「Qアノンのシャーマン」ことジェイク・アンジェリ(右)はワシントンD.C.の留置場でオーガニック食品を食べることができるようになった。左は「ニュートラローフ」。
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- 裁判官は、ワシントンD.C.の刑務所に対し「Qアノンのシャーマン」ことジェイク・アンジェリにオーガニック食品を食べさせるよう命じた。
- アンジェリは、信仰上の理由で通常の留置場の食事を摂ることを拒否し、1週間で約9kg痩せたと言われている。
- アメリカの留置場や刑務所の悪名高い食事を拒否したのは、アンジェリだけではない。
「Qシャーマン」として知られる極右陰謀論者のジェイク・アンジェリ(Jake Angeli)はオーガニック食品しか口にしないことから、ワシントンD.C.の留置場で1週間にわたって食事を摂らず、約9kg痩せたと弁護士が語っている
2021年1月6日、連邦議会議事堂で「フリーダム」と叫ぶアンジェリ。
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1月9日の司法省の発表によると、1月6日に議会議事堂を襲撃したアンジェリは、治安を乱すような行為や暴力的な不法侵入、議事堂内での違法な滞在によって起訴された。
アンジェリは「極度に厳格な食事制限」のため、留置場で提供された食事を拒否した。
だが「彼の実践する厳格なオーガニック食に沿った食事」をできるようになるだろうと、アリゾナ州地区の連邦保安官デビッド・ゴンザレス(David Gonzales)がABC15に語った。
Insiderがすでに報じたように、アンジェリは1月下旬にワシントンD.C.の留置場に移送され、そこでオーガニック食品を要求したが、最初は拒否された。
彼の弁護士は、アンジェリがオーガニックではない食事を拒否し、1週間で約9kg痩せたと、法廷への提出書類で述べている。
ロイス・C・ランバース(Royce C. Lamberth)裁判官は、アンジェリにオーガニック食品を与えるよう留置場に命じたと、Insiderが2月3日に報じた。
とはいえ、アメリカの受刑者の大半が、同様の食事をできるとは考えにくい。刑務所は食費を節約しようとしており、オーガニック食品は高価なため、あまり多くのオーガニックな食事が提供されることはないだろう。
実際、アメリカの留置場や刑務所は、食事がひどいことで知られている。
そんなひどい食事を拒否した囚人は、アンジェリが初めてではない
カリフォルニアの州立刑務所での待遇改善を求めてハンガーストライキを行った囚人をサポートするために、2011年8月1日にロスアンゼルスで行われた集会に参加する女性。
Lucy Nicholson/Reuters
Reuters
アメリカの留置場や刑務所は、地方自治体、州、連邦政府のいずれかが運営していて、施設によって食事の内容も違うと、9 Newsが報じている
2013年、カリフォルニア州サン・ルイス・オビスポの刑務所で朝食を摂る囚人。
Photo by Andrew Burton/Getty Images
Source: 9 News
連邦刑務所局によると、アメリカの刑務所では、2020年には、シリアル、果物、パン、小袋入り砂糖などが朝食として提供されていた
2015年にカリフォルニア州アナハイム警察署の留置場で提供されたライスクリスピー、ピーナッツバターの朝食パック。
Jeff Gritchen/Digital First Media/Orange County Register via Getty Images
Source: Federal Bureau of Prisons National Menu
刑務所での昼食は、パン、果物、野菜に、豆などのタンパク質が定番となっている
2013年、カリフォルニア州のアデラント拘留施設に拘禁された移民の昼食。
John Moore/Getty Images
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アメリカの刑事司法に特化した非営利の報道機関「マーシャル・プロジェクト」が2015年に報じたところによると、囚人の食事代が1食1ドル以下の刑務所もあるという
2014年、コロラド州のボルダー郡刑務所での昼食風景。
Paul Aiken/Digital First Media/Boulder Daily Camera via Getty Images
Source: The Marshall Project
あまりにもうんざりするようなメニューだと、食べない囚人もいる
2015年、コロラド州のボルダー郡刑務所で昼食を準備をする保安官。
Paul Aiken/Digital First Media/Boulder Daily Camera via Getty Images
Source: Insider
A&Eのドキュメンタリー『60デイズ・イン〜刑務所潜入60日〜』で囚人として刑務所に潜入したバーバラは、夕食で提供される豆があまりにも「食べられない」ものだったため、夕食を食べずに、翌日の朝食まで空腹に耐えていたと、以前Insiderに語った
2013年、カリフォルニア州のアデラント拘留施設に拘禁された移民たちの昼食風景。
John Moore/Getty Images
