ウェイモCEO「我々は完全な自律走行、テスラは運転支援」…イーロン・マスクは反論

ウェイモのジョン・クラフシックCEO。

ウェイモのジョン・クラフシックCEO。

Horacio Villalobos - Corbis/Getty Images

  • ウェイモのジョン・クラフシックCEOが、自律走行車に関して「テスラはライバルではない」と語った。
  • 彼は「テスラは大変すばらしい運転支援システムを構築している」と、ドイツのマネージャー・マガジンに語った。
  • クラフシックCEOは「我々は、完全な自律システムを製造する」と語った。
  • それに対してテスラのイーロン・マスクCEOは「テスラはウェイモよりも優れたAIハードウェアとソフトウェアを持っている」とツイートした。

ドイツのマネージャーマガジン(Manager Magazin)のインタビューを引用した複数の報道によると、ウェイモ(Waymo)のジョン・クラフシック(John Krafcik)CEOは、自律走行車について「テスラ(Tesla)はライバルではない」と語ったという。

クラフシックCEOは「我々にとって、テスラは競合にならない」と語ったとArs Technicaが報じた。

「我々は完全な自律運転システムを製造している。テスラは自動車メーカーで大変すばらしい運転支援システムを開発している」

ウェイモとテスラにコメントを求めたが回答は得られなかった。

両社は最近、論争を引き起こしており、ウェイモは1月初旬、テスラに対する皮肉を込めて「自動運転(self-driving)」の言葉を廃止すると発表している。

テスラはウェブサイトで、同社のオートパイロット機能について、ほぼあらゆる環境下での自動運転が可能な、自動車の未来の姿になると紹介している。同社によると、8個の360度カメラと12個のセンサー、前方レーダーが搭載されている。

一方、ウェイモは同社のブログで「当社が開発中の完全自律技術と、安全な運転のためには免許取得者による監視を必要とする運転支援技術(ときに誤って自動運転(self-driving)技術と呼ばれる)を区別するのに役立つことを期待する」と述べ、self-drivingという用語を廃止するとした。

イーロン・マスク、テスラ

ベルリン近郊グリューンハイデにある、テスラのギガファクトリーの建設地で、記者の質問に答えるイーロン・マスク。

Patrick Pleul/picture alliance via Getty Images

ブルームバーグによると、1月22日のマネージャーマガジンのインタビューで、クラフシックはテスラについて「すばらしい運転支援システムを開発している」と語ったという。

テスラのウェブサイトには「テスラのすべての新車に、ほぼあらゆる環境下で将来の自動運転に必要となるハードウェアを搭載する」と記載されている。前述したとおり、それには360度カメラ8個と、センサー12個、前方レーダーが含まれる。

イーロン・マスク(Elon Musk)CEOは2020年、テスラの機能は人間の介入を必要としないレベル5まで到達可能だと確信していると語った。一方でウェイモは以前、オートパイロットと同様のシステムを開発していたが中止したと報じられている

だが、自動車関連ニュースブログJalopnikによると、ウェイモのセンサー技術は「桁違いに優れている」とクラフシックは述べている。記事によると、その違いは、ウェイモが完全自律走行車両の開発を行っているのに対し、テスラは既存の自動車機能を追加しようとしていることにあると彼は語った。

Jalopnikとブルームバーグによると、クラフシックは「運転支援システムを開発し続ければ、いつの日か魔法のように完全自動運転システムが出来上がるというのは間違った考えだ」と述べ、「例えば、堅牢性と精度の点で、当社のセンサーは、他のメーカーのものよりも桁違いに優れている」と付け加えた。

これに対して、マスクはツイッターで、「テスラはウェイモよりも優れたAIのハードウェアとソフトウェアを持っている」と反論した。

ツイートの中で、ムスクはウェイモの車の高額なコストにも言及している。クラフシックはドイツのビジネス・アウトレットに、自律走行車の価格はメルセデスのSクラス(10万ドル以上)と同額になると語っていた。

テスラは2020年10月にベータ版と断りつつも「完全な」自動運転ソフトウェアを一部の顧客に提供した。ただし、テスラの自動運転は、運転免許を持つ人間が運転席に座る必要がある。この機能がリリースされた当時のユーザーによるYouTubeビデオでは、まだドライバーによる介入が必要であることが示されている

また、このソフトウェアがリリースされた後、アメリカ運輸省の道路交通安全局は次のように述べている。

「現在購入可能な車両の中には、自律的に走行できるものはない」

テスラの自動運転ソフトウェアとは異なり、ウェイモの車両は、LiDARを含む多数のセンサーを搭載し、人間のドライバーがいなくても自律走行できるように設計されている。10月には、その車両が完全な運転手なしのライドサービスとしてアリゾナ州フェニックスの公道でテストを開始している。

[原文:Waymo's CEO says Tesla is 'no competitor at all' when it comes to autonomous vehicles, according to reportsElon Musk hits back at Waymo's CEO after he said Tesla was 'no competitor at all'

(翻訳:Makiko Sato・Toshihiko Inoue、編集:Toshihiko Inoue)

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