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「マスク着用拒否なら銀行口座没収」英HSBCの厳しい対応に賛否両論。死者8万人超えの危機のさなか

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英銀行大手HSBCのリバプール市内にある店舗。2020年10月撮影。新型コロナ感染拡大防止のために店舗の人員削減を実施し、一部営業休止するなど、エッセンシャルサービスの現場では公共の利益とスタッフの生命・生活を守る責務の間で苦悩が続く。

REUTERS/Phil Noble

英銀行大手HSBCが、店舗でマスク着用を拒んだ客の口座を閉鎖・没収するとの警告を発して物議を醸(かも)している。英大衆紙サン(1月13日付)によれば、HSBCは今回の警告について、政府のガイドラインに沿った措置としている。

新型コロナ感染拡大後、3回目となるロックダウン(都市封鎖)が行われるなか、銀行には「市民の日常生活に必要不可欠の金融サービスを提供する」金融機関には営業が許可されている。

同紙の取材によると、口座閉鎖・没収に関する警告は、「医学上の理由からマスク着用が困難」な人については適用対象外。本人確認の際に行員の求めに応じてマスクを外す行為も認められる。

1月13日(現地時間)時点では、実際に口座が没収されるケースは起きていないという。

イギリス(イングランド全域)では現在、政府が発表したガイドラインに基づき、以下の場合にのみマスク着用が免除されている。

  • 11歳未満の子ども
  • 身体的あるいは精神的疾病・障害によりマスクの着脱が困難な人
  • マスクの着脱により機能不全などの深刻な苦痛が生じる場合
  • コミュニケーションに際して、唇の動きや明確な音声、表情が必須の視覚・聴覚障害者向けに、会話・サポートを行う場合
  • 自身や他者への危害や傷害、あるいはその危険を避けるために必要な場合
  • 警察や救急隊員などが公衆のために行う活動の妨げになる場合

ポストオフィスは「強制手段はとらない」

一方、英大衆紙デイリー・ミラー(電子版、1月13日付)は、郵便窓口業務を手がけるポストオフィスに取材。すべての市民が政府のガイドラインや法律に従う必要があるものの、強制手段をとることはないとの言質を引き出している。

同紙の取材に応じたポストオフィスの広報担当は、以下のようにコメントしている。

「各郵便局長はマスクを着用していない客に医学上の理由による対象除外者かどうか確認する権利はあるものの、それは医師が発行する証明書を取得してからでないと郵便局を利用できないということではない」

「ポストオフィスとしては、各郵便局長に対し現時点で、マスクを着用していない客の立ち入りを拒否せよとの指示は出していない

英経済メディアのファイナンシャル・ニュースによれば、イギリスのパテル内相は1月12日、新型コロナ感染拡大を抑制するための制限措置に違反した市民に対しては、「NHS(国民保健サービス)と国民の命を守るため」に「日ごろ自らの命をリスクにさらして公共の利益に尽くしている警察」が「厳しい対応をもってあたる」と、強い警告を発している。

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世界保健機関(WHO)の新型コロナダッシュボードより、イギリスの感染状況。

Screenshot of World Health Organization

世界保健機関(WHO)の最新データ(日本時間1月14日3時現在)によると、イギリスの新型コロナによる死者は8万3203人、感染者数は316万4055人。過去1週間の死者数は6898人。

ロイター通信(1月11日付)によれば、イギリス政府のホイッティ主席医務官は、医療サービスが危機的状況を迎えているとした上で、「今後数週間が最悪の期間になる」との見方を表明。ジョンソン首相も「国民保健サービスに対する脅威を誰もが感じており、時間との闘いになる」と危機感をあらわにしている。

(文・訳責:川村力)

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