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東京都、新規陽性者は1カ月ぶりに減少傾向も「極めて深刻」。高リスク患者は増加傾向【1月21日モニタリング会議】

小池百合子都知事

1月21日、モニタリング会議で発現する小池百合子都知事。

出典:東京都 Tokyo Metropolitan Government

東京都は1月21日、新型コロナウイルス感染症モニタリング会議を開催。

緊急事態宣言発出から約2週間経過した現状分析が行われた。

新規陽性者数は、約1カ月ぶりの減少に

新規陽性者

新規陽性者数の7日間平均を見ると、先週よりも若干ではあるが減少している。ただし、依然として1000人を超える高い水準であることに注意が必要だ。

出典:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料

データを見ると、新規陽性者数の7日間平均は1月13日時点の約1699人から、1月20日時点で約1471人と、約1カ月ぶりに減少に転じる結果となった。年末年始の外出自粛や、緊急事態宣言による効果が混在している状況ではあるが、ひとまず感染者数が減少傾向に推移したことは良い点と言えるだろう。

一方で、引き続き1日あたり1000人を超える感染者が確認されている現状に対して、専門家たちからは厳しいコメントが続いている。

「(新規陽性者数の)1週間の合計は1万人を超え、依然として高い値である。複数の地域や感染経路でクラスターが頻発し、感染拡大が続いている。入院と宿泊療養の受け入れの限界を超え、通常の医療も逼迫し、極めて深刻な感染状況が続いている。実効性のある感染拡大防止対策を継続することにより、新規陽性者数を大幅に減少させることが最も重要である」(モニタリング会議資料の専門家コメントより引用)


「今回、新規陽性者数の増加比は約87%と低下したが、その人数は極めて高い水準にあり、年末年始の連休による影響と緊急事態宣言等による影響が混在していることを踏まえ、引き続き厳重な警戒が必要である。増加比が 100%前後で推移することは、新規陽性者数が高止まりとなることを意味しており、今後の推移に十分な警戒が必要である」(モニタリング会議資料の専門家コメントより引用)

また、確かに感染者数は減少傾向に推移しているが、見逃せないポイントもある。

65歳以上の高リスクの感染者は引き続き増加

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高リスクとされる65歳以上の新規陽性者の7日間平均のグラフ。全体では新規陽性者は減少傾向だが、高リスク層では増えいる。今後の重症患者の増加が懸念される。

出典:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料

高リスクとされる65歳以上に限定すると、新規の陽性者数の7日間平均が、前回のモニタリング会議時では1日あたり約201人だったにも関わらず、1月20日時点では約248人と大幅に増加している。

つまり、見かけの新規感染者数は減っていても、高リスクとされる高齢者の感染者数が減っていない状況なのだ。新型コロナウイルスでは、新規感染者の増加から重症患者数の増加に至るまで少し時差がある。今後の重症患者の増加が懸念される

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9月末からの感染者数の年代別割合。最新の1週間(右端)で、20代〜30代の陽性者の割合は若干減少していることが分かる。

出典:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料

一方で、陽性者における20代、30代の割合は前週から若干ではあるものの減少している。依然として陽性者の多くを占めており、予断を許さない状況ではあるものの、若者の行動変容が、小さいながらも成果として結びついているといえる。できることなら、この流れをさらに加速させて、一気に感染の拡大を大きく抑制したいところだ。

半数以上は家庭内感染。会食での感染割合は減少

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会食での感染は6割程度にまで減少している。その分、福祉施設などでのクラスターなどが目立つ。

出典:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料

陽性者の感染ルートを見ると、会食による感染の割合は約6割ほどまで減少していた。また、全体としては半数以上が家庭内で感染していた。

ただし、この数値は、あくまでも濃厚接触者を追えている人の感染ルートだけではあることに注意して欲しい。濃厚接触者を追えていない陽性者の7日間平均は、20日時点で864.9人(全体の約6割)だ。

政府新型コロナウイルス感染症対策分科会は、これまでの分析で、感染経路が追えない感染者であっても、多くは会食などの飲食の場で感染が広がっているという見解を示している。

