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- アメリカの小売最大手ウォルマート(Walmart)の最高顧客責任者ジェイニー・ホワイトサイド(Janey Whiteside)氏は1月12日(現地時間)にバーチャルで開催された全米小売業協会(NRF)のChapter One Conferenceでスピーチした。
- ホワイトサイド氏は、小売業者はこれまでの「ノーマル」を捨て、迅速かつ多様なフルフィルメントの選択肢をもって「顧客に応える」準備をしておくべきだと語った。
- 「次の12~24カ月は、人々は『これがノーマル?』とよく分からなくなるのではないかと思っています」とホワイトサイド氏は語った。
新型コロナウイルスのパンデミックが続く中、世界中の人々が「ノーマル」に戻ることを願っている。
しかし、ウォルマートの最高顧客責任者ジェイニー・ホワイトサイド氏によると、パンデミック前の「ノーマル」に戻るのは、大半の小売業者にとってありそうにないことだという。1月12日にバーチャルで開催された2021年のNRFのChapter One Conferenceで、ホワイトサイド氏は今年の小売業と経済の展望について、自身の見方を示した。
「わたしは最近、いかに多くの人々がノーマルに戻ることについて話し、『でもノーマルの全てがそれほど素晴らしかったわけじゃないよね』と言っていることに気付きました。これは興味深いです」とホワイトサイド氏はデロイト(Deloitte)のチーフ・グローバル・エコノミストであるアイラ・カリシュ(Ira Kalish)氏とのセッションで語った。
「『だとしたら、ノーマルがどのようなものになるとわたしは再定義したらいいのだろう?』と」
ホワイトサイド氏によると、一般市民のワクチン接種が進んだとしても、小売業者はオンライン取引の殺到に取り組まなければならない。その結果、小売業者は実店舗とデジタル店舗の活用に関する問いに答えなければならないという。「真にパーソナライズ化された体験を生み出し」、購入のオプションという観点から「顧客の選択」を促すためだ。
「選択肢を増やしておくことが非常に重要になるでしょう」とホワイトサイド氏は言う。
「1時間以内に、翌日までに、1週間以内に何かが欲しいとか、わたしのいるところまで小売業者に来てもらいたいとか」
ホワイトサイド氏は、小売業者は顧客を「北極星」として見つめ続けなければならないと言う。ワクチン接種普及後、パンデミック後の小売業の環境については、不透明なことがあまりに多いからだ。
「次の12~24カ月は、人々は『これがノーマル?』 とよく分からなくなるのではないかと思っています」とホワイトサイド氏は語った。
「だからこそ、わたしたちの顧客から学び、彼らがどこへ向かおうとしているのか理解することが非常に重要なのです」
(翻訳、編集:山口佳美)