コロナ禍でも密になりにくい「ゴルフ」。グッズの売り上げ何パーセント伸びた?

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Q. コロナ禍でゴルフグッズの売上は何パーセント伸びた?

A. コロナ禍でも屋外で密にならないゴルフのグッズを扱う主要2社の売上は2桁成長。

CallawayやOdysseyを有する「CALLAWAY GOLF COMPANY」の2020年7-9月期の売上は$476M(約476億円)、YoY +12%

Titleist・FootJoyを有する「Acushnet Holdings Corp」の2020年7-9月期の売上は$483M(約483億円)、YoY +15.7%。

今回の記事では、初登場となる、ゴルフグッズを扱う主要2社の決算を比較してみたいと思います。

コロナの死者数や感染者数が多く、日本と比較して厳しい行動制限を敷かれているアメリカでも、制限はあるもののゴルフ場だけは開いているんです!

アメリカで生活している中で、ゴルフ=コロナ禍で最も影響を受けていないスポーツと感じたので、実際の決算内容を調べてみたいと思います。

コロナ禍がゴルフグッズビジネスにどのような影響を与えたのかを見てみるため、今回は2020年7-9月の四半期の決算を比較してみます。比較する会社は2社です。

1社目は、Callaway・Odysseyなどを有する「CALLAWAY GOLF COMPANY」以下、Callawayと書きます。

2社目は、Titleist・FootJoyなどを有する「Acushnet Holdings Corp」以下、Titleistと書きます。

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Callaway Third Quarter 2020 Earnings Conference Call (2020/11/9)

Acushnet Holdings Corp. Announces Third Quarter and Year-to-Date 2020 Financial Results(2020/11/6)

売上: YoY +10%以上で成長

Callaway

まず最初にCallawayを見てみましょう。Callawayの2020年第3四半期(2020年7-9月)の売上は$476M(約476億円)、 YoY+12%。四半期粗利益(Gross Profit)は$203M(約203億円)、YoY+6.3%でした。売上、利益ともに前年同期より増加しています。

Titleist

次に、Titleist の2020年第3四半期(2020年7-9月)の四半期決算です。四半期売上は$483M(約483億円)、 YoY+15.7%。四半期粗利益は、$252M(約252億円)、YoY+15.9%と、Titleistも売上、利益ともに前年同期比で成長していることがわかります。

特に売上が伸びたセグメントは?

2社ともに、現時点で発表されている最新の四半期決算では売り上げを伸ばしていますが、コロナ禍で売り上げを牽引した要因はなんだったのでしょうか?2社のセグメント毎の売上をみていきましょう。

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上図がCallawayのセグメント別の売上です。

ゴルフクラブ、ボール、アパレル(ゴルフウェア)、ギア(ゴルフバック等)・その他の4つに区分されています。

それぞれの売上を見てみましょう。

・ゴルフクラブ $209M(約209億円)、 YoY +25%

・ゴルフボール $58M(約58億円)、YoY +36%

・アパレル $126M(約128円)、YoY -10%

・ギア・その他 $83M(約83億円)、YoY +9%

ゴルフウェアの売上以外はいずれも前年同期比プラスで成長していることがわかります。

Titleistのセグメント別

次にTitleistのセグメント別の売上を比較してみましょう。こちらは、Titleistのゴルフボール、ゴルフクラブ、ゴルフギアとFootjoyのゴルフウェアの4つに区分されています。

・Titleistゴルフボール $170M(約170億円)、YoY +40.7%

・Titleistゴルフクラブ $121M(約121億円)、 YoY -4.7%

・Titleistゴルフギア $44M(約44億円)、YoY +28%

・FootJoyゴルフウェア $116M(約116億円)、YoY +13.4%

Titleistは、ゴルフクラブ以外の3つのセグメントは売上が成長しています。

ゴルフボールの売上はCallawayがYoY+36%、TitleistがYoY+40.7%でした。2社ともにゴルフボールが爆発的に売れていることが分かります。ゴルフクラブはCallawayは伸びて、Titleistは微減でした。ギアやアパレルはCallawayは減少、Titleist・FootJoyは増加しています。ゴルフクラブやアパレル、ギアは明暗が分かました。この差は両社のマーケティングの差による結果なのか、コロナの影響で製造から販売までのサプライチェーンが打撃を受けていたのかははっきりとはしていません。

しかしセグメント売上の前年との比較から確かに読み取れることは、2社ともにゴルフボールの売上が大きく増加している=プレーヤーの人々がゴルフをプレーする回数が増えているということです。

プレー回数が増えているというのは、コロナ禍でも広大な屋外の敷地で広い距離をとってプレーができる、ゴルフならではの影響と言えるのではないでしょうか?

