【速報】米ファイザー、コロナワクチン日本での承認申請。2月には国内治験の結果も提出へ

ワクチン 新型コロナ

ファイザーとバイオンテックが厚生労働省に対し、同社が共同開発したmRNAワクチンの製造販売承認を申請した。

撮影:三ツ村崇志

米ファイザーと独バイオンテックは12月18日、日本の厚生労働省に対して、同社が開発する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチンの製造販売承認を申請したことを発表した。

この申請に用いられた治験資料は、医学誌「The New England Journal of Medicine」に掲載されており、誰でも閲覧することが可能となっている。

同社によると、ワクチンの有効率は95%。年齢、性別、人種・民族で、効果は一貫していたという。

論文によると、治験に参加して実際に注射をした人数は43448人。このうち、ワクチンを接種した人とプラセボ(偽薬)を接種した人の割合はほぼ1対1(ワクチン投与:21720人、プラセボ投与:21728人)。

ワクチンを接種した参加者のうち、2回目の接種から少なくとも7日後に新型コロナウイルス感染症を発症した患者は8人。一方、プラセボを接種した参加者のうち、発症したのは162人だった。

有効率の95%という値は、この比から算出された値だ。

また、ファイザーによると、外部データモニタリング委員会(DMC)から、現時点でワクチンに関連する安全性の懸念は報告されていないという。

なお、11月19日のプレスリリースによると、1回目または2回目の接種後に2%以上の頻度で発現したグレード3(重度)の有害事象(ワクチンとの因果関係の有無を問わず生じた現象)は、疲労(3.8%)や頭痛(2.0%)程度だった。また、高齢者においてワクチン接種後に報告される有害事象は少なく、あったとしても軽度である傾向が認められたとしている。

基本的にポジティブな結果であるものの、これまでにないスピードで開発されたワクチンであることから、今後、長期的な安全性については注視しておく必要があるだろう。

なおファイザーは、長期的な予防効果と安全性を評価するために、すべての治験参加者の評価を2回目接種から2年間継続しているという。

日本人を対象にした治験も進行中

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REUTERS/Dado Ruvic/Illustration

現在、ファイザーは日本人を対象にした安全性、忍容性および免疫原性を評価する「国内第1/2相試験」を進めており、その2回目の接種が完了した段階だ。

臨床試験は、20歳から85歳の日本人160人を対象に実施。120人にワクチンを、40人にプラセボを21日間隔で2回接種している。この臨床試験では「安全性、忍容性および免疫原性を評価すること」を目的としている。

2021年2月までのデータで、臨床試験の結果がある程度まとまるとみられており、その結果も厚生労働省に提出されることになる。

なお、ファイザーとバイオンテックは、ワクチンの承認が得られた場合、1億2000万回分を2021年上半期に日本に供給することで日本政府と合意したことを発表している。

(文・三ツ村崇志

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