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Slackが赤字を出しても売上の50%を顧客獲得に投じる訳。セールスフォースによる買収でTeamsとの戦いは新局面へ

CRM(顧客関係管理)のクラウドサービスで世界的に有名なセールスフォース・ドットコム(以下、セールスフォース)は12月2日、ビジネスコミュニケーションツール「Slack」を運営するSlack Technologies, Inc.(以下、Slack)を277億ドル(約2.9兆円)もの巨額で買収すると発表しました。

Slackはコロナ禍の影響を受けて着実に売上を伸ばしているとはいえ、直近の四半期では6800万ドルの赤字、直近の1年では3.1億ドルの赤字です。

図表1

(出所)Slack Technologies, Inc., 10-Q filed on 12/3/2020 Quarterly Reportより筆者作成。

年間300億円以上の赤字を垂れ流しているSlackを、3兆円近くで買収しようとしているセールスフォースの思惑はいったい何なのでしょうか?

前回はこの疑問を出発点にして、PBR(Price Book Ratio:株価純資産倍率)とPSR(Price Sales Ratio:株価売上高倍率)という2つの指標を使って分析を試みました。

結果、セールスフォースによる買収額277億ドルは、PBRでもPSRでも破格の「33倍」。買収額2.9兆円という絶対額だけでなく、PBRやPSRの倍率で見ても業界平均より相当に高い数字だということが分かりました。

そこで本稿では、Slackの直近の第3四半期のP/Lを手がかりに、セールスフォースが赤字続きのSlackをなぜこれほど高く評価するのか、その理由を突き止めていくことにします。

赤字のSlackになぜここまで高い評価がつくのか?

図表2は、2021年1月期の第3四半期のSlackのP/Lを滝チャートで示したものです。

図表2

(出所)Slack Technologies, Inc. 10-Q filed on 12/3/2020 Quarterly Reportより筆者作成。

売上高2.35億ドルに対して、原価、研究開発費用、セールス及びマーケティング費用、一般管理費の合計は3億ドル。その結果、四半期で6600万ドルの純損失を計上しています。

これら費用のうち40%もの割合を占めるのが、セールス及びマーケティング費用(約1.2億ドル)です。Slackは、売上高のなんと50%を販売とマーケティングにつぎ込んでいるのです

仮にセールス及びマーケティング費用を一切かけなければ、Slackは純損失どころか5300万ドルの利益を出せる計算になります。では、利益の確保を犠牲にしてまで販売とマーケティングに1.2億ドルを投じた結果、Slackは有料顧客をどれだけ獲得できたのでしょうか?

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