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「面白おかしくしたいから聞いてるんだろ?」森喜朗氏、謝罪会見で“逆ギレ”も(会見全文)

森喜朗

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗氏は2月4日、自身の女性差別的な発言をめぐり謝罪、発言を撤回した。

Takashi Aoyama / Getty Images

「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などとした発言に国内外で批判が殺到したことを受け、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は2月4日午後、記者会見を開き、日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会での自身の発言を撤回し、謝罪した。責任追及に対して「辞任する考えはありません」と明言した。

森氏は「オリンピック・パラリンピックの精神に反する不適切な発言だった。深く反省している」と述べたものの「(森氏は)女性の話を長いと思っているのか」との質疑には「最近女性の話を聞かないからわかりません」とはぐらかした。

辞任はしないのかとの質問に対し「皆さんが邪魔だと言われれば、老害が粗大ごみになったのかもしれませんから、掃いてもらえばいいんじゃないですか」と言い放つ場面もあった。

以下、記者会見でのやり取りを全文で書き起こしする。なお、不明瞭な箇所は(聞き取れず)とした。


昨日JOCと理事会の後で、私がご挨拶をしました。

それをお聞きの方々、そうおられると思いますので、これ以上詳細なことは申し上げません。いま、皆様にわざわざお集まりいただいて、大変ご心配いただいていることに恐縮をしております。

昨日のJOC評議会での発言につきましては、オリンピック・パラリンピックの精神に反する不適切な表現であったと、このように認識を致しております。そのために、まず深く反省をしております。

そして、発言を致しました件につきましては撤回をしたい。それから、不愉快をされた皆様にはお詫びを申し上げたい。以上であります。

オリンピック・パラリンピックにおいても、男女平等が明確に謳われております。アスリートも運営スタッフも多くの女性が活躍しておりまして、大変感謝をしております。

私どもの組織委員会のことを申し上げたわけではないことは、皆さんもご承知だと思いますので、この組織委員会については、非常に円満にうまくいっていると注釈で挨拶の中で申し上げたことも聞いておられるとも思います。

次の大会まであと半年になりまして、関係者一同、一生懸命頑張っておられます。その中でその責任者の私が、皆さんのお仕事に支障があるようなことになってはいけない。そう考えてお詫びをして、訂正、撤回するということを申し上げたわけであります。

世界のアスリートを受け入れる都民、国民、それからIOC、IPCはじめとする国際的な関係者にとってもオリンピック・パラリンピック精神に基づいた大会が開催できますように、引き続き献身して努力していきたいと、こう思っております。以上です。

—— 幹事社の日本テレビです。今回の発言で国内外から大変な批判が上がっている。会長は辞任しなければならないと考えたか。

ちょっと……僕はね、マスクをされるとよく言葉が聞き取れない。なんと言われましたか。

—— 今回の発言を受けて、国内外の様々なメディアからたくさんの批判。辞任は浮かんだか。

辞任するという考えはありません。私は一生懸命、献身的にお手伝いして7年間やってきたわけですので。自分からどうしようという気持ちはありません。

皆さんが邪魔だと言われれば、おっしゃるとおり、老害が粗大ごみになったのかもしれませんから。そうしたら掃いてもらえればいいんじゃないですか。

—— もう一問。IOCはオリンピックにおける男女平等を掲げている。日本もジェンダーバランスを同じようにしようと努力する中での発言。国内・世界にどう説明するか。

あのー、わかりました。これ以上のことを申し上げても、また誤解が誤解を生むし、必ずしも今までここにいつも来ていた皆さんと違う方もおられて、よくわからないところもある。

私は組織委員会の理事会に出たわけじゃないんですよ。JOCの理事会に評議員という……。僕は評議員だったかな立場は?

——(スタッフ)名誉委員です。

名誉委員という立場だったから、そこで挨拶をしたんだと。

それも、大会の前に挨拶をしてくれというのはプログラムにあったけども、私は正式なあれじゃないから。あとからお礼のつもりでご挨拶しますと言って、一番、終わってから話させてもらったと。私は自分なりに整理をしていたつもりです。

それから……そういうことですよ。ですから、どうも組織委員会の理事会と一緒にしておられる方、特に外国はそれ一緒にされるかもしれないが、それは皆さんの報道の仕方だと思いますが。

JOCの、その、理事会かな、評議員会に出て、私は挨拶をしたということです。

それは一つは、山下さん(山下泰裕JOC会長)が今度の改革は大変大きな改革で、JOCが人事の改革で大変な苦労をして、最初から理事会では相当突き上げを食ったりして、難航しておられると度々相談があったもんですから、ガンバレガンバレと言って、後押しをしてきました。

ですから、山下さんの最初の大きな仕事としては、最も成功してもらわなきゃならんところ。そこが人事のことでしたから、そのことはよくできたと私は評価し、そして山下さんにお礼を申し上げるということを、そこで発言をしていたんです。

