米国のベンチャーが続々参入のテキストメッセージサービス。著名人やブランドが活用する理由

テキストメッセージサービス

Klaus Vedfelt / Getty Images

  • ソーシャルメディアでフォロワーを獲得した多くの著名人、記者、メディア企業にとって、ファンと交流するための次の手段はテキストでメッセージを送ることだ。
  • コミュニティ(Community)やメールチンプ(Mailchimp)など、新しいベンチャー企業や既存の企業プレイヤーがテキストメッセージ送信の分野に続々と参入している。
  • Business Insiderは、テキストマーケティング業界の幹部や顧客に話を聞き、メディア業界がテキストメッセージを大量に使い始めた理由を探った。

2020年4月、TikTokのクリエイターで映画スターのアディソン・レイ・イースターリングは、100万人以上のフォロワーに自分の電話番号をツイートした。

「ハイ! これは、あなたからのメッセージが届いたことをお知らせするための自動メッセージです。リンク先の情報を入力したら、私はあなたと個人的にやりとりができるようになるの。あなたとつながるのが待ちきれない!愛をこめて、アディソン・レイ

イースターリングは彼女に返信してきた人たちにそうメッセージを送り、ファンに、名前、性別、年齢、住所をフォームに記入するようお願いした。

ほとんどのファンがすぐに気づいたように、彼らはイースターリングの個人携帯電話に連絡することができたわけではない。イースターリングは、俳優のアシュトン・カッチャーが支援するテキストマーケティングのベンチャー企業である「コミュニティ(Community)」のサービスを利用していたのだ。

コミュニティは、著名人、ネットのインフルエンサー、そして企業やビアコムCBS(ViacomCBS)のようなメディアが、ファンや顧客に直接テキストメッセージを送ることができるサービスだ。

コミュニティのサイト画面

アシュトン・カッチャーやジェニファー・ロペスなどセレブの利用も多い「コミュニティ」。登録したファンはお気に入りのセレブから個人的なメッセージを受け取る感覚で交流できる点が従来のSNSとは大きく異なる。

Communityのサイトより

コミュニティのプラットフォームは、ユーザーがオーディエンスとつながるためのさまざまな機能を提供している。ファンに一対一のメッセージ(誕生日のお祝いなど)を送ったり、商品、アルバムのリリース、テレビ番組のプロモーションのための大量のテキストを送信することもできる。地理情報、年齢、性別などの情報に基づき特定のフォロワーのグループにメッセージを送ることも可能だ。ファンは送られてきたメッセージに返信することもできる。

コミュニティのプラットフォーム上には、6000人 以上の「コミュニティリーダー」と、彼らのメッセージを受け取りたいと登録した2300 万人のユーザーがいると言われている。

「時間が経つにつれ、誰もが、自分が気になっている人や物とのよりリアルな関係性を望むようになる」と同社の共同創業者兼最高製品責任者、ジョシュ・ローゼンヘックは言う。

「『すごい! 大好きなスポーツチームやブランドや企業と直接個人的なつながりをついに持てるようになった』というように、人々がそれを新しいソーシャルの枠組みとして受け入れ、理解してもらえるようになってほしいと私たちは考えていました」

同社のプラットフォームでは、過去1年間で10億件以上のテキストメッセージがやり取りされた。つまり、2020年にコミュニティが急成長を遂げたのは、決して突然起こったことではない。

ソーシャルメディアでフォロワーを獲得したセレブ、記者、政治家、メディア企業は、顧客やファンにリーチするための新たな手段として、テキストメッセージを使い始めている。彼らはテキストメッセージサービスを利用し、自分たちのコンテンツを宣伝し、消費者に直接製品を販売し、メッセージを返信してくれた人たちから率直な反応を得ているのだ。

そして今、コミュニティ以外にも、サブテキスト(Subtext)、シンプルテキスティング(SimpleTexting、メッセージメディアの一部門)、そして最近チャッティティブ(Chatitive)というテキストマーケティングのベンチャー企業を買収することを発表したメールチンプ(MailChimp)など、この分野で新しいベンチャーや企業が続々と登場している。

消費者はセレブと直接つながりたい

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