退任発表のベゾスが従業員に贈った書簡をハーバード教授が分析。「わずか619語にリーダー発信の3要素が凝縮」

アマゾンは2月2日、ジェフ・ベゾスが2021年第3四半期にCEOを退任すると発表した。ベゾスは会長に就任し、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のトップ、アンディ・ジャシーがベゾスの後を継いでCEOとなる。

ベゾスは同日、従業員に向けて書簡を発表。自身のCEO退任・会長就任がアマゾンにとってどんな意味を持つか、詳細を述べた(全文は本稿の末尾に掲載)。アマゾンはコメントを差し控えるとしている。

27年前に自宅車庫で創業したアマゾンが、今や1.67兆ドル(約173兆円)規模のテック大手となったことを考えるとさぞや感傷的な内容なのではと思いきや、特にそういう書簡ではない(ベゾスは書簡の中で、「一番よく聞かれた質問は『インターネットって何?』でした」と書いている)。

本稿では、アマゾンの成長戦略に関するケーススタディを執筆したハーバード・ビジネススクールのスニル・グプタ教授に書簡を読み解いてもらった。

グプタ教授はベゾスの書簡について、全体的に強力で、他のリーダーの手本になると評価。特に、CEOがメッセージを発する際に極めて重要な3点が盛り込まれていると説明している。

1. 「ここで働く意味」を従業員に思い出させている

「ベゾス氏は、アマゾンの価値観を反映しています」とグプタ教授は述べる。さらに、誰もがよりよい生活を送れるよう尽力する姿勢を、書簡の中で示している。

ベゾスはこう書いている。「私は会長として、アマゾンの重要な取り組みに参加し続けますが、Day1ファンド、ベゾス・アース・ファンド、ブルー・オリジン、ワシントン・ポスト、その他の仕事に集中するために必要な時間とエネルギーも得ることができます」

Day1ファンドとは、ホームレスの家族や教育を支援する慈善活動プログラム。ベゾス・アース・ファンドは気候変動に取り組んでおり、ブルー・オリジンは航空宇宙企業だ。言い換えれば、人類の未来が危険にさらされている分野で、ベゾスは問題に取り組んでいる。

ブルーオリジン

ベゾスは地球の資源枯渇問題の解決策として、宇宙にある無限の資源に目を向けた。彼が設立したブルー・オリジンは、宇宙への輸送をより低価格、安全にすることを目標としている(2017年、スペースシンポジウムで自社のロケットとカプセルの説明をするベゾス)。

REUTERS/Rex Curry

こうした取り組みはアマゾンと直接的な関連はないが、ベゾス自身が資金(と時間)を投じている。2019年には、アマゾンを2040年までにカーボン・ニュートラルにすると宣言しており、今回の書簡でもこの点に言及している。

このようなメッセージの発信は、従業員に目的意識を芽生えさせ、「そもそもなぜアマゾンで働いているのか」を思い出させるとグプタ教授は言う。ここで示されるビジネスケースは強力だ。研究によると、日常業務に対する職責をより広い使命に結び付けることができる人は、仕事に積極的に取り組み、経営者にとってもよい働きをすることが示唆されている。

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