【独占】テキーラ女性急死・光本勇介氏「1、2年前からテキーラチャレンジ」で問われる起業家の資質

光本勇介

光本勇介氏は12月14日、Business Insider Japanの電話インタビューに応じた(写真は2017年12月時点のもの)。

写真:伊藤有

東京・恵比寿の高級ラウンジで、女性が「750ミリリットルのテキーラを15分以内に飲む」というゲームに参加後、死亡した。その現場にいた連続起業家の光本勇介氏(40)が12月14日、Business Insider Japanの単独インタビューに応じた。女性が亡くなったのは11月27日夜のことだった。

創業した会社やサービスを高額で売却するなど、起業家としてメディアにも多く取り上げられてきた光本氏。その功績を取材してきたメディアとして、人の命が失われた深刻な事態についての光本氏の受け止めと、その背景にあったことを聞いた。

「テキーラチャレンジ」は2年前からしていた

光本勇介氏

写真は2017年12月撮影のもの。

写真:伊藤有

12月14日午前、電話口で取材に応じた光本氏は、以前取材したときの闊達(かったつ)な語りとは様変わりして、沈んだトーンを感じさせる声色だった。

光本氏によると、店から事故について知らされたのは、問題の飲み会から夜が明けた11月28日だったという。言葉を選びながら、その時の心境をこう語った。

「第一報をいただいたときは、何を感じたというよりは、初めての出来事でしたので、動揺してしまって。気持ちに整理がつかないというか、現状が理解できない、というのが一番最初の印象です」

なお文春オンラインによると、光本氏は女性の死亡後の12月4日にも六本木のラウンジで酒席についていたと報じられている。

そもそもこのテキーラゲームは「750ミリリットルのテキーラを15分以内に飲めたら10万円」という内容で、デイリー新潮によると光本氏が考案したものだという。

いつからこのゲームをしていたのか、との問いには「明確に記憶しているわけではないが、1〜2年前だったと思う」と語った。BANKやheyなどの企業経営に携わっていた時期にもこうしたゲームに興じていたのか、との質問には「そういう機会があったかもしれない」と答えた。

同席者は「申し上げられない」

テキーラ

「テキーラ一気飲み」のような飲み方の同席者として噂される複数の起業家の名前については、光本氏は「申し上げることはない」とした(写真はイメージです)。

画像:Shutterstock

一方で、SNS上でさまざまな憶測が飛び交っている同席者については「私からは申し上げることができない」と述べるにとどめた。

同席者としては、著名なスタートアップ経営者(A氏・B氏)の名前が挙がっていたり、友人とされる経営者(C氏・D氏)らと過去にテキーラチャレンジをしたりとの指摘もあるが事実か、との質問については、沈黙を挟みながら、こう答えた。

「その方々とは友人であり、今までにお酒を飲ませていただいたことはございます。本件について、特にその方々について申し上げることはございません」

また今回の件について「私の知人や友人というだけで(噂が)多く上がっているが、あくまで私個人のお話としていただきたい」と述べた。

70億円調達「hey」との資本関係は?

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光本氏が創業したブラケットはストアーズ・ドット・ジェーピーとなり、その後「STORES」を運営するheyに統合された。

出典:ブラケット

2019年9月のBANK解散後、光本氏は「実験」という個人会社を立ち上げ、いくつかのサービスをリリースしている。そのうちの一つ「FOLLOW ME(フォローミー)」は2020年9月に、ユーチューバー専門のプロダクション、UUUM社へ売却している。

実験社や自身の事業について今後どうするのか、との質問に対しては、こう語った。

「次のチャレンジを模索しているステータスである、と申し上げましたが、事故が起きてから、そのステータスは変化しています。今は自分自身のチャレンジを考えるよりは、私がすべきことや反省すべきことにしっかり向き合いたいと思っています」

さらに、光本氏が創業したネットショップ作成サービス「STORES」を運営し、8月に70億円を超える資金調達をしたことでも知られるheyとのつながりについては、

「2019年には役員でしたが、すでに退任しております。本件とは切り離して捉えていただければと思います」

とした。

2020年8月にBusiness Insider Japanがhey社長の佐藤裕介氏に取材した際、佐藤氏は光本氏について「役員は退任したものの、依然としてheyの大株主である」と発言している。

光本氏に、現時点でのheyとの資本関係について尋ねると「公開されている情報ではないため、申し上げることができない」と答えた。

「解散」など経営者としての責任は

実験社

光本氏は「面白そうなサービスを実験的に世の中に出してみる」ことを目的とした個人企業を運営している。

出典:実験 公式ウェブサイト

光本氏は「人生、すべては実験」「狂ったようなチャレンジを」と掲げ、さまざまな事業の立ち上げとその経営判断で世間を驚かせてきた。

今回の「テキーラ女性急死」という衝撃的な事態を契機に、光本氏が起業家として責任ある行動を取ってきたのかを、疑問視する向きはSNSを中心に広がっている。

メディアとしても、著名な起業家の功績に脚光を当てるのみならず、巨額の事業売却と短期間での破格の買い戻し、突然の解散といった経営判断を、倫理観や社会的責任という視点から、問う必要があったと言える。

「今まで、社会的な責任を軽く捉えたり、雑に考えたりしてきたつもりはございません。『このような軽率な行動をしておいて何をいうんだ』と批判をいただくかもしれないが、自分なりに責任を持って会社を経営してきたつもりではあります」

光本氏は、社会的責任を問う質問にこう回答した。

また、一時は70億円でDMM.comに売却した後、破格の5億円で買い戻したBANKを、1年も経たないうちに解散したことについては次のように振り返った。

「私が中途半端にチャレンジをしてしまうことで、従業員をアンハッピーな状況にさせてしまうのであれば、あのタイミングで解散をしたほうが社会的責任を果たせる、との判断でした。無責任でああいった行動をとったつもりはございません」

今回の一連の報道は、スタートアップ界隈への影響も少なくない。

「(成功した起業家に相応しい振る舞いをすべきという)そうした期待が(自分に)かかっていたとすれば、本当に申し訳ないと思っております」

自身の公式サイトでの発表では、テキーラの一気飲みに近い危険な飲み方を「ゲーム」と表現していた光本氏。編集部からの質問への回答を続ける中でも、やはり再三「ゲーム」という表現を使っていた点は変わらなかった。

豊富な社会経験を積んだ大人であり、経営者でもある光本氏が「一気飲み」の危険性について認識していなかったのか。 過去から現在まで同席した友人たちのなかに、止める人はいなかったのか。

出資者だけでなく、今まで関わりのあった社員やユーザー、取引先など多方との繋がりで存在する、企業という「社会の公器」。その経営者としての責任と自覚は、光本氏や周囲にあったのか。

この点に関しては、インタビューを通じて疑問に残り続けた。

(取材・文、西山里緒、聞き手・伊藤有、編集・滝川麻衣子)

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