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株価収益率(PER)で何がわかる?…バリュー投資の強い味方を活用しよう

ある銘柄の株価収益率(PER)から、その会社の株価が他社と比べて割高か、それとも割安かを判断できる。また、同じ会社の過去の株価との比較も可能だ。

ある銘柄の株価収益率(PER)から、その会社の株価が他社と比べて割高か、それとも割安かを判断できる。また、同じ会社の過去の株価との比較も可能だ。

hocus-focus/Getty Images

  • 株価収益率(PER)は、ある企業の株価を、1株当たり利益(EPS)との関係で評価する指標だ。
  • 一般的には、PERが低い場合、その銘柄は割安であり、逆に高い場合は割高であると考えられる。
  • PERは主に、同業他社や、その企業が属する業界全体と比較する際に真価を発揮する。

どんな人でも、投資する株を選ぶ時には「いい買い物をしたい」と願うことだろう。単に「投資する価値がある」というだけでなく、「適切な株価」で取引されている企業に投資したいはずだ。では、ここで言う「適切な株価」は、いったいどうやって判断すればいいのだろうか? これは表面的な株価だけの問題ではない。

株価、そしてその背後にある企業を評価するために長く使われているツールの1つが、「株価収益率」だ。英語の「Price-to-Earnings Ratio」の頭文字を取って、「PER」という略称で知られている。

PERによって投資家はある銘柄の株価を他社の株価と比較することができる。要するに、その株が健全な投資のレベルで取引されているのか、それとも投機的なレベルに達しているのかを教えてくれるのが、PERという指標だ。

PERの導き出し方とその意味

株価収益率(PER)は、ある企業の株価を、1株当たり利益(EPS)との関係で示した数値だ。

PERは通常、それぞれの銘柄のオンライン株価情報ページに、1株当たり利益とともに掲載されている。だが、自分で計算してみたい場合は以下の数式を使って導き出すことができる。

株価収益率(PER)=株価÷1株当たり利益(EPS)

PER

ある株式の株価収益率(PER)を導き出すための数式。

Yuqing Liu/Business Insider

PERは、ある会社の株を買った場合に、投資家にとってその会社の利益1ドル当たりいくらの出費になるかを示す計算値だ。たとえば、ある会社の株価が500円で、1株当たり利益が50円だった場合、PERは10倍になる。この銘柄を買った場合には、利益1円当たり10円を投資家は支払うことになる。

一方、同じ業種の別の企業が、株価は上記の会社と同じ500円だが、1株当たり利益が20円だった場合、PERは2.5倍になる。つまり、投資家がこの会社の株を買った際に支払う金額は、利益1円当たり2円50銭ということだ。他の条件がすべて同じであれば、2つ目の企業の方が、理屈の上ではお買い得と言える。

PERは投資戦略に大きな意味を持つ

バリュー投資」において、PERは大きな意味を持つ指標だ。バリュー投資とは、株価が本質的価値(ファンダメンタル・バリュー)よりも安値で取引されているように見える企業を探し出して投資する戦略だ。

一般的に言えば、PERが低い場合は、その銘柄が割安であるか、あるいは、会社の業績が良いと考えられる。逆にPERが高い場合は、その銘柄は割高か、業績が今後伸びると投資家が期待しているものと推察される。

PERは、ある企業を単体で評価する場合に加えて、他社や業界のベンチマークとの比較に用いることもできる。

例えば、特定の企業の銘柄か、「S&P 500」と連動する上場投資信託(ETF)のどちらかに投資しようと考えている場合、投資家は候補としている企業とS&P 500自体のPERを比較することで、どちらが割安かを確認することができる。

過去の実績で見ると、S&P 500のPERの平均値は13倍から15倍の間に収まっている。2020年5月には20倍の壁を突破したが、これは過去18年間で最高の値だった。

PERを比較指標として用いる際の注意点

では、どういう状況になれば、「PERが高い」あるいは「低い」と言えるのだろうか。残念ながら、これには決まった答えはない。投資家が関心を持っている会社のタイプによって、すべてが違ってくるからだ。

2つの銘柄でPERを比較する場合に、大事なのは、同業種の企業同士を比較することだ。なぜなら、セクターや業種ごとに標準的なPERの値があるからだ。これは、特定のセクターや業界に属する企業のPERの平均値を指す。

例えば、2018年から2020年にかけて、ヘルスケア分野のPERは平均で20倍から30倍で推移した。一方、同じ期間内の金融サービス分野のPERは平均6.5倍から10倍だった。

こうした数値の違いは、業種によってその特性が異なることから生じるものだ。例えば航空会社の設備投資額は、テクノロジー系の企業よりも高くなる。そのため、債務水準や利益もまったく異なるものとなり、PERも違ってくる。

PERが真価を発揮するのは、同じ業種に属する他の企業、あるいはそのセクター全体の平均値と比較した時だけだ。「各業種に、そのカテゴリーの中でのベストな値というものがあるはずだ」と指摘するのは、企業の経営モデルや事業計画を策定する企業、ユニコーン・ビジネス・プランズのエバン・フィッシャー(Evan Fisher)最高経営責任者(CEO)だ。

「業種によっては、PERが特に重要になるケースもある」とフィッシャーは付け加える。例としては、「小売、コンシューマー向け、製造関連といった属性を持つ業種だ。一方、テクノロジー系などの歴史が短く、高成長の業種では、(まだ満足な収益を上げていないため)PERがそれほど重要視されない」という。

PERを投資に活用するために

PERは、ある銘柄の現時点での株価を分析する材料になる。同業他社との比較に加えて、その企業の過去の数値と比較しても、割高か割安かを判断する基準として使えるのだ。1株当たり利益という、企業の本質的価値に焦点を合わせることで、株価を過度に押し上げる市場のバブルや、逆に暴落させる「パニックによる投げ売り」など、外的要因によるノイズをシャットアウトできる。

とは言っても、PERはあくまで情報源の1つにすぎない。これだけを唯一のデータポイントとして頼りにするのではなく、分析の際の一要素として用いるべきだろう。

フィッシャーも「我々にとってこれ(PER)は、単独で見るものではない」と釘を刺している。「企業がダイヤモンドだとすると、PERはダイヤの数多くあるファセット(カット面)の1つというのが私の考えだ。他の面にも目を配らなければならない。経営の効率性や今後の収益の見通し、既存の資産、競合他社に対するポジショニング、顧客満足度といったものが、目を配るべき要素だ」

[原文:What is the P/E ratio? An analytical tool that helps you decide if a stock is a good buy at its current price

(翻訳:長谷 睦/ガリレオ、編集:Toshihiko Inoue)

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