ですが、いわゆる政府から来ているガバナンスに対しては、数字のところにこだわると、なかなか運営が難しくなることもありますよという、そういう中で私の知っている理事会の話をちょっと引用して、ああいう発言になったということです。

—— 日刊ゲンダイです。いくつか伺いたい。女性のお話が長いという発言は、ラグビー協会の特定の女性理事を念頭に置いたものではなかったか。

一切頭にありませんし、ラグビー協会の理事会で、誰がどういう人が理事で、誰が話したかっていうのは、私は一切知らない。

—— もう一点。発言について、IOCから真偽の問い合わせ等々あったか。

さあ、私はわかりませんが、まあ職員は毎日毎日、今日もこれから向こうのほうが朝上げると、こっちが夕方その頃からいつも……。えー、会議が始まりますから。そういう話があるのかもしれません。

—— なるほど。森会長のほうから説明する意志は。

そんな必要はないでしょ。いまここでしたんだから。

—— わかりました。

昨日の(聞き取れず)、今日の(聞き取れず)ていうわけじゃないでしょ。皆さん打たれればわかるじゃないですか。

—— 会長はずっと……。

ちょっと悪い……取ってくれ。聞こえないんだよ…。うん……、しゃべるときだけでいいですから(質問者にマスクを外すよう要請)

—— TBSのジョウジマです。会長は、国民から理解を得られる大会の開催をと、ずっとおっしゃってきた。だが、オリンピックの理念に反する発言だったと思う。ご自身が責任を取らないことが開催への批判を強めないか。

はい。ご心配いただいたということであれば、ありがとうございます。でもしかし今あなたがおっしゃるとおりのことを最初に申しあげたじゃないですか。誤解を生んではいけないので撤回しますと申し上げた。オリンピック精神に反すると思うからと、そう申し上げた。

—— もう一点。女性登用について基本的な……。

え?

—— 女性登用について会長の基本的な考え方は。会長はそもそも多様性のある社会を求めているというわけではなく、文科省がうるさいから、登用の規定が定められているという認識か。

いや、そういう認識ではありません。女性と男性しかいないんですから。もちろん両性っていうのもありますけどね。

どなたが選ばれたって良いと思いますが、あまり僕は数字にこだわって、何名までにしなきゃいけないというのは、一つの標準でしょうけど、それにあんまりこだわって無理なことはなさらないほうが良いなということを言いたかったわけです。

—— 昨日の「文科省がうるさいから」というのは、数字がということでしょうか。

うるさいからっていうのは(聞き取れず)、そういうガバナンスが示されて、みんなそれを守るために皆さん大変苦労しておられるようです。

私は今もう、どこの連盟にも……関係をしておりませんのでね。ただ、いろいろな話は入ってきますから。そんな話を総括して、会の運営は難しいですよと山下さんに昨日申し上げたんです。

—— NHKのイマイです。

よくわかっています。

——女性をめぐる発言ではないが、昨日聖火リレーで愛知県で走る予定だったロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが、会長の直近の発言で「何があってもオリンピックをやる」ということを「理解不能だ」と解釈されて、聖火ランナーを辞退された。どう受け止めているか。

まあ、なんか、昨日のこととあわせて報道されたんでしょうが、これは昨日の会合(のこと)じゃないと思いますよ。

昨日でしょう、自民党の会合で。その時にリレーについての削減はどうなっているか質問があったから、まあ我々直接やるものじゃないが、各県がやっている実行委員会にお願いをしていて、基本的には密を避けてやってほしいと言っておるんだと。

その中で、例えば人気のあるタレントさんは、できるだけ人がたくさん集まってくるところはご遠慮していただくようになったほうがいいかなというふうに私は思っていると。

それを指示したとか、そういうあれを、どこから誰が走るかとか、何キロ走るかというのは、僕らが決めることじゃないんで、実行委員会が作られていることですから。

県に言えることは、できるだけ密を避けてくださいと。要は、密とは何だといえば、ファンにわーっと集まってくる。ですからね、タレントさんが来ればみんな集まってくる。

そうすると密になるからそれをどう避けられるだろうか、という話の例で、国会議員がたくさんおられますから、皆さん、じゃあ何にもないところって言ったら、田んぼで走るしかないねと。

やっぱり田んぼに土足で(そのまま?)入ったりすれば、作業前ですから、農作業に迷惑かけたりするねと。しかし、空が空いてるから、空気がこもらないし、それしかないですねと。

そういう意見もありますということを紹介しただけで、組織委員会がそういうことするといったわけでもない。それもこれも、実行委員会でお考え頂き、ご検討いただき、決めていただきたいと申し上げた。その例として申し上げただけ。