都のモニタリング会議に参加している専門家からも、感染経路が追えている陽性者の半数以上が同居する家族などからの感染であるという結果について、

同居する人からの感染が最も多いのは、職場、施設、会食、接待をともなう飲食店などから家庭に持ち込まれた結果と考えられる。職場、施設、寮などの共同生活や家庭内等での感染拡大を防ぐため、家族・職場・施設において、基本的な感染予防策、環境の清拭・消毒などの徹底した対策を実行する必要がある」(モニタリング会議資料の専門家コメントより引用)

と、引き続きの対策が求められた。

濃厚接触者が追えている「見える範囲」での会食の場における感染が減っている分、「見えない範囲」での会食の場における感染の広がりも、一定程度減っていることを期待したい。

重症患者数は増加、医療提供体制はひっ迫している

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東京都の全療養者の内訳。自宅療養者、入院・療養等調整中の人が多い。

出典:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料

なお、東京都の1月20日段階における全療養者数は、依然として増加傾向が続いている。

前回のモニタリング会議が開催された1月13日時点での療養者数は1万9207人だったが、1月20日時点では1万9533人となった。退院したり、回復したりしている人が一定数いるはずだが、なかなか減少に転じない状況だ。

療養者の内訳は以下の通り。

1月20日時点での全療養者の内訳(前回は1月13日)

入院患者:2893人(前回は3266人)

宿泊療養者:876人(前回は981人)

自宅療養者:8965人(前回は8414 人)

入院・療養等調整中:6799人(前回は6546人)

入院患者数は減少しているとはいえ、依然として高い水準だ。

また、入院・療養などの調整待ちの人数が減っていないことからも、安心できない状況に変わりはない。こういった調整役を担う保健所への負担も懸念される状況だ

モニタリング会議へ参加している専門家からは、

「保健所から入院調整本部への調整依頼件数は、1月16日以降は連日約500件を超え、翌日以降の調整に繰り越し、待機を余儀なくされる例が多数生じている」

とのコメントもあった。

また、重症患者数は、前回の141人から1月20日時点で160人と増加。最大値を更新している。この1週間で、新たに人工呼吸器を装着した患者は84人(先週は95人)であり、人工呼吸器から離脱した患者は48人(先週は44人)、人工呼吸器使用中に死亡した患者は20人(先週は19人)だった。

なお、同様に今週新たにECMO(小型対外膜式人工肺)を導入した患者は4人で、ECMOから離脱した患者は3人だったという。

専門家は以下のように語る。

「新型コロナウイルス感染症患者の病床を確保するため、医療機関は通常の医療を行っている病床を、新型コ ロナウイルス感染症患者用に転用している。このため、救急受け入れの困難や予定手術等の制限など、都民が必要とする通常の医療をこれまで通り実施できない状況が生じている

なお、東京都は現状4000床ある新型コロナウイルス患者用の病床に加えて、新たに都立・公社病院において計1700床の準備を進めている。

繁華街の人出、12月と比べると着実に減っている

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出典:東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料

2度目の緊急事態宣言が出てから約2週間。モニタリング会議の資料から、繁華街の人出を見てみよう。

1度目の緊急事態宣言時と比べると、東京都心における人出はあまり減っていないように見えるかもしれないが、感染が拡大しつづけていた12月段階と比べると、着実に減っていることは確かだ。

この2週間で大きく陽性者を減らすことはできていないため、現状の対策が十分とは言い切れないのかもしれない。しかし、小さいながらも着実に結果が出ていることを理解した上で、引き続き感染対策を続けたいところだ。

東京都の小池百合子都知事は、会議の終わりに、都民、事業者に対して、あらためて協力を呼びかけた。

「緊急事態宣言発出から2週間たち、夜の外出による人流は低下に転じてきています。一方で、昼間の人流も含めた全体の人の流れは十分には抑えきれていない。さらに徹底して人流を抑制することが重要であるというご指摘もいただいていますので、よろしくお願いいたしいます。都民のみなさまには、日中も夜間も平日も休日も、不要不急の外出を自粛していただきたい、コロナにはカレンダーも時計もないということであります」

※モニタリング会議資料はこちらから。

(文・三ツ村崇志

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