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都内に日本のベンチャー新製品が集結「CES2021 JAPAN TECH @b8ta」を見てきた【CES2021】

b8ta Tokyo – Yurakucho

会場となる東京・有楽町の「b8ta Tokyo – Yurakucho」(写真は2020年7月撮影)。

撮影:小林優多郎

オンライン開催となったテクノロジー展示会「CES2021」(1月11日〜14日、現地時間)にあわせて、特別企画「CES2021 JAPAN TECH @b8ta」の展示がb8ta(ベータ)有楽町店で始まっている。展示期間は1月9日から17日まで。例年この時期にラスベガスで開催されるリアルイベントのCESと比べれば規模は小さいが、出展者の熱気の片鱗は感じられた。

b8ta Japanの展示は、JAPAN TECH Projectの参加団体に加え、経済産業省が推進する「J-Startup」の所属団体から17の企業や団体が参加。

いずれの出展内容もコロナ禍を意識したものが多く、“非接触”や“巣ごもり”などをキーワードにしたものが多い印象を受けた。その中でも特筆すべきものを紹介しよう。

非接触で心拍などが測れる「miRader8

miRader8 handy

撮影:小林優多郎

サクラテックの「miRader8」は、24GHzの電波を使ったレーダーで付近の人間の皮膚の振動を検知、心拍を呼吸を測定できる。

アンテナ部が折り返せるため、セルフで測定したり、正面にいる相手を測定したり、などさまざまなシーンでの利用が可能。価格は1台あたり20万円。

医療機器としての認可はとれていないため、医療現場では使えないが、介護・看護施設などでの健康状態の記録は可能(既に同様の技術を搭載した製品の利用実績がある)。

その場で結果がわかる尿検査キット「Bisu Body Coach」

Bisu Body Coach

撮影:小林優多郎

日本にも拠点を置くBisuが開発する「Bisu Body Coach」は、尿採取後、2分程度で結果が分かる簡易的な人間もしくはペット向けの尿検査キットだ。Bisu公式サイトによると、電解質や水分量、ビタミンC、尿酸値、酸化ストレスなどがわかるという。

キットの中身は、試薬やチップなどを含む採取用の道具と、それを分析するモジュールの2つ。モジュールにはスマートフォンをBluetoothで接続するため、その場で結果を確認できる手軽さが特徴になっている。許認可の関係もあり日本では2022年の展開を検討中。

Bisu共同創業者で代表のDaniel Maggs(ダニエル・マグス)氏は、Business Insider Japanの取材に対し「日本ではB2B2C、B2Cのどちらも検討している」と回答。健康志向の高い個人だけではなく、会員制ジムやペットショップなどを介してのビジネス展開がありそうだ。

“立ち仕事”を補助する「アルケリス FX」

アルケリス FX

撮影:小林優多郎

横浜で金属加工などを行なうニットーのグループ会社であるアルケリスは、立ち作業をサポートするアシストスーツを出展。

足にとりつける装具になっており、装着することで腰への負担が33%程度軽減されるという。

既に金属製の兄弟製品は医療向けや工場向けに出荷されているが、今回のアルケリス FXはカーボン素材を採用し、従来より40%軽量化。オフィスや警備などの用途のニーズへ応える。

4月に発売予定で、1セットあたり48万9800円を想定。個人が簡単に買える製品ではないが、同社ではリースでのビジネスも検討している。

マルチアングル映像を高速配信できる「SwipeVideo」

SwipeVideo

撮影:小林優多郎

アマテラスの「SwipeVideo」は、マルチアングル映像をウェブブラウザーなどで見られる配信技術だ。回線環境として、高速な5Gではなく、すでに十分に普及している4G環境でも問題なく動作する。

既にナオト・インティライミやBase Ball Bearなどの音楽アーティストの映像配信、テレビ朝日やフジテレビの番組などでも利用されるなどの実績を持つ。

技術的には複数の映像ソースを切替ながら配信する技術のため、マルチアングル以外にも、オーケストラの複数の奏者を切り替えたいといったユースケースにも対応する。

iPhone 7台

デモブースに置かれた7台のiPhone。

撮影:小林優多郎

また、b8taの実働デモでは7台のiPhoneで、マルチアングル映像をその場で撮影し確認できる様子を見せていた。実際にはカメラの台数や種類などは問わない。SwipeVideoの技術の肝はカメラ技術ではなく「配信技術」にある。

アマテラスでは、コロナ禍で外出機会が減る中、エンタテインメント系のイベント以外にもオンライン授業や一般ユーザーがコンテンツを配信するCGM(Consumer Generated Media)の領域などへの展開を想定している。

コロナ下で変わる大規模イベントへの期待

hazaview

会場内は、今回の「CES2021 JAPAN TECH @b8ta」に合わせて設置されたcynapsの換気アラートシステム「hazaview」によってモニタリングされている。

撮影:小林優多郎

直近でも全世界17万人の参加者を集めていた巨大イベント「CES」が“完全オンライン”になったことは、取材をする記者としてもそうだが、世界のメディアやバイヤー、企業と「つながる場」としてCESに期待を寄せていた出展者側も残念に感じていることだろう。

b8taで見かけた複数の出展者に話を聞いたが、いずれも「(今回のCESで)従来通りの成果を上げることは難しい」と語っていた。

一方で、実店舗である「b8ta」への出展には比較的ポジティブな反応も多くあった。特にCESが原則有料イベントなのに対し、b8taは入場無料(感染症対策で入場制限などは適宜実施)であり、CESとは違ったユーザー層へ実際の製品やサービス、技術などを体験、認知できるのではないかと期待する声があった。

CESロゴ

毎年アメリカ・ラスベガスで開催されるCESだが、2021年はオンライン開催。ただし、日本のスタートアップが集まるパビリオンは、有楽町で限定的に設置される。

撮影:小林優多郎

スペースを提供するb8ta側も今回は「特別対応」でのぞむ。

そもそもb8taはスタートアップから大企業まで、さまざまな先進的な製品やサービスを体験できる場を提供する“販売がメインではない店舗”、Retail As A Service(RaaS)を提供するサンフランシスコ発のベンチャー。日本には2020年7月に上陸した。ビジネスモデルとしては、商品展示と来客データの分析に費用を払うという、一種の「有料ショーケース」だ。

本来であれば、b8taでの展示には月額30万円前後(来客データの分析・レポートなども込み)で最短でも6カ月間の契約が必要だが、今回のイベントは9日間のみと短期間・費用面も考慮する調整が行われたという。

これはCESがオンラインのみの開催となったことを受けて、b8ta Japan側からCESの国内スタートアップ出展を支援する団体JAPAN TECH projectや経産省が推進するJ-Startupに出展を打診。その後、b8ta内で期間や費用の調整、CESを扱う国内販売代理店のCreativeVisionのライセンスのもと、「CES」を名乗った特別企画として実現された。

b8ta Japanによると、今後は今回の企画のようなイベントも連動した短期間の出展も引き続き検討していくという。

(文、撮影・小林優多郎

編集部より:Bisuより要請があり、計測時間や計測可能な項目について一部の表現を修正しました。 2021年1月14日 19:05
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