S&P 500の目標は「4000ポイント」…バンク・オブ・アメリカが2021年の米株式市場を予測

ニューヨーク証券取引所で働くトレーダー。

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Reuters

  • バンク・オブ・アメリカ(BofA)によると、2021年は、S&P500の2つの重要な指標に投資家の注目が集まるはずだという。
  • 2021年のS&P500の重要な支持線は3200ポイントと見られ、12月14日の終値からみると10%下落する可能性があるとBofAは述べている。
  • しかし一方で、長期的なトレンドとチャートに見られるカップアンドハンドル・パターンは、S&P500が2021年の4000ポイントを超える可能性があることを示唆しており、10%以上上昇するかもしれないという。

2020年のアメリカ株式市場は、最初のピークから35%下落した後、ほぼ70%上昇して史上最高値を更新した。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)のテクニカル・アナリスト・ノートは、2021年の展望は強気のままで長期的な上昇トレンドが続くと見ている。

「幅広いポジティブなトレンド、幅、季節性、出来高、信用、モメンタム、マクロ指標は、2021年も上昇を示唆している」と、BofAのチーフ・エクイティ・テクニカル・ストラテジストであるスティーブン・サットマイアー(Stephen Suttmeier)は述べている。

また、ダウ理論によると、ダウ工業株と輸送株が2020年後半に上昇したことは、相場が堅調に推移していることを示している。

BofAは、株式投資家が2021年を予測するために注目すべき2つの重要なポイントを示した。

2021年の支持線は3200ポイント

まず、S&P500の重要な支持線は3200ポイントであること。12月14日の終値から考えると、12%の下降の可能性があることになる。2020年の秋にやってきた短い調整局面は、3200ポイントが支持線であるかどうかを再テストして、夏の急上昇が本物であることを示した。

「3170ポイント付近にあった200日移動平均線の上昇に支えられた3200のゾーンは、2021年により深い調整が起こった際の大きな判断基準になる」とBofAは述べている。

長期的な強気相場の継続

第2のポイントは上値余地だ。具体的に言うと、BofAは4000ポイントまで上昇の可能性があると見ており、12月14日の終値から10%上昇することになる。この上昇の可能性を裏付けるものとして、過去の事例やカップアンドハンドル・パターン(株価のチャートがカップと持ち手のような形を描くこと。上昇トレンドを示すと考えられている)があげられている。

バンク・オブ・アメリカは「過去のデータによると、10%以上の下落があった年の翌年は、1月、第1四半期、そして通年で、より強いリターンがある」と述べ、このトレンドは2021年にも起こる可能性があるとした。2020年に株価は35%も下落している。

また、大統領選挙時のデータでは、ジョー・バイデンが就任1年目の株式市場を引き上げるという。「就任初年度の平均リターンは7.1%で、民主党の大統領に限れば11.4%になる」とBofAは説明した。

最後に、テクニカル分析によるカップアンドハンドル・パターンが、この夏以降のS&P500の急上昇につながっているという。ここから導き出された目標値は4270ポイントで、12月14日の終値に比べて17%の上昇が見込まれることを示している。

「3月のCOVID-19による下落と6月のもみ合い、6月以降の上昇は、上昇トレンド継続のパターンを形成した」とBofAは述べた(下図参照)。

BofAは、この目標が達成されるのは2022年になるかもしれないと認めているが、S&P500が2021年に4000ポイントを超える可能性を排除していない。

Bank of America

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[原文:These are the 2 key technical levels to watch for the stock market in 2021, BofA says

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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