ahamoはいつから? 月額2980円の3キャリア「オンライン専用」対抗プランの選び方

比較表

3キャリアのオンライン専用プランの内容を比較してみた(クリックすると大きく表示します)。

作成:Business Insider Japan

携帯大手3社の「2980円プラン」が出そろった。政府の要求から始まった携帯各社の値下げ競争で、「データ通信20GBで2000円台」が実現したが、各社ともその中でさまざまな工夫を盛り込んでいる。

今回発表された大手3社のプランの特徴は、

  • 2年契約などの期間拘束や割引なし
  • データ容量は月間20GB
  • 申し込みからサポートまですべてオンライン
  • キャリアメールを提供しない
  • 5分間の国内通話かけ放題が付いて月額2980円(税別)
  • いずれも3月より提供開始予定

という点が共通している。その中で各社の特徴を打ち出した形だ。

「期間拘束がない」ため、他キャリアに乗り換えたければすぐに契約を変更できるのも特徴だ。ただし、すべての人にオススメできるわけではなく、この料金プランに最適な人とそうでない人がいる。その選び方を解説する。


NTTドコモ「ahamo」…家族でも安心して選べる

ahamo

NTTドコモが発表した「ahamo」。

撮影:小林優多郎

先陣を切ってドコモが発表した「ahamo」(アハモ)。5分間の音声定額込みで月額2980円だ。

オプションとして、1GBあたり500円でデータ容量の追加ができるほか、国内通話かけ放題のオプションが月額1000円で利用可能。3月提供開始予定。

【ポイント】

特徴として、海外の82の国と地域で追加料金なくデータ通信ができる点が上げられる。(現状は難しいが)海外によく行く人の回線としても有効だ。

家族内でドコモ契約がある場合、複数回線で割引する「みんなドコモ割」、家族間通話無料の「ファミリー割引」、光回線とのセット割の「ドコモ光セット割」はいずれも割り引きにはならないが、「家族の回線」としてはカウントされる。

ahamoの条件

ahamoの条件は1月14日にアップデートされた。

撮影:小林優多郎

【特徴深掘り】

父、母、子どもの3人家族で、父母がドコモのギガホを契約、子どもがahamoだった場合、みんなドコモ割は「3回線」で父母の月額料金が1000円引きになり、父母から息子への国内音声通話が無料になる。

子どもからかけたい場合は、5分間は無料なので短時間にするかかけ直してもらえば無料で通話可能だ。

端末のセット販売に関しては、「ユーザーターゲットにマッチした端末を用意していく。iPhoneを含めて、デジタルネイティブ世代にマッチした端末を検討している」(広報部)としている。

【まとめ】

ahamoに移行しても家族の割引がなくならないのは大きなメリット。家族のトータルでの支払額を削減できる。家族の音声通話無料も強みだ。

KDDI「povo」…シンプルに使えてトッピングで機能追加

povo

KDDIが発表した「povo」。

出典:KDDI

KDDIの「povo」(ポヴォ)唯一、月額料金が2480円と安い。標準では「5分間の音声通話定額がない」ためだ。3月提供開始予定。

【ポイント】

その代わり、オプションの「トッピング」として月額500円で5分間の音声定額を追加できる。5分間の通話定額が含まれないのは、「20代以下の6割が月10分未満の通話しかしない」(KDDI髙橋誠社長)からだとする。

通話をほぼしない、またはLINE通話などを使うという人なら、他社に比べて500円引きにできるのでメリットがあるだろう。必要ならば、「トッピング」しても他社と同じ2980円になるので大きなデメリットにはならない。

【特徴深掘り】

この「トッピング」、必要な機能を自由に選んで適用したり外したりできる、というものだ。現時点では4つの機能が明らかにされている。

  • 5分間の国内通話かけ放題……月額500円
  • 24時間テザリングを含めてデータ使い放題……200円/24時間
  • 国内通話かけ放題……月額1500円
  • データ追加……500円/1GB。

24時間200円のデータ無制限のトッピングは、テザリングを含めて無制限で、もともとの20GBとは別のデータ使用扱いとなる。そのため、外出先で緊急的に大容量データを使いたい、という場合に便利だ。

例えば、月の最終日に20GBを使い切ってしまって通信速度が遅くなってしまったけど速度が必要、という場合にも、1GBを追加するより安い。活用できるシーンは多そうだ。48時間でも400円なので、最大2日間なら1GBを追加するより安価になる計算だ。

