サブウェイ・タイルは廃れ、青緑色は流行りそうだ。
Luoxi/Shutterstock; Photographee.eu/Shutterstock
- ホームインテリアで流行るものと廃れるものについて、インテリアデザイナーに聞いた。
- 黒で統一されたキッチンや、海のような色調、柄物のソファの人気が高まっているという。
- 一方、「ミレニアルピンク」とオープンシェルフは廃れようとしている。
インテリアデザインの世界では、トレンドは現れては消えていくのが常だ。昨シーズンに大流行していたものも、いまや時代遅れになっているかもしれない。Insiderは、プロのインテリアデザイナー4人に取材し、ホームインテリアではどのトレンドが時代遅れになり、どのトレンドがいたるところで目にするようになると思われるのかについて話を聞いた。
以下で、この冬に流行するトレンドと、廃れるトレンドを見ていこう。
「ミレニアルピンク」の時代は終わり
こうした淡い色合いは、長い間「理想的」な色だった。
Photographee.eu/Shutterstock
「スタジオDLG(Studio DLG)」のデザイン責任者を務めるインテリアデザイナーのデイビッド・グース(David Guth)によれば、「ミレニアルピンク」の人気は確実に低下しているという。
「このすてきな色が消えていくのを見るのは悲しいが、廃れ始めているのは間違いない」とグースは言う。
「ミレニアルピンクはとても愛されてきたが、そろそろ新しい色に人気が移りそう」
淡い薔薇色にとってかわるのは、ティール(鴨の羽のような青緑色)やディープグリーンなどのクールな色調だと予想されている。
キッチンでは、オープンシェルフにかわって、昔ながらの収納が流行りそう
オープンシェルフは、やや散らかった印象を与えることがある。
Shutterstock
オープンシェルフは、キッチンの必需品を扱いやすくしてくれるが、この流行りの収納方法にはいくつかの欠点もある。
「オープンシェルフでは、お皿やグラスが料理の油分やほこりをかぶってしまう」とグースは言う。
「自宅で料理する人が増えている今、もっと実用的な収納に回帰するのではないかと思う」
オープンシェルフの開放的な雰囲気は好きだが、しょっちゅうほこりを払ったり、片づけたりしなければいけないのは好きではない、という人は、すりガラスのついたキャビネットや、明るい色のキャビネットを選ぶといいだろう。
ベージュの家具は、鮮やかな色にとって代わられるかも
ベージュの家具は、単調になることがある。
Photographee.eu/Shutterstock
ここ数年は、中間色を使うミニマリストのインテリアが流行していた。
しかしグースによれば、そう遠くないうちに、ベージュの大型家具は、エレガントというよりは退屈と見なされるようになるかもしれないという。
「無地のベージュのソファは、もう流行っていない」とグースは話している。
「ベージュのソファは今やいたるところにあるので、クライアントはもっと個性のあるものを求めるようになっている」
サブウェイ・タイルの流行は終わりそう
目地のラインが目立つサブウェイ・タイルは、キッチンやバスルーム用のタイルとして人気を博していた。
Luoxi/Shutterstock
室内装飾ブランド「リビング・スペーシズ(Living Spaces)」のインテリアデザイナー、シェルビー・グリーン(Shelby Greene)はInsiderに対し、純白のサブウェイ・タイルは廃れるだろうと話した。
「サブウェイ・タイルはここしばらく人気だったが、タイルに関してはもっとクリエイティブになる傾向が見られる」と彼女は言う。
ハニカム形や八角形のカラフルなタイルが、モダンなキッチンやバスルームに進出するようになるとグリーンは予想している。
ボタニカルプリントの人気は下降傾向
ここ数年、ボタニカルプリントが脚光を浴びていた。
Photographee.eu/Shutterstock
大胆なボタニカルプリント、とりわけパームツリーの葉を描いたものは、ここ数年に渡り、人気を博してきた。
しかしグリーンによれば、そうしたトロピカルなトレンドは、一点物の装飾品に取って代わられそうだという。
「ボタニカルプリントはあまりにも普及しすぎて、もうユニークとは見なされなくなっている」とグリーンは話す。
「その代わりに、人々は手描きの美術品やプリント写真に惹かれるようになっている」
一方で、2021年に入って、柄物の装飾が注目を浴びている
柄物のチェアやカウチに人気が集まりつつある。
Photographee.eu/Shutterstock
グースによれば、1970年代と80年代にブームになった大胆な柄物のソファ類の人気が復活するかもしれないという。
