トム・ハンクス
Christopher Polk/Getty Images
- トム・ハンクス(Tom Hanks)は、過去半世紀の最も記憶に残るいくつかの映画で心温まるキャラクターを演じてきたことから、「アメリカのお父さん」として親しまれている。
- 以下では、19作品での彼の歴代最高の演技に焦点を当ててランキングを作成し、役名も併記した。
- 『ビッグ』『プライベート・ライアン』『トイ・ストーリー』シリーズなどの映画で彼が演じた人気キャラクターが、このランキングのどこに登場するのか見てみよう。
19.『独身SaYoNaRa! バチェラー・パーティ』(1984年):リック・ガスコ
Bachelor Party.
Fox
ハンクス初期の作品の1つ。結婚を目前にして、友人がワイルドなバチェラー・パーティーを開いてくれたものの、トラブルに巻き込まれないようにしようとする聡明な青年を演じた。
18.『グレイハウンド』(2020年):クラウス中佐
Greyhound.
Sony
第二次世界大戦を舞台にした最新作で、ハンクスは経験の浅い海軍司令官を演じた。ドイツの潜水艦で埋め尽くされた危険な海域を、護送船団を率いて通過しようとした途端、戦闘が勃発する。ハンクスは脚本も担当している。
17.『マネーピット』(1986年):ウォルター・フィールディング・Jr
Money Pit.
Universal
ハンクスが数多くのロマンティックコメディに出演していた時代の代表作の1つ。妻役のシェリー・ロング(Shelley Long)とともに、購入した欠陥住宅を修理しようと奮闘する夫を演じた。ハンクスの体を張ったコミカルな演技が最高だ。
16. 『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015年):ジェームズ・B・ドノヴァン
Bridge of Spies.
devan joseph
ほとんどの俳優にとって、スティーブン・スピルバーグ(Steven Spielberg)の映画で演じるこのような役は、キャリアの代表的なものとなるだろう。この作品でのハンクスの演技も力強いものだが、ランキング上位の作品ではもっとすばらしい演技も披露している。それが彼の偉大さを証明している。
15.『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』(2017年):ベン・ブラッドリー
The Post.
20th Century Fox
『ブリッジ・オブ・スパイ』から2年後、ハンクスとスピルバーグがペンタゴン・ペーパーズの発行を題材とした作品で再びタッグを組んだ。ハンクスは新聞界の伝説的人物ベン・ブラッドリーを、彼ならではのひねくれた陽気さで演じ、この作品を際立ったものにしている。しかし、スピルバーグとハンクスがタッグを組んだ他の作品と比べると、まだ記憶に残る作品とまでは言えない。
14. 『レディキラーズ』(2004年):G・H・ドア教授
これはハンクスがこれまでに演じた中で最も奇抜な役の1つであり、悪役に最も近い役でもある。この過小評価されているコーエン兄弟製作の映画の中で、ハンクスはトラブルに見舞われる天才的な強盗犯を演じている。「南部の紳士」に扮するハンクスは、見ていて楽しい。
13.『プリティ・リーグ』(1992年):ジミー・ドゥーガン
A League of Their Own.
Columbia Pictures
ハンクスが演じるのは、元野球選手で、女子プロ野球チームの監督として雇われた辛辣な男。当時はまだラブコメディで有名だったハンクスは、憎まれ口を叩きながらも選手を奮い立たせる演技で、一味違ったコメディを見せた。
12.『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002年):カール・ハンラティ
Catch me if you can.
DreamWorks Pictures
ランキングではこの辺りからハンクスとスピルバーグがコラボした最盛期の作品が登場する。ハンクスはレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)扮する若い詐欺師を追い詰める生真面目なFBI捜査官を演じ、表面上はタフだが、内面は思いやりのある男を完璧に表現した。
11.『幸せへのまわり道』(2019年):フレッド・ロジャース
A Beautiful Day in the Neighborhood.
Associated Press
他に誰がフレッド・ロジャース(Fred Rogers)を演じられるだろう。この作品でハンクスは、6回目となるアカデミー賞のノミネートを受けた。
10.『キャスト・アウェイ』(2000年):チャック・ノーランド
Cast Away.