トッピング

必要な機能を気軽に選べる「トッピング」。

出典:KDDI

今のところ、KDDI側が提供する通信サービス用のトッピングしかないが、コンテンツプロバイダーなどとも話をしているという。

【まとめ】

5分間の音声定額を外したことでベース料金が割安になり、必要ならば追加するだけでいいのは、それぞれのニーズに応じた料金プランと言える。

現時点では、家族間通話、複数回線割引、固定回線とのセット割は対象外となっている。ドコモに追従する可能性についてKDDI広報は「現時点での対応予定はないが、市場環境を踏まえて検討していく」とコメントしている。

端末のセット販売に関しては、現時点で「検討していない」(広報部)。

なお、メインのauでは利用料金に応じてPontaポイントが付与されるが、povoではそうしたポイントはない。ただし、au PAYカードを支払いに設定すれば、カード利用料分のPontaポイントは貯められる。


ソフトバンク「SoftBank on LINE」…LINEヘビーユーザーに

SoftBank on LINE

ソフトバンクが発表した「SoftBank on LINE」。

撮影:小山安博

ソフトバンクの「SoftBank on LINE」はブランドコンセプトの仮称で、正確には料金プランの名称ではない、というのが同社のスタンス。

大容量のソフトバンク、小中容量のワイモバイル、そしてオンライン専用のSoftBank on LINEの3つのブランドとなるようだ。MVNOであるLINEモバイルを100%子会社化した上で提供する。3月提供開始予定。

【ポイント】

このSoftBank on LINEの大きな特徴が、LINEの通信をデータカウントしないノーカウントを導入する点。LINEのメッセージとLINE通話のデータを20GBのデータ容量にカウントしないため、特にそうしたサービスを頻繁に使う人には有効だろう。

なお、現時点ではノーカウント対象は「LINEトーク/LINE通話などを予定」とされている。

ソフトバンクのネットワーク

SoftBank on LINEはMVNOではなく、ソフトバンクのネットワークそのものを活用する。

撮影:小山安博

【特徴深掘り】

現時点でプランの詳細が発表されていないが、「サブブランド」であり、ソフトバンクから見たワイモバイルの関係と同じになるため、「みんな家族割+」のような複数回線割引や固定回線とのセット割「おうち割 光セット」などの割引は適用されない。こうした点を変更する可能性について同社広報は「現状は検討していない」としている。

【まとめ】

LINEのノーカウントが特徴で、20GBのデータ以上が使えるのがメリット。端末のセット販売に関しては、現時点で「検討中」(広報部)となっている。LINEモバイルではLINEポイントを使った支払いに対応もしていたが、現時点でポイントの扱いに関しては未定だという。


導入前に確認すべきオンライン専用プランの注意点

キャリアメール

基本的に3キャリアのオンライン専用プランでは“キャリアメール”は使えない(写真はドコモの「ドコモメール」)。

撮影:小林優多郎

大手3社とも提供は3月からとなり、ドコモが各社の発表を見た上で複数回線割引との関係を発表するなど、今後も最後まで各社の調整が続きそうだ。そのため、あくまで「現時点での」という注釈が付くが、それぞれ特徴があって選択肢が広がっている。

注意したいのは、大手3社とも「キャリアメールを提供しない」「全てオンラインのみ」という点だ。

今までキャリアメールしか使ってきていない人で、Gmailなどの他のメールアドレスがない人は、他のメールアドレスを新たに作って移行するしかない。特に、キャリアメールのアドレスを各種サービスに登録していた人は要注意だ。

逆に言えば、1回そうした作業を済ませれば、2980円プランに移行して月額料金を下げられる。必要経費と考えればいい(そうした移行が難しく、キャリアメールが必須、という人はそもそも対象外のプランだ、とも言える)。

各キャリアとも、ショップ店頭でのサポートはしない方針をとっており、申し込みからサポートまでオンラインで問題ない、という人だけが申し込むべきプランになっている。

(文・小山安博


小山安博:ネットニュース編集部で編集者兼記者、デスクを経て2005年6月から独立して現在に至る。専門はセキュリティ、デジカメ、携帯電話など。発表会取材、インタビュー取材、海外取材、製品レビューまで幅広く手がける。

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