プラウド・ボーイズの集会(2020年6月26日、オレゴン州ポートランド)。
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- トランプ前大統領の忠実な支持者だった白人至上主義の極右団体「プラウド・ボーイズ」が、今では「グズ」「並外れた弱虫」と呼んで前大統領に背を向けた。ニューヨーク・タイムズが報じた。
- プラウド・ボーイズは、トランプ前大統領がホワイトハウスにとどまるためにさらなる抵抗をしなかったことに憤慨している。
- 彼らは、1月6日の連邦議会議事堂への乱入事件に関与し、逮捕されたメンバーを前大統領が助けなかったことにも苛立っている。
1月20日(現地時間)に任期を終え、ホワイトハウスを去ったトランプ前大統領に、その忠実な支持者だった白人至上主義の極右団体「プラウド・ボーイズ」の一部メンバーが背を向けた。ニューヨーク・タイムズが報じた。
「トランプは完全な失敗として記憶されるだろう」とプラウド・ボーイズは18日、Telegramのチャンネルで述べた。
プラウド・ボーイズは長年にわたり、トランプ前大統領を後押ししてきた。2020年9月のテレビ討論会でトランプ前大統領が「プラウド・ボーイズ…… 下がって待機せよ」と発言してからはなおさらだった。
トランプ前大統領は、白人至上主義グループを糾弾しないのかと尋ねられてそう答えていた。
プラウド・ボーイズの一部は、1月6日に暴徒化したトランプ大統領の支持者らが連邦議会議事堂に乱入した際、その場にいた。11月の大統領選の一般投票でトランプ前大統領が負けて以来、プラウド・ボーイズではメンバーに対し、抗議デモに参加し、自分が選挙に負けたのは不正があったからだとする前大統領の主張に同調するよう促していた。
「トランプ皇帝、万歳」とプラウド・ボーイズは11月8日、Telegramのプライベートチャンネルに書いたと、ニューヨーク・タイムズは報じている。
ところが、任期が終わりに近付く中、トランプ前大統領がホワイトハウスにとどまるためにさらなる抵抗をしなかったことや、5人が死亡した連邦議会議事堂への乱入事件を前大統領がのちに批判したことに、プラウド・ボーイズの一部メンバーは失望した。
彼らはトランプ前大統領を「グズ」「並外れた弱虫」と呼び、それ以来、周囲にもトランプ前大統領のイベントや共和党のイベントにもう参加しないよう要請していたと、ニューヨーク・タイムズは報じている。
そして、彼らはトランプ前大統領が1月6日の議事堂乱入事件に関与し、逮捕されたプラウド・ボーイズのメンバーを助けなかったことにも腹を立てている。
CNNによると、グループのリーダー、ジョセフ・ビッグス(Joseph Biggs)容疑者は20日、不法侵入や無秩序な襲撃行為などの疑いで逮捕された。
議事堂乱入事件に関与し、逮捕されたプラウド・ボーイズのメンバーはビッグス容疑者で5人目だと、ニューヨーク・タイムズは報じている。
Insiderの報道によると、陰謀論を宣伝する集団「Qアノン」のメンバーらもトランプ前大統領を否定し始めている。Qアノンは、トランプ前大統領が「ディープステート(闇の政府)」と戦っているという根拠のない陰謀論を唱えている。
(翻訳、編集:山口佳美)