20th Century Fox/DreamWorks Pictures
飛行機事故で無人島に流れ着いた男を鮮烈に演じたハンクスは、この作品のために体重を大幅に落とした。ほとんどのシーンで登場するのはハンクスだけであり、彼の演技力はここで最高潮に達した。そして今も観客を魅了し続けている。この作品でアカデミー賞にノミネートされた。
9. 『アポロ13』(1995年):ジム・ラヴェル
左から、ケビン・ベーコン(Kevin Bacon)、トム・ハンクス、ビル・パクストン(Bill Paxton)。
Universal/Getty Images
ハンクスは、酸素タンクの爆発によってミッションが月面着陸から乗組員の救助に変わったアポロ13号の船長を演じた。ハンクスはドラマチックな演技を披露し、その中で「ヒューストン、問題発生だ(Houston, we have a problem.)」という有名なセリフを発した。
8.『めぐり逢えたら』(1993年):サム・ボールドウィン
Sleepless in Seattle.
TriStar
ハンクスとメグ・ライアン(Meg Ryan)が出演したこの作品は、最もロマンティックな映画の1つとされている。ドラマとラブコメディの要素を併せ持つハンクスの感動的な演技が際立っていた。
7.『キャプテン・フィリップス』(2013年):リチャード・フィリップス船長
Captain Phillips.
Sony Pictures Releasing
ソマリア海域で海賊が貨物船をハイジャックした実話に基づく作品。船長を演じたハンクスは、ゴールデングローブ賞にはノミネートされたが、驚くべきことにアカデミー賞にはノミネートされなかった。
6. 『ビッグ』(1988年):ジョシュ
Big.
Fox
ハンクスが初めてドラマの世界に足を踏み入れたこの感動的なコメディでは、大きくなりたいと願った少年が、大人として生きることの厳しさに気づいていく姿を描いている。
5. 『スプラッシュ』(1984年):アラン・バウアー
Splash.
Touchstone
ハンクスの初期の主演作品の中でも特に忘れがたい作品。このロン・ハワード(Ron Howard)監督の傑作コメディで、ハンクスは、ダリル・ハンナ(Daryl Hannah)扮する人魚と恋に落ちる青年を演じた。これで観客はすっかりハンクスの虜になってしまった。
4.『フィラデルフィア』(1993年):アンドリュー・ベケット
Philadelphia.
TriStar Pictures
ハンクス扮するアンドリューは、エイズに感染したことで勤務していた法律事務所から不当解雇されたため、訴訟を起こすことを決意するが、同性愛者を嫌悪する三流弁護士(デンゼル・ワシントン:Denzel Washington)しか雇えなかった。ハンクスはこの作品で、初めてのアカデミー賞主演男優賞を獲得した。
3. 『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994年):フォレスト・ガンプ
FORREST GUMP.
Paramount Pictures
ハンクスは『フィラデルフィア』でアカデミー賞を受賞した翌年、この作品で2つ目の主演男優賞を獲得した。知能は高くないが、アメリカの1950年代から1980年代にかけての歴史的な瞬間に関わっていくガンプは、ハンクスが演じた中で最も広く知られるキャラクターとなった。
2.『トイ・ストーリー』シリーズ(1995年〜):ウッディ
Toy Story.
Disney/ Pixar
ハンクスと永遠に結ばれたもう1つのキャラクターは、ピクサーのヒットシリーズ『トイ・ストーリー』のウッディだ。ハンクスの声は、顔よりも有名になったと言えるかもしれない。
1.『プライベート・ライアン』(1998年):ミラー大尉
Saving Private Ryan.
Paramount Pictures
兄弟をすべて戦争で失ったパラシュート兵が敵陣で失踪、彼を救出する部隊を率いる大尉をハンクスが演じた。これまで力強いキャラクターを演じてキャリアを積んできたハンクスだが、アカデミー賞にノミネートされたこの作品での演技は圧巻だった。スピルバーグのすばらしい演出と相まって、ハンクスは何世代にもわたって記憶に残る作品を作り上げた。
[原文:The 19 best Tom Hanks movie performances of all time, ranked]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)