金剛山観光地区を訪れた北朝鮮当局者。
Korean Central News Agency via Rueters
- パンデミックにもかかわらず、北朝鮮当局は金剛山観光地区の再オープンを計画していると、同国の国営メディアが報じた。
- 朝鮮中央通信によると、以前は韓国と協力して運営されていたが、北朝鮮の「国民性」を念頭に置いて再建される予定だという。
世界中にコロナウイルス感染症が広がる中、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の国営メディアによると北朝鮮当局による金剛山観光地区の再開発が計画されている。
朝鮮中央通信は12月13日、以前は韓国との合弁事業として運営されていた観光地を、マスクをした政府高官が訪問している様子を伝えた。
AP通信によると、金徳勳首相が朝鮮中央通信に対して、再開発の計画を立て、実行する必要があると述べたという。
朝鮮中央通信の英語版サイトには、「首相は、金剛山地区を段階的な計画の下で、近代的で国際的な観光および文化地域に変える開発プロジェクトを推進するように求めた」と書かれており、このプロジェクトは利便性と建築の美しさを保ちつつ、人々が自然の美しさを満喫できるようにするものだとしている。
2019年に金剛山を訪れた北朝鮮の指導者、金正恩。
KCNA via Reuters
コロナウイルスに関して、ほとんどの国から感染者数などのデータが出てきているが、その閉鎖性で名高い北朝鮮は沈黙したままだ。NPRによると、11月下旬にコロナウイルスに関するルールを破ったとみられる少なくとも1人の人間が処刑されたと韓国の議員が諜報機関によるブリーフィングで聞いたという。APによると、北朝鮮は首都の平壌を封鎖し、漁業さえも禁止した。
北朝鮮のコロナウイルス感染レベルは、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)のウェブサイトでは「非常に高い」と記載されている。
アルジャジーラによると、非武装地帯のすぐ北側にある金剛山は、韓国との合弁事業として運営され、毎年数十万人の観光客が訪れていたという。APによると、2008年にリゾートが閉鎖されるまでに約200万人の韓国人が訪れた。北朝鮮の金正恩委員長は、その一部を破壊するように命じたと報じられていたが、それは実行されなかった。
12月13日、当局者は地域が独自の「国民性と近代性」で再建される必要があると、韓国との過去の協力関係に決別したように思える発言をしている。地域を視察した際、当局者は「世界レベル」のホテル、ゴルフコース、スキー場を建設したいと述べたという。
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)