エジプトで黄金の舌を持つミイラを発見…死後の世界で神々と会話ができるように

ミイラ

黄金の舌を持つ約2000年前のミイラがエジプトのアレクサンドリアで発見された。

Egyptian Ministry of Tourism and Antiquities

  • 考古学者の調査グループがエジプトのアレクサンドリア近郊にあるタップ・オシリス・マグナ神殿で16基のシャフト墓を発見した。
  • シャフト墓からは約2000年前のミイラが発見された。デスマスクを被せられたミイラなどもある中、うち1体は金で形どられた舌が口の中に収められていた。
  • ミイラ職人は、死者の魂が死後の世界で神と会話ができるように黄金の舌を口に入れたという。

約2000年前、ある古代エジプト人がアレクサンドリア近郊のタップ・オシリス・マグナ神殿に安置された。彼らの臓器は摘出され、体全体がリネンで覆われた。

その中の1体のミイラには栄誉が与えられた。神官とミイラ職人は、このミイラがオシリス(エジプトの死後の世界の支配者)をはじめとする神々と会話ができるように、亡骸の口に金で作られた舌の形のお守りを納めたのだ。

黄金の舌を持つミイラは、アレクサンドリア近郊で最近発見された数え切れないほどのミイラの中から見つかったとエジプト観光省は1月29日に発表した

エジプトとドミニカの考古学者らによる合同調査隊は、タップ・オシリス・マグナ神殿の地下に16基のシャフト墓が発見した。シャフト墓の中のミイラは「保存状態が悪かった」と観光省は説明し、これはグレコ・ローマン期のミイラの特徴であると付け加えた。

一部のミイラには、特別な装飾が施された

ミイラ

エジプトのアレクサンドリアで見つかったデスマスクを被せられた女性のミイラ。

Egyptian Ministry of Tourism and Antiquities

今回の発見で注目されたのは黄金の舌を持つミイラだけではない。

ドミニカの考古学者で調査グループのリーダーでもあるキャサリン・マルチネス(Kathleen Martínez)は、グループが発見した中で最も重要と見られる2体のミイラは装飾されたカルトナージュに覆われていたという。ここで言うカルトナージュとは、古代エジプト人がミイラの全身を覆うために使った、パピルスやリネンでできた覆いだ。

うち1体のミイラのカルトナージュにはオシリスが描かれており、もう1体はいくつものツノがあしらわれた冠と額のコブラ、そしてエジプトの太陽神であるホルスを象徴する鷹の頭のネックレスで飾られていた。この2体のミイラは巻物も一緒に埋葬されており、解読が進められている。

調査チームは他にも、目の部分に覗き穴のあるデスマスクをかぶったミイラを発見した。このデスマスクは死後の世界で死者の魂を守り、また魂が身体に戻る助けにもなるという。

アレクサンドリア考古省のカリード・アボ・エル・ハムド(Khaled Abo El Hamd)局長は、今回の調査で、8つのグレコ・ローマン期の大理石像の頭部も見つかったと明かした。

大理石像

エジプトのタップ・オシリス・マグナ神殿で見つかった大理石像の頭部は、埋葬されたミイラがモデルになっている。

Egyptian Ministry of Tourism and Antiquities

石像の頭部は、神殿に埋葬されたであろう人物に似せて作られたものと考えられている。

タップ・オシリス・マグナ神殿の謎

「オシリスの偉大なる神殿」を意味するタップ・オシリス・マグナ神殿だが、考古学者の注目を集めたのはこれが初めてではない。マルチネスは、紀元前30年頃に死んだとされるエジプト最後の女王で、絶世の美女として名高いクレオパトラもまた、この神殿に埋葬されたと考えている。

クレオパトラ_エリザベス・テイラー

1963年の映画『クレオパトラ』で、女王クレオパトラを演じるエリザベス・テイラー。

20th Century Fox

マルチネスは2020年7月、クレオパトラ時代に埋葬された、金で覆われた2体のミイラを発見した。金で装飾されているのは、この2人が社会的に重要な人物で、女王クレオパトラと交友した可能性があるからだという。マルチネスはさらに、クレオパトラの時代に作られた貨幣を発掘現場で見つけている。

しかし、マルティネスと10年にわたって一緒に仕事をしてきた元エジプト考古相のザヒ・ハワス(Zahi Hawass)によると、クレオパトラがタップ・オシリス・マグナ神殿に埋葬されているという「証拠」はないという。

「クレオパトラは、宮殿の隣に作った墓に埋葬され、その墓は今、海底に沈んでいると私は考えている」とハワスはLive Scienceに語り、「彼女の墓は今後も見つからないだろう」と述べた。

クレオパトラの宮殿は、40年以上前にアレクサンドリア東岸の港の海面下20フィート(約6メートル)の地点で発見されている。

[原文:Archaeologists have discovered an Egyptian mummy buried with a golden tongue

(翻訳:忍足亜輝、編集:Toshihiko Inoue)

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