Keith Srakocic
アメリカのインディアナ州ティプトン在住のロバート・ピータースさんはピザハットの従業員で、31年間ピザを配達し続けている。そんなピータースさんが最近、想像もつかないような「チップ」を受け取った。真っ赤に輝くシボレー・マリブだ。
CBS Newsによると、ピータースさんはその気さくさと徹底したカスタマー・サービスで知られている。
ピータースさんのなじみ客の1人であるタナー・ラングレーさんは、ピータースさんが常に、顧客にきちんとお釣りを渡してくれると話している。例えそれが猛吹雪の中、何マイルも運転して店に戻り、たった15セント(約16円)を持って来なくてはならないとしても、だ。
「お釣りの用意がないことを理由に、チップを渡さなければならないと彼は客に感じさせたくないんです。これはモラルの問題です」とラングレーさんは言う。
ピータースさんの類まれなサービスを長年にわたって目にしてきたラングレーさんは、ピータースさんに感謝の気持ちを示したいと考えた。そこでピータースさんが28年使っていて、故障しがちなオールドモビルに代わる車をプレゼントするために、ラングレーさんはクラウドファンディングサイト「GoFundMe」で寄付を募ったと、Good Morning Americaは報じた。
報道によると、ティプトンのコミュニティーが、ピータースさんに2017年製のシボレー・マリブを買い、その保険料とガソリン代をカバーするのに十分な1万9000ドル(約197万円)近くを集めるまでに、わずか2日しかかからなかったという。
「それだけのインパクトを彼は人々に与えてきたんです」とラングレーさんは話している。
ピータースさんは「信じられませんでした。夢のようです」とCBSに語った。
報道によると、ピータースさんは配達スタッフの中でも最もベテランの1人だとピザ・ハットは話しているという。
「わたしの家族の中にも『もう少し経済的な安定を考えるべきじゃないか』という人もいました。でも、人々を幸せにするために努力することがわたしの人生の目的なんです。誰かに配達をする時、もしかしたら彼らがその日、唯一見る顔があなたかもしれないんです」とピータースさんは語った。
[原文:A long-time pizza delivery man's customers raised enough money to give him an unusual tip: a car]
(翻訳、編集:山口佳美)