特に売上が伸びた地域は?

次に、地域別の売上を比較してみます。

地域別

Callawayの地域別の売上は以下の通りです。

・北米: $215M(約215億円)、YoY +33%

・ヨーロッパ: $135M(約135億円)、 YoY +1%

・日本: $56M(約56億円)、YoY -12%

・その他: $70M(約70億円)、YoY +4%

北米が30%以上成長しています。

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Titleistの地域別の売上を見てみましょう。

・北米: $271M(約271億円)、 YoY +25.8%

・ヨーロッパ: $65M(約65億円)、YoY +17.4%

・日本: $42M(約42億円)、YoY -23%

・韓国: $62M(約62億円)、YoY +10.4%

・その他: $42M(約42億円)、 YoY +21.5%

Titleistは、北米、ヨーロッパが伸びていることが分かります。

2社を比較してみると、両社共に北米で圧倒的に成長していますが、日本では二桁のマイナス成長となっています。日本では「自粛」という言葉から、外出を伴う行動全般が控えられていたことや、プレイヤーの年齢層が高いことも影響しているのかもしれません。

ここで私が個人的に驚いたのは、2社ともに決算資料の中で、日本が地域セグメントの1つとして個別の国名で登場していることです。これはゴルフグッズを販売する際に、日本が大事な市場となっていることの表れです。

まとめ

この記事では、ゴルフグッズ販売を牽引するCallawayとTitleistの2社の2020年7月-9月の四半期決算をみてきました。ここまでの内容を簡単にまとめると、

・2社ともに2020年7月−9月は前年同期比で増収増益。

・Callawayの売上は$476M(約476億円)、 YoY+12%。四半期粗利益は$203M(約203億円)。

・Titleistの売上は$483M(約483億円)、 YoY+15.7%。四半期粗利益は、$252M(約252億円)、YOY+15.9%。

・2社ともにゴルフボールがYoY35%以上売上を伸ばしている。(=たくさんプレーされている)

・2社ともに売上を牽引している地域は北米。

・2社ともに日本での売上は大幅に減少している。

個人的に、2019年末にゴルフを真剣にやりはじめたこともあり、コロナ禍でほとんど全ての行動が制限されるアメリカで、ゴルフだけは引き続きプレーできたことは、心身の健康に繋がり、本当に色々な意味で助かりました

私のゴルフクラブは、ほぼ全てTitleistなのですが、TitleistはCallawayはずっと小さいメーカーだと思いこんでいました。しかし両社の決算を見たら、同規模で驚きました。(てっきりCallawayとTaylormadeが2強で、TitleistとPINGがそれに続く企業だと思っていました。)

決算を見て納得したのですが、ゴルフ場の予約が取りにくくなるほど、多くの人がゴルフをプレーしているアメリカの現状が反映されていると感じました。(ゴルフ以外のスポーツがほぼ不可能になっているため、多くの人が運動とストレス発散も兼ねてゴルフ場に押しかけているのかと思います。)

そういった意味で、ゴルフボールの売れ行きが好調だったことは非常に実感値を伴っていますし、クラブの売上の伸びがボールに追いつかなかったのは、生産工場の一時的な閉鎖などサプライが安定していなかったことも大きな要因ではないかと思います。

今回は私にとって身近なゴルフを取り上げてみました。いかがでしたでしょうか?これからもたまには、ソフトウェア・ネット系企業以外の決算も見ていきたいと思います。


シバタナオキ:SearchMan共同創業者。2009年、東京大学工学系研究科博士課程修了。楽天執行役員、東京大学工学系研究科助教、2009年からスタンフォード大学客員研究員。2011年にシリコンバレーでSearchManを創業。noteで「決算が読めるようになるノート」を連載中

決算が読めるようになるノートより転載(2021年1月19日公開

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