大統領就任式に向け厳戒態勢のワシントンD.C.、動員される兵士の数はイラクとアフガニスタンを上回る

議事堂

Kent Nishimura/Getty Images

  • 1月6日の連邦議会議事堂への乱入事件を受け、アメリカの首都ワシントンD.C.ではセキュリティが強化されている。
  • 1月20日の大統領就任式に向け、ワシントンD.C.には最大で2万5000人の州兵が動員される見込み。
  • 動員される州兵の数はアフガニスタンとイラクに派遣している米兵の数よりも多い。
  • これはアメリカで国内テロの脅威が高まっていること、それが海外の過激派からの脅威を上回っていることを示している。

アメリカの首都は厳戒態勢だ。その首都にはアフガニスタンとイラクに派遣されている米兵の数よりも多い兵士が動員されるという。

1月20日のバイデン次期大統領の就任式に向け、ワシントンD.C.には最大で2万5000人の州兵が動員される見込みだ。一方、アフガニスタンとイラクに派遣されている米兵の数は1月15日の時点でそれぞれ約2500人(合計約5000人)となっている。

なお、海外に駐留する米兵が最も多いのは日本で、約5万4000人が駐留している。

1月6日のトランプ大統領の支持者らによる連邦議会議事堂への乱入事件を受け、大統領就任式のセキュリティについては大きな懸念がある。5人が死亡したこの乱入事件は、人々に衝撃を与えた。

アメリカの世界的なテロとの戦いの主な戦場となっているアフガニスタンとイラクよりも多くの兵士がワシントンD.C.に動員されるということは、海外テロよりも自国育ちの過激派がアメリカにより大きな脅威を突きつけていることを示している。

トランプ

アフガニスタンのバグラム空軍基地を予告なしに訪問したトランプ大統領。

Reuters

9.11同時多発テロの後、アメリカ政府は圧倒的に国外のテロリズムを自国にとって最大の脅威として扱ってきたが、どうやら新たな方向へとシフトしているようだ。

2020年10月には国土安全保障省が、暴力的な白人至上主義が「自国における最も根強く、多大な損害をもたらす可能性のある脅威」であり続けるだろうと警告するレポートを公表した。

「海外のテロ組織はアメリカに対する攻撃を呼びかけ続けるだろうが、恐らくこうした策略を指示する彼らの能力は今後1年にわたって制約され続けるだろう」という。

アメリカの法執行機関も近年、次第に同様の態度を取るようになっている。2017年8月にバージニア州シャーロッツビルで白人至上主義者らが集会を開き、死者を出してからはなおさらだ。

「わたしたちが捜査した国内テロの多くは、白人至上主義と呼ばれるようなものに動機づけられているが、他の要素も含まれている」と連邦捜査局(FBI)のクリストファー・レイ長官は2019年7月に連邦議会で述べた

レイ長官は2020年9月にも、主に白人至上主義から来る「人種的に動機付けられた暴力的な過激主義」が国内テロの脅威の最も多くを占めていると連邦議会で述べている。

ジハーディズムについても、その脅威は圧倒的に国内から来ている。シンクタンクのニュー・アメリカが指摘しているように、「アメリカのジハーディスト・テロリストの大多数は海外からの潜入者ではなく、アメリカ市民もしくはアメリカの合法的な住民」だ。

バイデン次期大統領だけでなく、多くの連邦議会議員や専門家たちが国内テロと表現した1月6日の連邦議会議事堂への乱入事件は、アメリカが過激主義にどうアプローチするかの転換点となり得る。

大半を白人が占め、極右過激派組織のメンバーやその共感者でいっぱいの暴徒化したトランプ大統領の支持者らは、連邦議会議員やペンス副大統領に危害を加えようとするかのように、議事堂へと乱入した。これはアメリカの民主主義に対する直接の攻撃を意味し、アメリカ史上かつてない出来事だった。

連邦議会議員は国に対し、国内テロリズムをアメリカやその政治システムの存続に関わる危機として扱うよう呼びかけている。

「ポスト9/11の時代は終わった。現時点での国家安全保障上の最大の脅威はこの国の内部分裂だ。国内テロリズム。わたしたちの民主主義を脅かす分極化だ。2つのアメリカを再び結び付けなければ、脅威は外から来る必要はない」と中央情報局(CIA)の元分析官で国防総省の元職員だった民主党のエリッサ・スロトキン(Elissa Slotkin)下院議員は1月6日の議事堂への乱入事件を受け、ツイッターでコメントした

[原文:There will be more US troops in DC for Biden's inauguration than in Iraq and Afghanistan combined, a stark reminder of the danger of homegrown extremism

(翻訳、編集:山口佳美)

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