—— 著名人ランナーには引き続き走ってもらいたいという考えに変わりは。

私は走ってくださいとも走ってくださるなとも言う立場じゃありません。お決めいただいた方たちは所定の手続きをされて、こちらに持ってこられると思います。私は見たことない。誰が走るか、全然、一切知りません。

——毎日放送のミサワです。 基本的な認識として、会長は女性が話が長いと思っているのか。

最近女性の話聞かないからあんまりわかりません。

—— 今日、小池知事が会見で話しが長いのは「人によります」と……。

私も長い方です。はい。

—— もう一問。会長、国会議員の間でもクオータ制、女性の割合をあらかじめ決めておこうと言う話が盛り上がっているが……。

それは民意が決めることじゃないですか。

——ご自身はクオータ制に反対、賛成は。

反対も賛成もありません。(聞き取れず)国民が決めることだと思います。

—— TBSラジオのサワダです。いくつか伺わせてください。

いくつかじゃなくて一つにしてください。

—— 冒頭、「誤解を招く表現」「不適切だった」と発言があったが、どこがどう不適切だったと考えるか。

はい。えー……男女の区別するような発言をしたということですね。

—— オリンピック精神に反するという話もされたが、そういう方が組織委員会の会長であるのは適任なのか。

あなたはどう思いますか。

—— 私は適任ではないと思う。

じゃあ、そういう風に承っておきます。

—— 会長としての発言ではないので、責任が問われないという趣旨のことも……。

責任が問われないとは言ってませんよ。場所をわきまえて、ちゃんと話したつもりです。はい。

—— 組織としての場じゃないから、あの発言は良かったと?

そうじゃありませんよ。だから組織委員会とっても良かったと私は言ったんですよ。ちゃんとみんな全部観てから質問してください。昨日の。

—— あと「わきまえる」という表現を使われていたが、女性は発言を控える立場だと?

そういうことでもありません。

—— では、なぜああいう発言を?

場所だとか 時間だとか、テーマだとか、そういうものに合わせた話していくことが大事なんじゃないですか。

—— それは女性と限る必要はあったのか。

だから私も含めてって言ったじゃないですか。

—— その前段の段階で……。

そういう話はもう聞きたくない。

—— (司会)冒頭、発言の内容に関しては明示的に会長から……。

面白おかしくしたいから聞いてるんだろ?

—— 何を問題と思っているか聞きたいから聞いているんです。

だからさっきから話しているとおりです。

——ハフポストのハマダです。「女性が多いと時間が長くなる」という発言を誤解と表現したが、これは誤った認識だったとうことではないか。

そういう風に聞いておるんです。去年からですね、一連のガバナンスに基づいて各協会や連盟は人事に非常に皆さん苦労されていたようです。

私は昔は全体を統括する会長、今のスポーツ協会の会長をしておりましたから、その団体の皆さんと親しくしております。そういう皆さんたちは色々相談にも来られます。その時に、やっぱりなかなか大変なんですということでした。

率直に山下さんのときは、JOCの理事会の理事をかなり削って女性の枠を増やさないといけないと大変苦労したと言っておられて、理事の中でも反対があったり大変だったのを、なんとかここまでこぎ着けましたという苦労話を聞きましたから……

—— ということは、各競技団体から「女性が多いと話が長い」という話が上がってると、そういう話を聞いたということですか。

まあ、そういう話はよく聞きます。

—— たとえばどういう競技団体か。

それは言えません。

—— データや根拠がある発言とは思えない。

さあ、僕はそういうことを言う人がどういう根拠でおっしゃったかはわかりませんけど。

まあ、自分たちが、要するに理事をたくさん選んだけど結果としていろんなことがあったという、そんな話を私が聞いたことを思い出して言っているんで、昨日山下さんにそういうことでこれから苦労されますよと、申し上げた。

—— 今回の発言で皆さん怒っている。東京五輪を運営するトップが女性を尊重しない発言をしている。森さんの五輪を見たくないという声もネットにある。どう受け止めるか。

いやだから、謙虚に受け止めております。だから、撤回させていただきますと言っているんです。

—— (司会)発言に関してはすでに冒頭、会長から申し上げたとおりになります。以上で記者会見を終了させていただきます。



オリンピック憲章「いかなる種類の差別も受けることなく…」

オリンピック憲章では、オリンピズムの根本原則の中にこう記されている。

6.このオリンピック憲章の定める権利および自由は人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、 政治的またはその他の意見、 国あるいは社会的な出身、 財産、 出自やその他の身分など の理由による、 いかなる種類の差別も受けることなく、 確実に享受されなければならない。

また、同憲章ではIOCはその使命と役割について、以下のように定めている。

8.男女平等の原則を実践するため、 あらゆるレベルと組織において、 スポーツにおける女性の地位向上を促進し支援する。

(文・吉川慧、西山里緒)

【UPDATE】オリンピック憲章について追記しました(2021/02/04 17:49)

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