キッチンのインテリアデザインのトレンドには、2021年に人気を増すものもあれば、人気が薄れ始めるものもある。
Shuttershock
- 2021年に予想されるキッチントレンドについて、インテリアデザイナーたちに話を聞いた。
- オープンシェルフとモノトーンの色調はすたれるかもしれない。
- ハイエンド家電と大型シンクは人気を増している。
現代のキッチンは、料理、食事、社交、仕事のハブになっている。そのため、機能と美しさが両立したデザインが、優れたデザインということになる。
Business Insiderでは、プロのインテリアデザイナーたちに取材し、2021年を席巻するキッチントレンドと、時代に置いていかれるトレンドについて意見を聞いた。
緑のキャビネットが人気上昇中
緑のキャビネットは、何にでも合わせられる。
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インテリアデザイナーのミシェル・ハリソン=マカリスター(Michelle Harrison-McAllister)によれば、フォレストグリーンのキャビネットは、すでに2021年の流行になっているという。
「この色は、クセがないだけでなく、暖かで明るい色調によくなじみます」と、ハリソン=マカリスターは言う。
「最近は、無難なホワイトやダークウッドのキャビネットを避ける傾向が見られます」
ディープグリーンのキャビネットを引きたてる、シンプルだが贅沢な方法は、金色のものや真鍮のものを使うことだ。
ハイエンド家電に予算をつぎ込む人が増加
最もよく使うキッチン家電にお金をかけるのはいいことかもしれない。
James Ransom
ハリソン=マカリスターによれば、高級家電製品にお金をかける人が増えているという。
「自宅で料理をしたり、パンを焼いたりするようになっている今、よく使う家電を、レストランスタイルやハイエンド・バージョンに替えるのはよい投資だと、たくさんの人が気づき始めた」とハリソン=マカリスターは言う。
高品質のキッチン製品にお金を注ぎこもうかと考えているのなら、まずは、コンロや冷蔵庫といった使用頻度の高いアイテムをアップグレードするのがベストかもしれない。
クォーツァイト(珪岩)のカウンターがさらに広まる
クォーツァイトは、耐久性があることから人気が高い。
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ペンブローク&アイブズ(Pembroke & Ives)のデザインディレクターを務めるインテリアデザイナーのフランシス・ニクダオ(Francis Nicdao)はBusiness Insiderに対し、天然のクォーツァイトが2021年に人気のキッチン素材になるかもしれないと話した。
人工のクォーツストーンのカウンターは一般に、砕いた材料に樹脂と顔料を混ぜてつくられるが、クォーツァイトは天然の岩石だ。
「クォーツァイトは、クォーツよりも洗練された選択肢で、個性や深み、模様がいっそう際立ちます」と、ニクダオは言う。「この素材は、耐久性の高さでも愛されています」
コンセントの増設が人気のアップグレードに
コンセントが余分にあれば、複数のキッチン家電が使えるようになる。
Ana Anderson/Shuttershock
ノンフライヤーやジューサーのような、特定の用途に特化した家電が流行していることから、コンセントを追加してキッチンをアップグレードする人が増えている。
「昨今のキッチンには、家電が山ほどありますね。それに対応できるよう、コンセントを増設する傾向が見られます」とニクダオは言う。
さらにニクダオによれば、大きめのキッチン家電を目立たないように置くスペースの増設も、最近のキッチン・リノベーションの優先事項になっているという。
キッチン以外での食品収納が一般的に
創造性を発揮すれば、改築せずに収納スペースをアップグレードできる。
Pipas Imagery/Shuttershock
インテリア・キッチンデザイナーのスーザン・セラ(Susan Serra)は、2021年は通常のパントリー以外の場所での食品収納が流行になるかもしれないと話した。
「パンデミックによって、人々は日用品や食品の備蓄を増やすようになっています」とセラは言う。
「2つ目の冷凍庫や広いパントリー、別の部屋にある家具を活用したキッチン収納がトレンドになりつつあります」
地下室やガレージにチェストタイプの冷凍庫を置いたり、クローゼットを食品保存庫に転用したりすれば、改築せずにキッチン収納を広げることができる。
シンクの大型化がトレンドに
広々としたシンクは、さまざまな用途に使える。
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大きなサイズのシンクは、その使い勝手のよさから、従来のサイズのシンクにとってかわりつつある。
「標準サイズのシンクと違って、大きなサイズのシンクでは、生鮮食品の下処理が簡単にでき、複数の手順を一度にこなすことができます」とセラは述べる。
大きくて深さのあるシンクでは、フライパンやキッチン家電を洗うスペースが広くなるだけでなく、布製品の手洗いなどもしやすく、水しぶきも飛び散りにくい。
モノトーンのキッチンは時代遅れになりそう
明るい色彩が人気を高めている。
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ベージュや白、黒といった無難な色調にかわって、鮮やかな色や模様が主流になるかもしれない。
「モノトーンのカウンターやバック・スプラッシュ(壁のはねよけ板)が敬遠され、色のついたものが好まれるようになっています」とハリソン=マカリスターは言う。
バック・スプラッシュのタイルを大胆な色のものに貼りかえたり、毛足の短い丈夫なラグを加えたりすれば、キッチンに色彩を加えることができる。
キャビネットのおしゃれな金具はなくなるかも
キャビネットのハンドルやノブを取り外す人が増えている。
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ここ数年、個性を主張する凝ったハードウェアがキッチンのトレンドになっていたが、「クリスタルのノブ」の時代は終わったかもしれない。
「よりモダンで、能率的なデザインのキッチンが求められるようになっています。たとえば、キャビネットから、ハンドルやノブなどの金具が取り外されているようです」とハリソン=マカリスターは言う。
無駄な金具のないモダンなキャビネットがあまり好きではない場合は、目立たないようなもの交換することを検討してみよう。
オープンシェルフは時代遅れになるかも
オープンシェルフは頻繁に掃除する必要がある。
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オープンシェルフを使えば、スパイス・コレクションを簡単に自慢できるが、この収納スタイルは、頻繁に整理整頓してほこりを払う必要がある。
「オープンシェルフ離れの傾向が見られます。むきだしのままで物を置かないようになってきているのです」とニクダオは話す。
キッチンは「隠す収納」への移行していて、従来のキャビネット内のスペースを最大限に活用する方向に進んでいる。
雑然とした雰囲気は魅力的ではなくなる
2021年は整理整頓が流行するかもしれない。
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2021年には、複雑な形のタイルや、こまごまとした装飾品がひしめくカウンターにかわって、すっきりしたラインと片づいたカウンタートップが人気になりそうだ。
「目地のラインが目立つサブウェイタイル、むき出しの小型家電、精緻なキャビネットドアといった、雑然とした雰囲気につながるトレンドが廃れ始めています」とセラは話している。
収納に投資したり、収納スペースを改造したりすれば、整理整頓は簡単にできるはずだ。
[原文:Interior designers share 6 kitchen trends that'll be huge this year, and 4 that will be out]
(翻訳:梅田智世/ガリレオ、編集:Toshihiko Inoue)