12月11日、バーガーキングはプラントベースワッパーを発売した。
撮影:小林優多郎
ここのところ、「お肉じゃない肉」が身近になってきている。フレッシュネスバーガー、焼肉ライク、コメダ珈琲(KOMEDA is □)などなど、巷で「代替肉」を打ち出すメニューが増えているのだ。
バーガーキングを運営するビーケージャパンホールディングスは12月11日、100%植物性パティ(大豆由来)を使用した「プラントベースワッパー」を期間・数量限定で発売した。
価格は単品で590円、ドリンクとフレンチフライのセットで890円(いずれも税別)。バーガーキングの中ではそこまで割高感のない価格に抑えられているが、実際に「食べた満足感のある商品」なのか。実際に購入してみた。
今回は比較のため、「ワッパー」(単品490円税抜)と一緒に買ってみた。大きさはほとんど同じ。
撮影:小林優多郎
プラントベースワッパーであることは包み紙のデザインからわかる。
撮影:小林優多郎
包み紙を取ってみた。バンズも同じ。外観だけで見れば、どっちがプラントベースワッパーなのかわからない。
写真左から、プラントベースワッパー、ワッパー。
撮影:小林優多郎
断面を比較してみると、ワッパーの方がマヨネーズが多そうだが、具材に大きな違いはない。パティも比較してみたら「違う」と分かるレベル。
写真左から、プラントベースワッパー、ワッパー。
撮影:小林優多郎
実際に食べてみた。バーガーキングのワッパーは、やはり他の店のバーガーと比べて肉ならではの旨みを感じるボリューミーな印象。
ワッパー。
撮影:小林優多郎
対して、プラントベースワッパー。歯ごたえがしっかりあり、“おいしい”と感じるデキ。肉由来の旨みは感じられなかったが、炭火焼きの風味がワッパーより強く感じた。
プラントベースワッパー。
撮影:小林優多郎
バーガーキングが公開している「商品の栄養成分及びアレルゲン情報」によると、ワッパー1つあたり約676kcal、脂質41.1gで、プラントベースワッパーが約673kcal、脂質38.4gとあまり変わらない。
編集部による赤枠付与およびトリミング済み。
出典:バーカーキング・ジャパン
個人的な感想で言えば、非常に満足感のある味だった。
「ビーフとほぼ同じ味」では決してないが、比較せず、包み紙を見せずに食べれば「なんかいつものワッパーと違うな」程度の違和感しか生まれないんじゃないだろうか。
「肉ならではの旨みを味わいたい」という欲求をプラントベースワッパーで満たすことは難しいだろうが、「おいしいバーガーを食べたい」というニーズには十分応えられる。
プラントベースワッパーの単品価格は590円。一方、ワッパーは単品価格490円(レシートの価格はセット時のもの)。
撮影:小林優多郎
また、代替肉(大豆ミートや植物肉とも言われる)の分野は開発・一般化が進行中の分野であるため、既存の肉と比べて少し割高なケースがある。実際、プラントベースワッパーとワッパーでは100円の差がある。とはいえ、100円程度の違いであれば、物珍しさもあって「ちょっと試してみよう」と思えるレベルだと思う。
環境保全や菜食主義など個人の食生活の多様性が求められる昨今。ファストフードにも、こうした“手軽に食べられる”商品が増えてくることには、フードテックの隆盛とともに、時代と流行の変化を感じさせられる。
(文、撮影・小林優多郎)