Source: Insider
もう1人の潜入者タミは、刑務所の食事を「憂鬱にさせるもの」と表現した
2017年、カリフォルニア州オレンジ郡のテオ・レイシー施設で提供された食事。ボローニャソーセージ、パン2枚、マヨネーズ、リンゴ1個、ニンジン、クラッカー。
Jeff Gritchen/Digital First Media/Orange County Register via Getty Images
Source: Insider
刑務所の食事は不味いだけでなく、囚人を病気にすることがあるという報告もある
2013年、カリフォルニア州のアデラント拘置施設で「独房」に拘禁された移民に昼食を提供する看守。
John Moore/Getty Images
Source: American Public Health Association
アメリカ疾病予防管理センターの調査によると、1998年から2014年の間、囚人は食べ物に関連した病気で苦しむ者が、一般の人々よりも6.4倍多かった
2013年、アリゾナ州フェニックスのマリコパ郡テントシティ留置場で提供された朝食。
John Moore/Getty Images
Source: American Public Health Association
「ニュートラローフ」はあまりにも不味いため、罰として囚人に与えることがあるという
バーモント州の刑務所で作られた「ニュートラローフ」には、パン、乳成分不使用のチーズ、生のニンジン、ほうれん草、レーズン、豆、植物油、トマトペースト、粉ミルク、ポテトフレークが入っている。
レンガのような形の「ニュートラローフ」は、トマトペースト、ポテトフレーク、豆などから作られるのが一般的だと、以前Insiderが報じた。
このひどい食事は、提供することが禁じられている州がわずかながらあるものの、2017年に入ってからも、フロリダ州やオレゴン州などではまだ提供されていると、WUFTやFox12 Oregonが報じていた。
アメリカの刑務所には、このようなひどい食事を含めた惨状に抗議するために、ハンガーストライキを行う囚人もいる
カリフォルニアの州立刑務所での待遇改善を求めてハンガーストライキを行った囚人をサポートするために、2011年8月1日にロサンゼルスで行われた集会に参加する人々。
REUTERS/Lucy Nicholson
Source: The Guardian
アメリカの刑務所の食事は、最悪の学校給食のように見えるかもしれないが…
2013年、カリフォルニア州のアデラント拘置施設で「独房」に拘禁された移民に提供される昼食。
John Moore/Getty Images
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…ずっといい食事を提供する国もある
2015年、イタリアの刑務所内のベーカリーで働く囚人。
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Source: Reuters
ロイターの2014年の報道によると、イタリアのある刑務所には施設内にベーカリーがあり、伝統的なクリスマスケーキであるパネトーネなどを囚人が作っている
イタリアの刑務所内にあるベーカリーで、パネトーネが作られている。2014年撮影。
REUTERS/Alessandro Bianchi
Source: Reuters
ドイツの刑務所では、囚人が職業教育プログラムから得た賃金で生鮮食品を購入し、共同のキッチンでそれらを調理することもできると、2015年のニューヨーク・タイムズのオピニオン欄で紹介された
2008年、ドイツのイーザーローン刑務所の独房で昼食を摂る囚人。
Christof Koepsel/Getty Images
Source: The New York Times
『囚われし者たちの国――世界の刑務所に正義を訪ねて(Incarceration Nations: A Journey to Justice in Prisons Around the World)』の中で、著者のバズ・ドライジンガー(Baz Dreisinger)は、ノルウェーの刑務所には、敷地内に自然保護区があり、そこで囚人のための食料の25%が栽培されていると報告している
ノルウェー南東部にあるハルデン刑務所の全景。2010年撮影。
REUTERS/Trond A. Isaksen
Source: Business Insider
拘留中のアンジェリに用意されるオーガニックな食事がどのようなものかは分からないが、「ニュートラローフ」ではないだろう
ジェイク・アンジェリは、2021年1月6日に数百人のトランプ元大統領の支持者とともに議会議事堂を襲撃したことで拘留された。
Win McNamee/ Staff/ Getty Images
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[原文:What prison food in the US really looks like, and why some inmates refuse to eat it]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)