アマゾンの創業者でCEOのジェフ・ベゾス氏。
Reuters
コロナ禍に適応すべく消費者の優先順位が変わった2020年、アメリカではアマゾンが食料品小売りの人気1位だった。
顧客データ会社ダンハンビー(Dunnhumby)が毎年発表している「好きな小売業インデックス(Retailer Preference Index)」の最新ランキングによると、アマゾンはそのスピード、価格、安全性などから、H-E-Bやトレーダー・ジョーズといったファンの多い食料品チェーンを抑えて1位に輝いた。
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、経済指標の記録的な浮き沈みにつながりました。消費者がどこでどのように食料品を購入するかも大きく変わり、パンデミック前後で小売業界の勝者と敗者の競合関係も変化しています」とダンハンビーの北米社長グラント・ステッドマン(Grant Steadman)氏は指摘した。
2020年、食料品のオンライン購入は大きく伸びた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け実施されたロックダウン(都市封鎖)も影響した。分析会社M Scienceによると、4月下旬の1週間の売り上げは、前の年に比べて最大で289%増えたという。こうした成長は年間を通して続き、中でもアマゾンは特に大きく成長した。
なお、前回のランキングでは、H-E-Bが1位、トレーダー・ジョーズが2位で、アマゾンは3位だった。
アマゾンは、少なくとも現時点ではデジタルのみの食料品小売りであり、消費者はすでにそのオンライン店舗に非常に慣れ親しんでいたことから、コロナ禍での成功は目に見えていた。
ただ、それも永遠には続かないかもしれない。
「パンデミックが収束し始めるにつれ、価値判断にも再び大きな変化が訪れるだろう」とステッドマン氏は言う。
(翻訳、編集:山口佳美)