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巣ごもりで「漫画村問題」が再燃か 「急増ペースが異常、歯止めきかず」…集英社らが危機感

登壇者

漫画家の赤松健氏ら3名は、海賊版サイトに関する会見を都内で開いた。

撮影:小林優多郎

「海賊版サイトのアクセス増に歯止めがきかなくなっている」

漫画家で日本漫画家協会常務理事でもある赤松健氏、集英社の伊東敦氏、弁護士の福井健策氏の3名は、12月15日に日本外国特派員協会で開いた緊急会見でこう訴えた。

2年前に流行した海賊版マンガサイト「漫画村」での騒動は、元運営者である星野ロミ被告が2019年7月にフィリピンで身柄を拘束、その後日本で逮捕・起訴されたことで一旦は落ち着いた。

しかし、伊東氏によると2020年1月から、同様の形で「漫画村以外」の海賊版サイトのアクセスが急増しているという。

急増の原因は海賊版サイトの巧妙化と新型コロナ

アクセス急増

2020年1月以降の3つの海賊版サイトへのアクセス数を示したグラフ。

撮影:小林優多郎

その背景には、海賊版マンガサイトのサーバーが海外に置かれていることに加え、コンテンツ配信の中継事業者によって巧妙に匿名化され、摘発が難しくなっていること、加えて新型コロナウイルス感染症拡大の影響による巣ごもり効果が加わり「急増のペースが異常。極めて危機的」(福井弁護士)にあるという。

こうした状況を受け、集英社をはじめ出版社はプラットフォーマーやサーバー事業者に対し、コンテンツの非表示化や削除申請を実施。その数は「月間12万件」(福井弁護士)にものぼるが、いたちごっこが続いている状況だ。

例

とある海賊版サイトで閲覧・ダウンロード可能となっている漫画「UQ HOLDER!」(赤松健著、講談社)の例。画質もよく、正規のルートで購入された電子書籍からスクリーンショットで作成したものと見られている。

撮影:小林優多郎

また、前述の通り海賊版サイトの巧妙化も進んでいる。従来から進めている削除申請等のほかに、各国の政府機関やドメインを管理する事業者との連携も必要になってくるが、国によって海賊版の被害に対する認識が異なることが、対策の障壁になっている。

実際、福井弁護士はドメイン名などの管理・調整を行なうアメリカの非営利法人・ICANNにも対処を要請しているが、「半年以上にわたって要請をしているが、(ICANNは)放置を続けている」状況だと話す。

新型コロナウイルスによって、従来行ってきたイベント参加などの啓蒙活動も難しくなってくる。今回、三者が集まったのは、改めて海賊版の被害を報道等を通じて国際社会に訴えかけたい狙いがある。

日本人も大量にアクセス「2021年からはダウンロード違法化」

アクセス数ランキング

日本語および英語の海賊版サイトのアクセスランキング。英語で配信しているサイトはグローバル向けなだけにボリュームが大きいが、日本語だけで配信している海賊版サイトもその半分以上の規模がある。

撮影:小林優多郎

今回、アクセス増となっているのはグローバル全体の話だが、日本も他人事ではない。

今回示されたデータの中で、日本人向けの日本語の海賊版のサイトもアクセスを集めている点はとくに注目しておきたいところだ。

日本では10月1日から改正著作権法施行にともない、いわゆるリーチサイト・リーチアプリ規制、マンガに限らず音楽や動画などの違法なコンテンツにユーザーを誘導するサイトやアプリが規制されるようになった。

これについて福井弁護士は「一定の効果は見込める」としつつも、自身も立法に携わった立場から「(国は)ダウンロードをした人の摘発をどんどんやっていこうとは思っていない。アナウンス効果の影響が大きいとは思う」と話す。

登壇者 撮影

写真左から、弁護士の福井健策氏、漫画家の赤松健氏、集英社の伊東敦氏。

撮影:小林優多郎

2021年1月1日からは著作権法改正により、さらに海賊版コンテンツの違法化や著作権侵害訴訟における証拠収集手続の強化などが行われる。

伊東氏らは現実的な削除申請などを進めながらも、国内外で「海賊版を知りながら読むことは違法と強く訴えっていく」と話している。

(文、撮影・小林優多郎

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