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首都ワシントンで暴動勃発も、ダウ平均は史上最高値…投資家が見ていたのは、そこではなかった

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Michael Nigro:Pacific Press/LightRocket/Getty

  • ニューヨーク株式市場のダウ平均株価は1月6日、史上最高値で引けた。
  • ウォール街の強気ムードは、首都ワシントンでの暴動よりも、ジョージア州の上院決選投票で民主党が勝利し、議会を掌握したことに関係している。
  • 株価は企業の成長見通しに左右される。上院で民主党が過半数を占めたことで、バイデン次期大統領が、専門家が数カ月にわたって求めてきた財政刺激策を実行する可能性が高まった。
  • バンク・オブ・アメリカのアメリカ経済の専門家、ミシェル・マイヤーは、1兆ドルの支援策は、2021年のGDP成長率を「容易に」1ポイント増の6%に押し上げるだろうと述べた。そうなれば、目先の成長に対する投資家の期待は確実に高まるだろう。

トランプ支持者の一団が、アメリカ議会議事堂を不法に占拠していたときに、ダウ平均株価は史上最高値で取引を終えた。

株価の上昇は、議事堂での暴動とはほとんど関係がなかった。混乱とトランプ大統領の暴言を恐れるのではなく、投資家はジョージア州の選挙結果に照準を合わせていたのだ。

ジョージア州上院選の決戦投票で民主党のラファエル・ウォーノック(Raphael Warnock)とジョン・オソフ(Jon Ossoff)が勝利したことで、議席数は民主党50、共和党50となり、法案の可否はカマラ・ハリス(Kamala Harris)次期副大統領が決定することになる。これによって、次期大統領ジョー・バイデンは、コロナウイルス不況からアメリカを救い出すための財政支出など、より進歩的な政策を議会を通過させることができる。

株価は常に、企業の利益拡大を見越して動いている。ウォール街大学連邦準備制度理事会(FRB)の専門家らは、より迅速で公平な景気回復を推進するためには、抜本的な財政刺激策が必要だと数カ月前から議会に訴えてきた。株価の上昇は、民主党がジョージア州で勝利したことを受け、こうした救済策がバイデン次期大統領の机に届く(大統領が署名する)可能性が高いという投資家の考えを反映している。

バンク・オブ・アメリカ(BoA)のアメリカ経済担当エコノミスト、ミシェル・マイヤー(Michelle Meyer)は、新たな景気刺激策が経済成長を大きく前進させ、パンデミック以前の水準への回復を加速させるだろう1月7日の報告で述べている。今回の財政刺激策は、新たな直接給付、国の失業給付の延長、州・地方政府への財政援助、医療従事者への救済を優先する可能性が高いと見られている。

BoAによれば、1兆ドルの救済策は2021年の国内総生産(GDP)成長率を「容易に」1ポイント上昇させ、約6%にすることができるという。この試算は保守的な計算に基づいているため、経済効果はさらに大きくなる可能性があるとマイヤーは付け加えた。

モルガン・スタンレーゴールドマン・サックスのエコノミストも同様に、楽観的なGDP成長予測とジョージア州での民主党の勝利を関連づけている。クレディ・スイスは7日にS&P500の予想を引き上げ、2021年初頭に新たな景気刺激策が実施される可能性が高まったことで、年内にS&P500が12%上昇する可能性があると述べた。

ワシントンでの暴動が長期的なリスクを生むという懸念は、7日朝にはおおむね払拭された。議会は数時間にわたる討論の末、選挙人団の投票数に反対する努力も失敗に終わり、バイデン候補の勝利を承認した。トランプ大統領は選挙に勝って職にとどまるとしていた従来の主張を覆し、この直後に「秩序ある移行」を行うと約束した。

平和的な移行が確実になったことで、強気の見方はさらに強まった。東京株式市場も続伸して取引を再開している。

TDアメリトレードのチーフ・マーケットストラテジスト、JJ・キナハン(JJ Kinahan)は、「政治的緊張が緩和し、さらなる景気刺激策が景気浮揚に役立つと期待されている。コロナウイルスのワクチンが投資家やトレーダーにある程度の落ち着きをもたらし、市場は各社の決算発表に焦点を当てることができるようになるだろう」と述べている。

[原文:Why stocks are at record highs following the Capitol chaos in DC

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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