『ブリジット・ジョーンズの日記』より。
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今から約20年前、ラブコメ界にブリジット・ジョーンズが現れ、映画『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001年)はブリジットの奮闘、魅力、不器用さでファンの心をつかんだ。
あなたが知らないかもしれない、この映画に関するおもしろい事実を紹介しよう。
映画はヘレン・フィールディングの本をもとにしている。
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本のもともとのアイデアは、ヘレン・フィールディングがインデペンデント紙でコラム記事を書いていた経験から来ている。このコラム記事は、ロンドンに生きる独身女性としての自身の冒険について書いたものだ。
「このコラム記事が本になると聞いて、権利を買おうとわたしたちは積極的に動きました」とプロデューサーで映画製作会社ワーキング・タイトル・フィルムズ(Working Title Films)の共同代表エリック・フェルナー(Eric Fellner)氏は2016年、ロサンゼルス・タイムズに語った。
「本当に欲しかったんです。キャラクターとストーリーを信じていました」
象徴的な消防署のポールのシーンは、危うく撮影が間に合わないところだった。
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レネー・ゼルウィガーは2009年、消防署のシーンを撮影していた日、ポールからカメラに向かって滑り降りてくるのを撮影する前に時間切れになっていたと、InStyleに語った。
その後、追加の撮影日にゼルウィガーはどうしてあのショットを撮影しなかったのかと考え続けていたと話した。
「部屋の向こう側を見たら、この簡素で古い、実用的なポールがたまたま目に入ってきたの」
「するとカメラマン2人が走って行って、床にカメラをセットして、わたしがポールをのぼって滑り降りて、カメラに着地したのよ」
初めと終わりの雪のシーンは『素晴らしき哉、人生!』にインスパイアされたもの。
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映画の初めと終わりの雪のシーンは、クリスマス映画の定番にインスパイアされたものだ。
「雪のシーンは『素晴らしき哉、人生!』から盗んだんです。どちらの映画も人生の浮き沈みを描いていて、雪はおとぎ話のような雰囲気と映画の感じを与えてくれます」とシャロン・マグワイア監督は2001年、The Telegraphに語った。
マーク・ダーシーのクリスマスのセーターにぴったりのデザインを思いつくまでに、しばらく時間がかかった。
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映画の製作中、マグワイア監督は約20~30人の編み手に、マーク・ダーシーがブリジット・ジョーンズと出会った時に着ていたクリスマスのアグリーなセーターのデザインのアイデアを求めていた。
「初めは、そのデザインもはまりませんでした。かわいらしかったけれど、おもしろくなくて」とマグワイア監督は2020年1月、Entertainment Weeklyに語った。
「最終的に、トナカイではなくヘラジカに決めたんです」
ただ、マーク・ダーシーを演じたコリン・ファースはこのセーターが好きではなかった。セットで着るには、ものすごく暑かったからだ。
「撮影の合間に脱いで、細かくちぎるところだったよ。15ポンド(約6.8キロ)くらい痩せたんじゃないかな」とファースは語っている。
「最後にはちょっと好きになっていたけどね」
そして、こう付け加えた。
「あれがヘラジカだったなんて全く気づかなかったよ」
ヒュー・グラントとコリン・ファースが契約するまで、映画はインディーズ映画として始まっていた。
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チームが映画を作り始めた時には、大ヒット映画になるとは思っていなかった。
「インディーズ映画になるはずでした。でも、ヒュー・グラントがダニエル・クリーヴァーを演じることに合意し、コリン・ファースがダーシーを演じることに合意したことで、商業的な展望が開けたんです」とマグワイア監督は2016年、ロサンゼルス・タイムズに語った。
フィールディングにとって、こうした俳優たちの出演が決まったことは夢のようだった。実際、フィールディングはファースとグラントをこの2人の登場人物のベースにしていた。
ファースがマーク・ダーシーを演じるのは『ブリジット・ジョーンズの日記』が初めてではない。
『高慢と偏見』より。
BBC
『ブリジット・ジョーンズの日記』の6年前、ファースはBBCの『高慢と偏見』(1995年)でマーク・ダーシーを演じていた。
