無料のメールマガジンに登録

平日17時にBusiness Insider Japanのメルマガをお届け。利用規約を確認


MSからLTE搭載の新型Surface「Pro7+」登場、「テレワーク画質・音質」重視が新型PCのトレンド【CES2021】

ces2021_pc-3

マイクロソフトが突如発表した「Surface Pro 7+ for Business」。後ほど紹介するHPの「Dragonfly Max」と合わせて、時代のトレンド変化を感じる仕様になっている。

出典:マイクロソフト

1月11日〜14日(現地時間)にオンライン開催されるテクノロジーショー「CES2021」開幕に合わせ、PCメーカー各社から新製品発表が相次いでいる。共通する流行は「テレワーク」対応の強化だ。2020年はコロナ禍の中、PCの価値が見直された時期でもあった。その頃に企画・開発が進んだ製品は2021年にやってくる。

ここで主に、発表されたばかりの2つの製品から、その傾向を見ていくことにしよう。

突如発表された「Surface Pro 7+」に見る“ビデオ会議”向けのメッセージ

「Surface Pro 7+ for Business」

「Surface Pro 7+ for Business」。これまでどおり外観に変更はほぼなさそうだが、インカメラがフルHD対応に強化。また待望のLTE搭載になり、CPUも最新の第11世代Core iシリーズにアップデートされている。

出典:マイクロソフト

1月11日23時(日本時間)、米マイクロソフトは新PC「Surface Pro 7+ for Business」を発表した。

Surface Pro 7は同社のPCシリーズ「Surface」の中でも中核となる製品。日本でも「ビジネス向け Surface Pro 7+」として、製品の詳細ページが公開されている。一般のコンシューマ市場でどういう形になるのかは、記事公開の時点では明らかになっていない。

Surface Pro 7+

「Surface Pro 7+」の日本語版製品ページ。リセラー経由で販売する法人向け機種のため、現時点では国内向け価格はアナウンスされていない。

撮影:伊藤有

「Surface Pro 7+ for Business」は主に中小規模ビジネス向けを想定した製品だが、本質的には現行の「Surface Pro 7」のアップデートモデルと言える。

「Surface Pro 7+ for Business」

最近のSurfaceシリーズにみられるように、ストレージに容易にアクセスできる設計も採用している。

出典:マイクロソフト

一番のポイントは、CPUがインテルの「第11世代Core iシリーズ」になったことだ。これにより、マイクロソフトは「パフォーマンスが最大2.1倍高速になり、バッテリー駆動時間は15時間に伸びた」としている。現行モデル(第10世代を採用)のバッテリー動作時間は最大10.5時間とされているので大幅な性能向上といっていい。

また、Surface Pro 7+には待望と言ってよい、LTE搭載モデルがオプションとして用意される。5G対応でないのが残念だが、ビジネス向けに望まれていたものだ。アメリカ市場では、Wi-Fi版が899ドルから、LTE版が1149ドルからとなっている。

そして、リリースの中で強調されているのが「ビデオコミュニケーション」だ。

Surface Pro 7+は1080p(フルHD)対応の500万画素インカメラとドルビー・アトモス対応のスピーカー、それにデュアルフィールドマイクを搭載している。これらはスペック的には前のモデルと同じはずなのだが、以前よりはっきりとリリースの中で、メリットが謳われるようになった。

もともとSurfaceはマイクの音質が良いのが特徴ではあった。が、それは「知る人ぞ知る」レベル。それが、テレワークが当たり前の世の中になり、「主要な特徴」として強調された。これは実に面白い現象だ。

PCの開発が「テレワークニーズの変化」にやっと追いついた

テレワークでビデオ会議をする場合、自由度や使いやすさの面で、PCは中心的な存在だ。だが、カメラやマイクの性能は、多くの製品の場合、スマートフォンに比べ性能が劣っている。

残念ながら、2020年末・2021年初頭の製品を見ても、カメラの画質を大きく改善した製品は少ない。PCでのビデオ会議も昔からあったが、コロナ禍になるまで「一部の人が使うもの」に過ぎなかったからだ。

性能的には大好評を持って迎えられたアップルのM1搭載MacBookシリーズも、画質が若干向上し、MacBook Proではマイクの改善が進んだのみにとどまっている。

マイクについては、富士通クライアントコンピューティングやASUSが2020年末の新製品で積極的な改善をアピールした。

CES直前の新製品としては、HPの「HP Elite Dragonfly Max」が注目だ。

500万画素の高画質インカメラを搭載する「HP Elite Dragonfly Max」

「HP Elite Dragonfly Max」

HPの「HP Elite Dragonfly Max」。法人向けモバイルの「Elite Dragonfly」シリーズの中で、ビデオカメラを特に強化した製品。今はまだ特別モデルという扱いだ。

出典:HP

デザイン的には一般的な13インチクラスのノートPCだが、インカメラは500万画素、マイクは広指向性と、他のPCとは比較にならないレベルの改善を実現している。

「HP Elite Dragonfly Max」の訴求点

HP Elite Dragonfly Maxの発表資料PDFより。500万画素インカメラを搭載していることが3つの訴求点のトップに据えられている(赤で下線を引いた)。コロナ前とのトレンドの大変化を感じるポイントだ。

出典:HP

一般的に、製品開発には1年以上の時間が必要だ。PCは比較的短いサイクルで開発されるが、それでも「夏前に企画して次の新年に間に合わせる」のは難しい。

現実的な問題として、ニューノーマル時代がスタートしてすぐにビデオ会議ニーズに着目したメーカーの製品が、ようやく世の中にで始めた時期なのだろう。

こうした変化は好ましいことだ。

PCがテレワークの中心であるならば、外付けのカメラやマイクを用意しなくても、多くの人が快適にビデオ会議をこなせる存在になるべきだ。「カメラとマイクの良さ」が、ここへきてようやく「PCとしてのアピールポイント」に変わってきた印象を受ける。

PCを購入する際には、そろそろCPU性能だけでなく、「カメラやマイクの品質」も重視したいし、メディアの側も含め、その品質がわかる情報の公開が必要になってくる。

(文・西田宗千佳

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • LinkedIn
  • クリップボードにコピー
  • ×
  • …

Popular

あわせて読みたい

新着記事

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み