アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の新所長、ロシェル・ワレンスキー。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の新所長、ロシェル・ワレンスキー。
- アメリカ疾病予防管理センター(CDC)のロシェル・ワレンスキー所長は1月24日、アメリカに何回分のCOVID-19ワクチンがあるのかはわからないと述べた。
- 各州がワクチン接種に必要な施設の確保や接種予約の受付ができないことを意味するとワレンスキー所長はFoxニュースに語った。
- ワレンスキー所長は、ワクチン接種施設での無駄や行列に繋がりかねないと述べた。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の新所長は1月24日、アメリカにあるCOVID-19ワクチンの量が不明だと語った。
「何回分のワクチンがあるのか、皆さんに伝えられない。各州の知事や保健当局へ伝えることも不可能だ」と、ロシェル・ワレンスキー(Rochelle Walensky)所長はFoxニュースに語った。
これは、アメリカ国民へのワクチン接種に関する「最大の問題だ」と彼女は語った。
つまり各州は、使用する施設数、必要なスタッフ数、受付可能な予約数の把握など、ワクチン接種に関する計画を立てられないと、ワレンスキー所長は述べている。
「もしワクチンが過剰なら余ることになり、不足なら行列ができて、接種できない人が出てしまうかもしれない。どちらにしても大きな問題だ」
ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は、就任から100日で1億回のワクチン接種を行うと表明している。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領は、2020年内に2000万人に接種するという目標を達成できなかった。
CDCのデータによると、これまでに接種を受けたアメリカ人は2100万人以上だ。だがワクチン不足のため、1万回の接種予約がキャンセルされている。
一番の懸念は「供給不足」
最も懸念しているのはワクチンの供給不足だが、アメリカで承認された2つのワクチン(1つはモデルナ、もう1つはファイザー・バイオンテック)の製造量が、製造開始から100日すれば増えてくると期待していると、ワレンスキー所長は述べた。
彼女は、ジョンソン・エンド・ジョンソンなど、2つの別のワクチンが開発段階にあると語った。
「我々に立ちはだかる障害を予測することはできない。しかしこれまでのデータから、ワクチン製造量は停滞することなく、増加していくと考えている」
アメリカを含め、世界中で新型コロナウイルスへの感染がますます拡大しているため、多くの人ができるだけ早くワクチンを接種することが急務となっている。
アメリカでは、イギリスで最初に確認された新型コロナウイルスの変異種「B.1.1.7」の感染者が194人になった。イギリス公衆衛生局は、変異種は従来のものより30%から50%感染しやすいと見ている。
「ウイルスが広がり、複製されるほど、変異種は生まれやすい」とワレンスキー所長は述べた。
ワレンスキー所長は、CDCが食品医薬品局(FDA)や国防省などの省庁と協力し、変異種の状況とワクチン、治療効果について監視していると述べた。
合わせて、マスク着用やワクチン接種などの感染予防が必要だと、彼女は述べている。
(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)