クジラによる1回の取引でビットコインの価格が大きく変動することがある。
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- ビットコインの40%を所有している約1000の大口保有者は、クジラと呼ばれている。
- クジラは暗号通貨の価格を操作している可能性がある。
- 「大手企業は簡単に価格を動かすことができる」と暗号通貨に懐疑的なデビッド・ジェラルドはテレグラフに語った。
インベストペディアによると、ビットコイン・クジラ(bitcoin whale)とは、ビットコインを大量に保有している個人や事業体を指す言葉だ。約1000のアカウントで、市場の40%を占めているという。
クジラは暗号通貨の価格を操作している可能性があり、ここ数週間のビットコインの大きな変動で、ますます注目されている。
テレグラフは1月22日、業界のデータによるとビットコイン全体の約13%、数百億ドル分が100余りのアカウントに眠っていると報じた。
クジラによる取引が与えるインパクト
CoinDeskによると、1000ビットコイン以上を保有するアドレスの数は2334で、過去最高になった。
The Sunによると、このようなクジラによる1回の取引がビットコインの価格に大きな影響を与える可能性があり、小規模な投資家の動きを圧倒しているという。
ビットコインは1月8日に史上最高値の4万1973ドルに達したが、その後、大幅に下落した。
CoinDeskは11月に、ビットコインが急騰した際のクジラの影響を解明するために、暗号通貨取引所OKExのデータを調査した。
「ビットコインが急上昇している間、機関投資家やクジラは値下がりした場面で購入し、その後価格が上がると売ることが多かった。そのため、個人投資家の大多数はその価格変動を追いかけようと奮闘することになった」と報告書では述べている。
『Attack of the 50 Foot Blockchain』の著者で、暗号懐疑論者として知られるデビッド・ジェラルド(David Gerard)は、テレグラフの記事で次のように述べている。
「ビットコインの市場は取引量が非常に小さいため、大口所有者は簡単に価格を動かすことができる。彼らは皆、ビットコインをクラッシュさせる力を持つ」
利用可能なボリュームは大きくはないが、規制された市場では発生しないあらゆる種類の「トリック」があったと、彼は付け加えている。
ビットコインは今後どうなるのか
1月19日、バイデン政権のジャネット・イエレン(Janet Yellen)財務長官は、違法行為に使われているとの懸念から、ビットコインのような暗号通貨を規制する提案をした。しかし、ヤフー・ファイナンスによると、暗号通貨の専門家であるゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)を証券取引委員会(SEC)の委員長に選んだことを考えると、バイデン政権は暗号に好意的かもしれないという。
Business Insiderは1月21日、暗号通貨に対する連邦政府のシグナルは混乱を招いているとする記事を掲載した。この記事は、Clarim Mediaの最高コンテンツ責任者でFINの編集人兼発行人であるジェームズ・レッドベター(James Ledbetter)によるもので、彼は「デジタル通貨の世界的な進展に遅れをとりたくないのであれば、バイデン政権は、どの通貨を規制するのか、ビットコインのETFが承認されるのかなど、いくつかの基本的な質問に明確に答える必要がある」と述べている。
しかし、このような疑問に対する政府の答えがいつ出てくるのかはわからない。
[原文:Bitcoin whales: what are they - and how are they affecting the cryptocurrency's price?]
(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)