普段本を読まない入山先生を夢中にさせた1冊とは? ビジネスリーダーはこれで「俯瞰力」を養おう【音声付】

経営理論でイシューを語ろう

撮影:今村拓馬、イラスト:iaodesign/Shutterstock

今週も、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にしてイシューを語ります。参考にするのは先生の著書『世界標準の経営理論』。ただし、本連載はこの本がなくても、平易に読み通せます。

年が改まり、年末年始の休暇を読書の時間に充てたという方も多いのでは? 「良いアウトプットのためには良いインプットを」ということで、入山先生におすすめの本を紹介してもらおうと思ったところ……。

【音声版の試聴はこちら】(再生時間:14分02秒)※クリックすると音声が流れます


本をほとんど読まない僕が、夢中で読んだ1冊とは

こんにちは、入山章栄です。2021年も本連載をよろしくお願いします。

この年末年始はコロナの影響で、帰省や旅行を控え、自宅で過ごされた方も多かったと思います。こんなときこそ、日頃は忙しくてなかなか読めない本を読むチャンスですよね。Business Insider Japan編集部の常盤亜由子さんからは、こんな質問が来ました。


常盤

BIJ編集部・常盤

入山先生はお仕事柄、 たくさんのビジネス書に目を通されていますよね。 この年末年始に読まれた本や おすすめの本があればぜひ教えてください。


いや……実はそれが、いきなり話の腰を折って申し訳ありませんが、僕はあまり本を読まないのです(笑)。

まず、ビジネス書など、いわゆる堅い、真面目な本はほとんど読みません。一方で、推理小説のようないわゆる「柔らかい」本は好きですし、大学生のころはヘミングウェイや三島由紀夫、司馬遼太郎や沢木耕太郎など、誰もが一度は通るような作家は読んできました。

でもそれも今は、多忙なこともあり、ほとんど読まなくなっています。小説は年にせいぜい2〜3冊でしょうか。唯一の例外はマンガ。マンガは大好きなので毎日のように読んでいます。とても大学教授の発言とは思えないですよね(笑)。

言い訳をすると、僕は学者なので、本以前に大量の学術論文を読まなければいけません。学者の仕事とは、他の研究者が書いた古典から先端まで大量の論文を読み、その研究分野で「まだ分かっていないこと」を見つけて、それを解き明かし論文にまとめて発表することだと言ってもいい。

だから仕事柄、学術論文を大量に読む必要があり、逆に一般向けの本にまで手が回らないのです。その意味では、さまざまなジャンルの本を読みながら論文も大量に読めるような学者の方は、すごいなあと思っています。

ただし、例えばメディアで対談のお仕事をいただいて、相手の方が本を出版されている場合は、必ず事前に読むようにしています。その相手の方のことも事前に理解できますしね。

実は今回ご紹介したい本も、対談のお話をいただいたことをきっかけに読んだ1冊でした。でもそれがあまりにも面白く、読み始めたら仕事であることを忘れて夢中になってしまったのです。

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