「コリンはBBCの『高慢と偏見』に出ていて、フィールディングは彼に夢中だったの。イギリスの大半の女性たちと同じようにね」とマグワイア監督は2016年、ロサンゼルス・タイムズに語った。
登場人物の1人は、この映画の監督をベースにしている。
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フィールディングとマグワイア監督は実生活で友人なので、ブリジットの友人シャザーが監督にインスパイアされていても不思議ではない。
「本の中に登場できてうれしいわ。シャザーはわたしより、とっても機転が利くしね」とマグワイア監督は2001年、The Telegraphに語った。
「ただ、パーティーに行くと、実際のわたしよりおもしろいはずだと思われていそうで心配」
映画は当初、"大ヒット"ではなかった。
Miramax Films
映画は即ヒットしたわけではないと、フェルナー氏は2016年、ロサンゼルス・タイムズに語った。
「イギリスでスクリーニングをやったらあまりうまくいかなくて、編集室ではかなり厳しかったんです」とフェルナー氏は言う。
「次はニューヨークでの試写で、わたしは後ろに隠れてました。大惨事になるぞ、と」
「でも、終わってみたら、みんなうっとりしていて。ものすごく恐れていたものが大ヒットになったんです」
ゼルウィガーは役作りのため、ロンドンの出版社で3週間働いた。
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ブリジットを演じる前、ゼルウィガーは原作の出版社であるPicadorで2週間働いた。
ゼルウィガーが実は映画スターだと知っていたのは「上司」であるカミラ・エルワーシー(Camilla Elworthy)さんだけで、実際とてもいい働きぶりだったという。
2001年、ガーディアンのコラムでエルワーシーさんは、ゼルウィガーがある会議でとても助けになったため、副出版者のマリア・リジェット(Maria Rejt)さんはゼルウィガーを雇うべきだと考えたと書いている。
イギリスのワイン専門家の中には、シャルドネの売り上げが減ったのは映画のせいだとの声も。
Bridget Jones' Diary/Miramax
イギリスのワインライター、オズ・クラーク(Oz Clarke)氏は2011年、2000年代初めのイギリスにおけるシャルドネの売り上げの減少は『ブリジット・ジョーンズの日記』のせいだとインデペンデント紙に語った。
映画を通じてブリジットは大量のワインを飲んだが、感情的に取り乱してはしばしば酒におぼれていた。
「ブリジット・ジョーンズが現れるまで、シャルドネは魅力的なものでした。ところが今では『わお、うちのバーには置かない』と言われるようになったんです」とクラーク氏は話している。
「あなたがマーケティングの責任者だったら 『オーケー、わたしは人を本当に惨めな気持ちにさせるものを売ります。それをシャルドネと呼びましょう!』とでも言いますか?」
『ブリジット・ジョーンズ』シリーズの3作目は、1作目の15年後に公開された。
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『ブリジット・ジョーンズ』シリーズは15年に及ぶ。『ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月』は2004年に、『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』は2016年に公開された。
ファースとグラントのけんかのシーンはもともと、セクシーなものになるはずだった。
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ファースとグラントの大げんかのシーンは、全く違った雰囲気になるところだった。
「ぼくたちはもみくちゃになって、シャツははぎとられるところだったんだ」とファースは2016年、ロサンゼルス・タイムズに語った。
「ぼくは自分を見て、『ああいうタイプにはなれない』って言ったんだよ」
「ぼくたちは2人とも、最後にけんかをしたのは10歳の頃だったと気付いた。公園でのけんかだよ。それでぼくたちはロジックと一般常識をもとに、よりおもしろい感じにしようと決めたんだ」
ゼルウィガーは、大好きなブリジット役を再び演じることにオープンだという。
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ゼルウィガーは、自身が再び『ブリジット・ジョーンズ』シリーズに帰ってくる可能性を否定していない。
「彼女を演じるのは好きよ。わたしは彼女が大好き。本当におもしろいと思うの。最高ね。お誘いがあればだけど…… おもしろそうね」とゼルウィガーは2020年1月、Vanity Fairに語った。
[原文:13 things you probably didn't know about 'Bridget Jones's Diary']
(翻訳、編集:山口佳美)