インスタグラムの責任者アダム・モセリ氏。
Matt Winkelmeyer/Getty Images for WIRED
- インスタグラムの責任者アダム・モセリ(Adam Mosseri)氏は、アメリカのワシントンD.C.で先週起きた暴動について、自身のプラットフォームを擁護した。
- モセリ氏は、インスタグラムとその親会社であるフェイスブックが長年にわたって中立であろうとしてきたとのアイデアに反論した。
- 「わたしたちは中立ではない。中立なプラットフォームなどない」とモセリ氏はツイートした。自分たちは「政治と関係なく」あろうとしてきたのだと述べた。
- 暴徒化したトランプ大統領の支持者らが連邦議会の議事堂を占拠したことを受け、フェイスブックはトランプ大統領をプラットフォームから「永久に」追放し、「盗みを止めさせろ(Stop the steal)」運動関連のコンテンツを削除した。
インスタグラムの責任者アダム・モセリ氏は、ワシントンD.C.で先週起きた暴動について、自身のプラットフォームを擁護した。
モセリ氏は1月11日(現地時間)、インスタグラムの価値についてツイートした。これは、フェイスブックが同社初となる市民権担当のバイスプレジデントにロイ・オースティン(Roy Austin)氏を雇ったことについてツイッターに投稿した、OneZeroのWill Oremus記者の"つぶやき"を受けてのものだ。Oremus記者は、フェイスブックが「自らを中立なプラットフォームに見立て、オンラインでのつながりを絶対善として宣伝することにあれほど専心してこなければ」5年以上前にこの役職を置くことができたはずだとツイートした。
これに対し、創業者であるケビン・シストロム(Kevin Systrom)氏とマイク・クリーガー(Mike Krieger)氏が2018年に会社を離れて以来、フェイスブック傘下のインスタグラムを監督してきたモセリ氏はツイッターで反論した。インスタグラムは中立であろうとしてきたのではなく、政治と無関係であろうとしてきたのだ、と。
長年にわたってフェイスブックは、言論の自由を守るとの名目で、トランプ大統領による物議を醸す投稿や政治広告といった特定のコンテンツをブロックしたりファクトチェックしないと繰り返し述べてきた。この方針は、一部のユーザーや政治家、フェイスブックの従業員からの批判を招いていた。
フェイスブックが11日、大統領選挙で不正があったとするトランプ大統領の根拠のない主張を広める「盗みを止めさせろ(Stop the steal)」運動に関する投稿を全て削除する方針を発表すると、モセリ氏はフェイスブックの「対応は完璧からは程遠い」ものの、かなり踏み込んだ対応だとツイートした。
同社はトランプ大統領のフェイスブックへの投稿も —— 少なくとも来週、バイデン氏が大統領に就任するまでは —— 「永久に」禁止した。
アメリカでは6日、バイデン次期大統領の勝利を最終確定するために連邦議会が手続きを進める中、暴徒化したトランプ大統領の支持者らが議事堂を襲撃した。この暴動で5人が死亡し、多くの逮捕者が出ている。
議事堂を襲撃する計画は、数週間前からソーシャルメディア上に出回っていた。BuzzFeed Newsによると、トランプ大統領の支持者らはフェイスブックの非公開グループで集合していて、1月6日の「第二次アメリカ革命」を呼びかけた約8000人のフォロワーを擁するグループもその1つだという。
専門家たちは、トランプ大統領やその支持者らに長年にわたってプラットフォームへの投稿を許してきたことで、ツイッターやフェイスブック、YouTubeといった主流のソーシャルメディアが「間接的に(暴動に)関与」したとInsiderに語っている。
ただ、フェイスブックの最高執行責任者(COO)シェリル・サンドバーグ氏は12日、暴動はもともとフェイスブックではなく、「わたしたちがヘイトを止めることのできない」プラットフォームで組織されたものだと語った。
[原文:Instagram boss Adam Mosseri defends Facebook's values: 'No platform is neutral']
(翻訳、編集:山口佳美)