「2021年に入って、無地のソファ類が廃れていっている」とグースは言う。
「これからのシーズンは、楽しく生き生きとした模様が流行るだろう」
特に2021年前半には、大胆な花柄やヘリンボーン柄が流行しそうだ。
黒のキッチンは、今シーズンの「目玉」
グレーのキッチンは廃れ気味だが、黒のキッチンは流行し始めている。
alexandre zveiger/Shutterstock
インテリアデザイナーのミシェル・ハリソン=マカリスター(Michelle Harrison-McAllister)は、黒のキャビネットと目立つ色の備品が、キッチンのドラマチックな新トレンドになるかもしれないと話している。
「黒は実質的には中間色で、ほかのあらゆる色調とよく合う」とハリソン=マカリスターは言う。
「このトレンドはいわば、あなたの家に『シンプルな黒のドレス』を着せるようなものだ」
キッチンを黒で統一する勇気がない人は、まずは黒のキャビネットドアを選び、このトレンドが自分に向いているかどうかを見極めるといい、とハリソン=マカリスターは勧めている。
大胆な模様の剥がせるタイプの壁紙の流行は続く
壁紙の人気が復活している。
PhotoMavenStock/Shutterstock
2020年には、鮮やかで大胆な模様のシール壁紙の人気が沸騰した。このトレンドは、衰える兆しがまったく見られない。
「貼って剥がせるタイプなら、どんな部屋でも、個性と楽しい要素を追加できる」とハリソン=マカリスターは話す。
「そのうえ、簡単に貼ってはがせるので、好きなときに、好きなように空間をカスタマイズできる」
剥がせるタイプの壁紙は、賃貸住宅にもぴったりだ。また、子どもの年齢とともにスタイルを変える必要がある子ども部屋にも適している。
大地や海にインスパイアされた色調が人気上昇中
青緑色は、今シーズンの壁の流行色になりそうだ。
Photographee.eu/Shutterstock
インテリアデザイナーのリサ・メロン・クルーヘン(Lisa Melone Cloughen)によれば、専門家の間では、緑、金、茶、青といった深みがあり、自然な色合いに人気が集まりつつあるという。
「アースカラーを使うと、とても温かで心安らぐ内装になる」とクルーヘンは言う。
「同じように、深い海のような緑と青は、華麗かつ魅力的な色で、ドラマチックでありながら穏やかな雰囲気をつくりだします」
とくに、今シーズンの壁や装飾に人気の高い色として、クルーヘンは青緑色を挙げている。
磁器のカウンターが大理石や花崗岩を押しのけるかも
最新の磁器のカウンタートップは、とても耐久性が高く、従来の大理石や御影石を使ったカウンターに取って代わる可能性がある。
「磁器カウンターの流行に火がついている」とクルーヘンは話している。「メンテナンスが簡単なうえ、大きくてしっかりとした1枚板として製造できるので、グラウチングで隙間を埋める必要がない」
磁器は耐熱性があるので、IH調理器具をカウンター内に直接設置することができる。さらに、たいていはクォーツや大理石などの素材よりも安い。
安い家具よりも、長もちするつくりの高級家具が人気に
持ち家に住む人は、組み立て家具よりも、長持ちする家具を選ぶようになるかもしれない。
Shutterstock
自宅で過ごす時間が長くなるのにともない、出費における高級家具の優先順位が高くなる、とクルーヘンは予想している。
「安いデスクや椅子を買って、壊れたらすぐに買い替えるのではなく、デザインやつくりといった点で長く使える高品質のアイテムが購入されるようになっている」と彼女は言う。
それだけの余裕のある人なら、組み立て式の家具を処分し、無垢材の家具やハンドメイドの家具に替えれば、長期的な快適さや価値という点で見ると節約になるはずだ。
手間のかかる布地は廃れ、高機能な織物が流行
シルクやベルベットなどの布地はメンテナンスが難しい。
Shutterstock
パンデミックで多くの家庭がオフィスや学校の機能を兼ねるようになっている。そのため、メンテナンスに手間のかかる、シルクやベルベット、ウールなどの布地は廃れつつあるとクルーヘンは話している。
「防水性や透湿性の高い高機能ファブリックの需要が急増している」とクルーヘンは言う。
「自分の家を美しく見せたいが、耐久性の低い、メンテナンスに手間のかかるファブリックに割く時間はない、というわけだ」
こういった高機能ファブリックの多くはナイロン、アクリル、ポリエステルでつくられているが、綿、麻、竹などの天然素材で作られた、より持続可能性の高い選択肢もある。
[原文:Interior designers share 7 trends that are in, and 5 that are out this season]
(翻訳:梅田智世/ガリレオ、編集:Toshihiko Inoue)