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コロナ禍で星占いに頼る人が増えた? 5人の起業家に聞いた、占星術ビジネスのリアル

キラ・タボーン

占星術師のキラ・タボーンさん。

Kirah Tabourn

良いニュースから始めよう。

「2021年はかなり良い年になるでしょう」

そう語るのは、23歳のジェイド・サイクス(Jade Sykes)さんだ。サイクスさんは2020年にビジネスが大繁盛した占星術師の1人だ。シザ(SZA)やケラーニ(Kehlani)といったミュージシャンの"パーソナル占星術師"でもある。

Insiderが取材した5人の占星術師の多くは、2021年について占星術的にやや楽観的だ。どんなことでも2020年よりはマシだろうというのは今年よく聞かれた台詞だが、占星術師たちは皆、2020年は占星術ビジネスにとって良い年だったと口を揃える。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)によって先行きが不透明で、経済も崩れつつある中、人々は光を求めている。

占星術師たちの実感

サイクスさんは、クライアントが投げかける質問に答えるという自身の提供するサービスへの需要が伸びるのを目の当たりにした。 月額9.98ドル(約1000円)のサイクスさんのPatreonは急に売れ出し、今では3820人の会員を獲得し、彼女のソーシャルメディアのチャンネルには10万人を超えるフォロワーが付いている。近いうちに6時間のチャートリーディング・セッションを998ドルで売り出す計画だ。

ジェイド・サイクス

占星術師のジェイド・サイクスさん。

Jade Sykes

30年以上の経験を持つベテラン占星術師のサミュエル・レイノルズ(Samuel Reynolds)さんは、自身の初心者向けのバーチャル占星術教室の生徒の数は普段なら5、6人だと話した。ところが今では30人に増え、レイノルズさんは初めて助手を雇わなければならなかったという。

予約も普段なら埋まるのは2週間先くらいまでだったが、12月半ばの時点で3月まで埋まっているという。

人気占星術アプリ「Sanctuary」のCEOロス・クラーク(Ross Clark)さんは、アプリの有料サービスが今年は「かなり成長」したとBusiness Insiderに語っている。これは新しいユーザーが増えただけではなく、「既存ユーザーのエンゲージメントもかなり深まった」という。

ロス・クラーク

人気占星術アプリ「Sanctuary」のCEOロス・クラークさん。

Ross Clark

占星術師で著者、教育者でもあるキラ・タボーン(Kirah Tabourn)さんは、占星術を3月から自身のフルタイムの仕事にした。6月には約5000人だったインスタグラムのフォロワー数は2万人に達した。タボーンさんは今年だけで約400回のリーディングを行ったという。

大きく伸びたのは、パーソナル・リーディングといったより個人に合わせたサービスを提供した占星術師に限られるかもしれない。伝説的な占星術師のスーザン・ミラー(Susan Miller)さんは、2020年のビジネスは安定していたとInsiderに語った。自分はすでに「有名」で、何百万という支持者は引き続き彼女についてきたからだろうという。

「安定しています。これはありがたいことです。わたしにお金を払ってくれる人たちがいるのですから」とミラーさんは話した。

ただ、ミラーさんは夏の間にアプリを立ち上げていた。それがどのくらいうまくいっているのか、判断するにはまだ早いとしつつも、「とてもうまくいっているように見える」という。

他の占星術師たちも、新たなプロダクトを立ち上げている。有名占星術師のチャニ・ニコラス(Chani Nicholas)さんは最近、独自のアプリを立ち上げたと発表した。占星術を3月からフルタイムの仕事にしたタボーンさんも、独自の有料会員コミュニティーを立ち上げている。

高まる星占い人気

ビジネスとしての占星術は、2020年に突然登場したわけではない。もともと伸びていたものが、パンデミックの影響で加速した。

Insiderでも以前報じたように、星占いアプリの収益は2019年、4000万ドル近く増えた。SensorTowerのデータによると、これは割合にして64%だ。また、IBISWorldによると「神秘サービス」は2016年から2019年で1.4%伸びていて、業界全体としては22億ドル規模だ。

3月15日から21日にかけて、アメリカではGoogleトレンドで「コロナウイルス星占い」という言葉が急上昇した。「星占い」という言葉自体も年間を通じて頻繁に検索されていて、その人気はこの1カ月でさらに高まっている。

20年にわたって占星術を行い、ここ7年はフルタイムの占星術師として活躍しているニコラスさんは、自身のビジネスについて「安定的に成長している」という。

チャニ・ニコラス

占星術師のチャニ・ニコラスさん。

Luke Fontana

大ブームは2016年の「集団的危機」のあとにやってきた。これは2019年の雑誌『ニューヨーカー』の記事『Astrology in the Age of Uncertainty(不確実な時代の占星術)』のあとでも同じだったが、2019年の不確実性は今ではやや変に感じるかもしれない。

ニコラスさんは、1年を通じて占星術のワークショップや一般的な占星術の情報に対する人々の関心が高まっていると話している。

「わたしたちの置かれた現状を考えれば、このような状況になっている理由を他の人がどう言っているのかということに対して、人々が多少耳を傾けるようになったり、興味を持つのは自然なことだと思います」

人々は何を知りたいのか

パンデミックをきっかけに星占いを求める人が増えているとはいえ、その関心事は必ずしもウイルス関係ではない。

「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について『わたしは感染しますか?もう感染していますか?』と聞いてくる人がいるのではないかとわたしは予想していました。これはとても答えづらいことですし、答えませんでした」とレイノルズさんは話した。

「でも、このような質問は1つしか受けませんでした」

サミュエル・レイノルズ

占星術師のサミュエル・レイノルズさん。

Samuel Reynolds

クライアントはむしろ、もっと「内省的」だったとレイノルズさんはいう。"ステイホーム"でクライアントたちは自分の家族や大切な人、仕事との関係をじっくり考え始めた。サービスの利用者でパニックになっている人はほとんどいなかったという。

「人々は腰を落ち着けた内省に向き合い、さらなる変化に備えているのだと思います」

サイクスさんは、自身のクライアントから寄せられた質問で最も多かったのはキャリアについてだと話している。これも内省の1つだ。

「具体的かつ詳細なキャリアを指摘する —— これはできないと言っているわけではなく、より難しいのです —— 代わりに、わたしたちはクライアントに対し、満足感を得るためにキャリアで必要なことを伝えています」とサイクスさんは語った。

[原文:2020 was an awful year, and people turned to astrology - entrepreneurs say the $2.2 billion industry business is booming

(翻訳、編集:山口佳美)

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