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- コロナ禍でシャンパンの販売量が18%減少した。
- フランスのシャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会(C.I.V.C.)では、2020年の販売量が2019年の3億本から2億4500万本に減ったと見ている。
- シャンパンの売り上げが減る一方で、スピリッツ(蒸留酒)やワインを中心にアルコールの売り上げは伸びている。
1年近く続く新型コロナウイルスのパンデミックで、バーやレストランが営業を休止し、さまざまな"お祝い"も保留される中、シャンパンの売り上げが大きく減っている。
フランスのシャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会(C.I.V.C.)によると、2020年のシャンパンの販売量は18%減少した。ロイターによると、これは金額にして10億ユーロ(約1260億円)のマイナスだと、C.I.V.C.は1月26日(現地時間)に述べた。
「思っていたよりはましだった」とC.I.V.C.の共同会長マクシム・トゥバール(Maxime Toubart)氏は語った。
「パーティをすることが許されていなくても、世界中でお祝い事はあるし、シャンパンはそのシンボルだ」
C.I.V.C.では、2020年のシャンパンの販売量が2019年の3億本から2億4500万本に減ったと見ている。ロイターによると、シャンパンの販売量はフランス、イギリス、アメリカでそれぞれ20%減り、日本では28%減ったという。
販売量の大幅な減少は主に、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるために世界の多くの地域でレストランやバーが営業を休止したままとなっているせいだ。C.I.V.C.は、2020年の年末にかけて、ヨーロッパではスーパーマーケットを中心に売り上げがやや増えたとしている。
アメリカでも2020年の年末に向けて、シャンパンの売り上げが伸びた。ただ、これは必ずしも年末の休暇のためではない。大統領選を受けて、シャンパンの売り上げが大きく伸びたと複数のメディアが報じている。
ワシントンD.C.の酒店のオーナーたちは大統領選後、バイデン大統領とハリス副大統領の支持者らがその勝利を祝うために街頭に出たことで、過去2年の年越しのお祝いを合わせたよりも多くのシャンパンが売れたとニューズウィークに語った。
バイデン氏の勝利が固まった11月7日にはシャンパンを購入する客が「殺到」したと、ワシントンD.C.の2つのチェーン店はニューズウィークに話した。
アメリカ各地のワイン店も、大統領選後に似たような傾向が見られたとRobb Reportに語っている。ニューヨークのブルックリンにあるワインショップ「ヴァンダービルト・ワイン・マーチャンツ」では、7日にスパークリングワインが過去4~5週間より600%多く売れ、最終的に売り切れたという。
2020年の大半でシャンパンの売り上げが落ち込んだ一方、アルコールの売り上げは急増した。アメリカで新型コロナウイルスが流行し始めた頃には、アルコールの売り上げが前の年に比べて25%増えた。中でもスピリッツ(蒸留酒)は33%、ワインは32%伸びた。
また、ロックダウン(都市封鎖)でアルコールの買い置きをする客もいた。ニールセンのデータによると、4月上旬の3リットル入りのワイン・ボックスの売り上げは、前の年に比べて82%伸びた。
ニールセンは2020年9月の時点で、バーやレストラン以外でのアルコールの売り上げが約24%増えたとしていた。
パンデミックはアルコールの配達の増加にも貢献している。アルコール配達のスタートアップ「Drizly」は2020年秋、売り上げが前の年に比べて350%増えたとNPRに語った。
(翻訳、編集:山口佳美)