気自動車の車内。

Aptera Motors

Aptera Motors


だが、ソーラーパネルの有用性は、住んでいる場所、その日の天気、そしてどの程度運転するかに大きく依存する

アプテラのEV

アプテラの電気自動車。

Aptera Motors

Aptera Motors


このラジカルで合理的なデザインが、長距離の走行を可能にしているという

アプテラのEV

アプテラの電気自動車。

Aptera Motors

Aptera Motors


カーボンファイバー、ケブラー、麻といった軽量の素材でできた3輪車は、翼のない小さな飛行機のように見える空力フォルムを持っている

アプテラのEV

アプテラの電気自動車。

Aptera Motors

Aptera Motors


しかし、ティアドロップ型のデザインには難点もある。後部座席がないのだ

アプテラのEV

アプテラの電気自動車。

Aptera Motors

Aptera Motors


そのため、後部はトランクになっている。容量は25立方フィート(約708リットル)で、テスラ・モデル3より10立方フィート(約283リットル)大きい

アプテラのEV

アプテラの電気自動車。

Aptera Motors

Aptera Motors


アプテラのEVはパワーも十分だ。0-60mphは前輪駆動車が5.5秒、3輪駆動車が3.5秒だという

アプテラのEV

アプテラの電気自動車。

Aptera Motors

Aptera Motors


価格は2万5900ドル(約270万円)から4万6900ドル(約490万円)で、バッテリー・パックと駆動方式により異なる

アプテラのEV

アプテラの電気自動車。

Aptera Motors

Aptera Motors


アプテラによると、製造開始は2021年で、納車開始も同じだ

アプテラのEV

アプテラの電気自動車。

Aptera Motors

Aptera Motors


非常にタイトなスケジュールに思えるが、アプテラによると短期間での量産が可能だという。メインの部品はわずか4つで、3Dプリント技術を使って製造するためだ

アプテラのEV

アプテラの電気自動車。

Aptera Motors

Aptera Motors


アプテラは、座席とタイヤを増やした高性能バージョンをラインナップに追加することを計画している

アプテラのEV

アプテラの電気自動車。

Aptera Motors

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[原文:A startup opened orders for a $26,000 solar-powered EV that it claims never needs charging. The first batch sold out in 24 hours.

(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)

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