民主党のバイデン氏。
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- アメリカでは12月14日(現地時間)に行われた選挙人による投票で、民主党のジョー・バイデン氏が当選に必要な過半数270を超える票を正式に獲得した。
- 選挙人たちは投票のために、全米50州およびコロンビア特別区(ワシントンD.C.)でそれぞれ集まった。
- 今回の選挙人による投票は、法廷闘争などを通じてバイデン氏が勝利宣言をした選挙結果をひっくり返そうとするトランプ大統領やその側近らの約6週間に及ぶ試みに、終わりをもたらすだろう。
民主党のジョー・バイデン氏は、選挙人による投票で当選に必要な過半数270を超える票を正式に獲得し、大統領選挙における勝利を固めた。
全米50州およびコロンビア特別区の選挙人たちは12月14日、票を投じるために集まった。投票は午前10時(東部標準時)にインディアナ州、ニューハンプシャー州、テネシー州、バーモント州で始まった。
バイデン氏への票は午後5時30分頃(東部標準時)、カリフォルニア州での投票で270を超えた。
選挙人による投票の結果を受け、バイデン氏は「民主主義が勝利した」と述べ、「アメリカでは政治家が権力を握るのではない。国民が政治家に権力を与えるのだ」と語った。
11月の選挙結果では、バイデン氏が306人、トランプ大統領が232人の選挙人を獲得していた。 バイデン氏は2016年の大統領選でトランプ大統領が勝利した5つの州(アリゾナ州、ジョージア州、ミシガン州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州)をひっくり返した。
12月に行われる選挙人による投票は通常、あまり注目されることはない。ただ、2020年の場合、法廷闘争などを通じてバイデン氏が勝利宣言をした選挙結果をひっくり返そうとするトランプ大統領やその側近らのかつてない試みに、終わりをもたらすだろう。
そのプロセスは例年とはやや違った。票を投じる間も、選挙人たちはソーシャル・ディスタンスを取り、マスクを着用していたし、ネバダ州では史上初めてZoom越しに票を投じた。
ただ、全体としては投票は各地でスムーズに進んだ。
選挙人による投票でバイデン氏が当選に必要な過半数を超える票を正式に獲得したことで、選挙結果をめぐるさらなる訴訟への扉も閉ざされそうだ。
選挙人の投票結果の証明書(2013年1月4日、ワシントンD.C.)。
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14日に行われた選挙人による投票の結果は、12月23日までに連邦議会に送られる。
それぞれの州の選挙人による投票結果の証明書を確認するため、1月6日にはペンス副大統領が上下両院合同会議を取り仕切ることになっている。ここで議員から異議がなければ、次の大統領および副大統領が正式に決定する。
選挙人による投票結果を争うには、上院と下院の両方の議員からの"異議"が必要だ。
現時点では、少なくとも1人の下院議員 —— アラバマ州選出の共和党のモー・ブルックス(Mo Brooks)議員 —— がバイデン氏の勝利を阻止するために異議を唱える見込みだ。
ただ、ブルックス議員と行動をともにする共和党の上院議員がいるかどうかは不明だ。
直近で、両院合同会議で選挙人による投票結果が争われたのは2004年。不適切な選挙管理や有権者に対する投票抑制があったとの報告を受け、民主党のステファニー・タブス・ジョーンズ(Stephanie Tubbs Jones)下院議員とバーバラ・ボクサー(Barbara Boxer)上院議員が、オハイオ州の選挙人による投票結果に異議を唱えた。数時間に及ぶ議論の末、連邦議会はオハイオ州の結果を受け入れた。
[原文:Biden officially earns over 270 Electoral College votes, cementing his victory over Trump]
(翻訳、編集:山口佳美)