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天皇陛下「私たちの日常は大きく変わりました」 両陛下が異例の新年ビデオメッセージ、コロナ禍の差別・偏見をご憂慮(全文)


新年の感想を述べられる天皇皇后両陛下

新年の感想を述べられる天皇皇后両陛下

Imperial Household Agency of Japan/Handout via REUTERS

天皇・皇后両陛下が新年の感想を述べられたビデオメッセージが1月1日早朝、宮内庁の公式サイトで公開された。例年1月2日に実施されてきた一般参賀が新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため中止されたことに伴うもの。

天皇陛下は新型コロナ禍で「私たちの日常は大きく変わりました」と述べられ、社会的に困難な状況に置かれている人々の身を案じるお気持ちを表明。また、患者や医療従事者、その家族に対する「差別や偏見」に憂慮されるお言葉を述べられた。メッセージには皇后さまも同席された。動画メッセージは6分45秒だった。

メッセージの内容は

天皇陛下はメッセージの冒頭、2020年の豪雨による犠牲者や新型コロナ禍で命を落とした患者の遺族について「大切な方を失われた御家族の皆さんのお悲しみもいかばかりか」と述べられた。

そのうえで、医療従事者への「深い敬意と感謝の意」を示されつつ、医療現場がひっ迫していることに「昨今の状況が案じられます」とお気持ちを表明された。

また、新型コロナ禍で「感染症により、私たちの日常は大きく変わりました」と言及。「仕事や住まいを失うなど困窮し、あるいは、孤独に陥るなど、様々な理由により困難な状況に置かれている人々」がいるとし、当事者の「身の上を案じています」と述べられた。

加えて「感染症の感染拡大防止と社会経済活動の両立の難しさを感じます」とされ、新型コロナウイルスに感染した患者、医療従事者、その御家族に対する「差別や偏見といった問題などが起きていることを案じています」と、憂慮されるお言葉を述べられた。

皇后さまも「この1年、多くの方が本当に大変な思いをされてきたことと思います。今年が、皆様にとって少しでも穏やかな年となるよう心からお祈りいたします」と、メッセージを寄せられた。

全文は以下の通り。


天皇陛下:皆さん新年おめでとうございます。

皇后陛下:おめでとうございます。

天皇陛下:今年の正月は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、残念ながら一般参賀の場で皆さんに直接お話をすることができなくなりました。そこで、今回は、ビデオで新年の御挨拶をしようと思います。

振り返りますと、昨年7月に、豪雨により多くの尊い命が失われたことは痛ましいことでした。御家族を亡くされた方々や、住む家を無くし、仮設住宅などで御苦労の多い生活をされている方々の身を案じています。

この1年、私たちは、新型コロナウイルスという、今の時代を生きる私たちのほとんどが経験したことのない規模での未知のウイルスの感染拡大による様々な困難と試練に直面してきました。

世界各国で、そして日本でも多くの方が亡くなり、大切な方を失われた御家族の皆さんのお悲しみもいかばかりかと思います。

そのような中で、医師・看護師を始めとした医療に携わる皆さんが、大勢の患者さんの命を救うために、日夜献身的に医療活動に力を尽くしてこられていることに深い敬意と感謝の意を表します。

同時に、感染の拡大に伴い、医療の現場がひっ迫し、医療従事者の皆さんの負担が一層厳しさを増している昨今の状況が案じられます。

また、感染拡大の防止のために尽力されている感染症対策の専門家や保健業務に携わる皆さん、様々な面で協力をされている多くの施設や、国民の皆さんの努力や御苦労も大変大きいものと思います。

この感染症により、私たちの日常は大きく変わりました。

特に、感染拡大の影響を受けて、仕事や住まいを失うなど困窮し、あるいは、孤独に陥るなど、様々な理由により困難な状況に置かれている人々の身の上を案じています。

感染症の感染拡大防止と社会経済活動の両立の難しさを感じます。

また、感染された方や医療に従事される方、更にはその御家族に対する差別や偏見といった問題などが起きていることも案じられます。

その一方で、困難に直面している人々に寄り添い、支えようと活動されている方々の御努力、献身に勇気付けられる思いがいたします。

私たち人類は、これまで幾いく度ども恐ろしい疫病や大きな自然災害に見舞われてきました。

しかし、その度に、団結力と忍耐をもって、それらの試練を乗り越えてきたものと思います。

今、この難局にあって、人々が将来への確固たる希望を胸に、安心して暮らせる日が必ずや遠くない将来に来ることを信じ、皆が互いに思いやりを持って助け合い、支え合いながら、進んで行くことを心から願っています。

即位以来、私たちは、皆さんと広く接することを願ってきました。新型コロナウイルス感染症が収まり、再び皆さんと直接お会いできる日を心待ちにしています。

そして、今年が、皆さんにとって、希望を持って歩んでいくことのできる年になることを心から願います。

ここに、我が国と世界の人々の安寧と幸せ、そして平和を祈ります。

皇后陛下:この1年、多くの方が本当に大変な思いをされてきたことと思います。今年が、皆様にとって少しでも穏やかな年となるよう心からお祈りいたします。また、この冬は、早くから各地で厳しい寒さや大雪に見舞われています。どうぞ皆様くれぐれもお体を大切にお過ごしいただきますように。


「異例」の新年ビデオメッセージ

例年の一般参賀では、天皇皇后両陛下をはじめ皇族方が皇居・宮殿のベランダにお出ましになり、天皇陛下が新年の感想を述べられてきた。

2019年の即位以来、天皇陛下がビデオメッセージを出されるのは初めて。両陛下が揃って国民に向けて新年の感想をビデオメッセージで述べられるのは異例のことだ。

平成の時代には、当時の天皇(現:上皇さま)が東日本大震災の直後の国民向けメッセージ(2011年3月16日)と、譲位の意向をにじませた「お気持ち」(2016年8月8日)の2度にわたるビデオメッセージが出されている。いずれも当時皇后だった美智子さまは同席されていない。

宮内庁の公式サイトでは天皇皇后両陛下と愛子さま、上皇ご夫妻、皇位継承順位第1位の「皇嗣」となられた秋篠宮さまご一家の近況を伝える写真と動画が掲載されている。

天皇皇后両陛下と愛子さま

天皇皇后両陛下と愛子さま。

出典:宮内庁公式サイト

上皇ご夫妻

上皇ご夫妻。

出典:宮内庁公式サイト

秋篠宮ご一家

秋篠宮ご一家。

出典:宮内庁公式サイト

(文・吉川慧

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