広大な邸宅には、13室のベッドルームと17室のフルバスルームがある。
Mark Singer
- ハンガリー生まれのビリオネア、スティーブン・ウドヴァーヘイジーが2年以上にわたって売却を試みていたビバリーヒルズの不動産「ヴィラ・フィレンツェ」が競売にかけられることになったと、マンション・グローバル誌が報じた。
- オークションは2021年1月26日にコンシェルジュ・オークションズで実施される。入札期間は約1週間で、最低価格は設定されていない。
- 航空機リースで41億ドルの財産を築いたウドヴァーヘイジーが、広さ4ヘクタール、イタリアンスタイルの不動産を最初に売りに出したのは2018年であり、その時の価格は1億6500万ドルだった。
- この不動産には、1858平方メートルの豪華な邸宅、3棟のゲストハウス、リゾートスタイルのプール、テニスコート、噴水のある格式高い庭園などが含まれる。
ハンガリー生まれのビリオネアが所有するビバリーヒルズにある豪華な不動産「ヴィラ・フィレンツェ」は2年以上にわたって売りに出されていたが、ついに競売にかけられることになったと、マンション・グローバル誌が報じた。
ヴィラ・フィレンツェは敷地面積約4ヘクタール。2018年に初めて売りに出され、その時の価格は1億6500万ドル(約170億円)だった。所有者のスティーブン・ウドヴァーヘイジー(Steven Udvar-Hazy)は航空機リース業で41億ドル(約4250億円)の資産を築き、現在、エア・リース・コーポレーションの会長を務めている。彼がマンション・グローバル誌に語ったところによると、この不動産はヒルトン・アンド・ハイランドを通して現在1億6000万ドル(約166億円)で売りに出されているが、売却を迅速に進めるために競売にかけることになったという。
オークションは、オンライン・オークションの「コンシェルジュ・オークションズ」により開催され、2021年1月26日から8日間にわたって入札が行われる。最低価格は設定されていないため、ウドヴァーヘイジーは最高入札額を受け入れる必要がある。
「魅力的で皆が欲しがるようなアイテムは、オークションで取り引きされている。ヴィラ・フィレンツェも、それ自体が芸術作品のようなものだ」とウドヴァーヘイジーはマンション・グローバル誌に語った。彼の会社の広報担当者は、この競売に関してこれ以上のコメントを拒否し、詳細はヒルトン・アンド・ハイランドに直接尋ねるように述べたが、同社もコメントの要求に応じなかった。
ヴィラ・フィレンツェは3つのエリアで「イタリアの村」を形作っている。その中を見てみよう。
ヴィラ・フィレンツェは、ノース・ビバリー・パークの富裕層向けゲーテッド・コミュニティの中にある。このコミュニティは2013年のフォーブスの記事で「大邸宅で埋め尽くされたビリオネアのコミュニティ」と表現されている
グーグルマップの衛星画像から見たノース・ビバリー・パーク。
Google Maps
フォーブスによると、このコミュニティには警備員が常駐する2つのゲートからしか入ることができず、すべての邸宅はそれぞれ塀に囲まれた広大な敷地内に建っているという。
デンゼル・ワシントン(Denzel Washington)、シルベスター・スタローン(Sylvester Stallone)、エディ・マーフィー(Eddie Murphy)などのスターが長年このコミュニティで暮らしていると言われている。
マンション・グローバル誌によると、スティーブン・ウドヴァーヘイジーは、約30年前にこの敷地を購入し、1990年代後半に邸宅を建設した
スティーブン・ウドヴァーヘイジー。2011年撮影。
REUTERS/Jean-Philippe Arles
フォーブスによると、ウドヴァーヘイジーはハンガリーに生まれ、航空機リース業で41億ドルの資産を築いた。現在はエア・リース・コーポレーションの会長を務めている。
コンシェルジュ・オークションによると、彼は3つのエリアを組み合わせてヴィラ・フィレンツェを構成したという。「これは5年以上の歳月をかけて作られ、再現することが不可能なほどの傑作だ」と彼はマンション・グローバル誌に語った。
ウドヴァーヘイジーがヴィラ・フィレンツェを最初に売りに出したのは2018年であり、その時の価格は1億6500万ドル(約170億円)だった
Mark Singer
ウドヴァーヘイジーは2年以上にわたってヴィラ・フィレンツェを売却しようとしてきたが、今回コンシェルジュ・オークションズを通して競売にかけることになった。オンラインで取引を行うコンシェルジュ・オークションズは、これまでにプーケットのヴィラ、ハンプトンズの由緒あるホテル、マリブのウォーターフロント複合施設といった不動産のオークションを手掛けてきた。
今回の競売では最低価格が設定されていないため、ウドヴァーヘイジーは最高入札価格を受け入れる必要がある。入札は2021年1月26日に開始し、8日後に締め切られる。
ヴィラ・フィレンツェの新たな所有者は、自分だけのプライベートな聖域を持つことになる。物件情報によると、ゲートからヴィラ・フィレンツェまでは専用道路が通っている。門から敷地内に入ると中庭が広がり、そこは約30台の車が駐車できる広さだ。
ヒルトン・アンド・ハイランドの共同創業者であるリック・ヒルトン(Rick Hilton)がマンション・グローバル誌に語ったところによると、この物件の所有者は「完璧なプライバシー」を確保できるという。
広大な邸宅には、13室のベッドルームと17のフルバスルーム、8つのハーフバスルーム(バスタブなし)がある
Mark Singer
応接室はフォーマルな部屋とカジュアルな部屋が複数あり、その他、5室のオフィス、作業室、ビデオゲームルーム、ジムなどがある。
室内は、ヴォールト天井、大理石などが用いられた床、アーチ型の出入り口、複数の暖炉などの装飾が施されている
Mark Singer
Source:Hilton & Hyland
ヴィラ・フィレンツェの広大な敷地には、プールやプールハウス、テニスコート、2階建てのゲストハウスなどリゾート感あふれる設備が整っている
Mark Singer
この邸宅は建築家ウィリアム・ハブリンスキー(William Hablinsky)によって設計され、1998年に完成した。
敷地を取り囲むように整備された遊歩道や、3つの噴水がある格式高い庭園では、散策を楽しむことができる。敷地内には高さ12メートルのカナリーヤシが点在している。
ヴィラ・フィレンツェの1億6000万ドルという販売価格は、桁違いに高いと思えるかもしれない。しかし、過去1年の間にいくつかのロサンゼルスの物件がこの価格帯で販売されており、この物件も落札されればその中の1つになる。
2019年12月には高級住宅地ベルエアを象徴する邸宅「チャートウェル・エステート」が、メディア王ルパート・マードック(Rupert Murdoch)の息子であるラックラン・マードック(Lachlan Murdoch)に1億5000万ドル(約156億円)で売却された。そして2020年2月には、エンターテイメント業界の実力者、デビッド・ゲフィン(David Geffen)が以前所有していたビバリーヒルズの豪邸が、アマゾンのジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)CEOに1億6500万ドル(約170億円)で売却され、カリフォルニア州における住宅売却額の最高記録を更新した。
また、2020年9月には動画配信サービスQuibiの創業者、ジェフリー・カッツェンバーグ(Jeffrey Katzenberg)が、ビバリーヒルズの邸宅を1億2500万ドル(約130億円)で売却している。
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)