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27年前、アマゾンが最初に出した求人広告には、ジェフ・ベゾスの思想が現れていた

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アマゾンのCEO、ジェフ・ベゾスは常にスピードを重視している。

REUTERS/Katherine Taylor

  • 27年前、アマゾンは初めて求人広告を出した。
  • それはジェフ・ベゾスのスピードへのこだわりについて教えてくれる。
  • ベゾスがCEOを退任した後も、彼の後継者であるアンディ・ジャシーはおそらくこれを続けるだろう。

アマゾン(Amazon)は「顧客第一主義」を信奉しているかもしれないが、実はほかにもお題目はある。「スピード」だ。

アマゾンのブランド・アイデンティティは、可能な限り早く小包を顧客に届けることだ。CEOのジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)は2月2日、会長退くことを発表したが、この方針が変わることはなさそうだ。

第3四半期にCEOに就任するアマゾン・ウェブ・サービスの責任者、アンディ・ジャシー(Andy Jassy)は、2日深夜に送った従業員へのメモの中で、スピードについて言及した。ジャシーは、「常にスピーディーで卓越した配送」の重要性は、同社での24年間でベゾスから学んだ重要な教訓の一つだと述べている。

スピードアップは、顧客の利便性のために常にスピードを指針としてきた企業にとって論理的な進化の方向であり、この哲学は、27年前にアマゾンを設立した後、ジェフ・ベゾスが最初に出した求人広告にも現れている。

ベゾスは2019年のインスタグラム(Instagram)への投稿で、1994年8月23日の最初の求人広告について振り返っている。

25年前の今日、最初の求人広告を出した。まだアマゾンという名前も決まっていなかった頃だ。昨日のことのように感じる。

この広告は、ベゾスが求める複雑なシステムを「有能な人が可能であると考える1/3の時間で」構築し、維持することができるコンピューター・プログラマーを募集したものだ。

他の企業よりも速く、優れたことをすることで、アマゾンは世界で最も強力な企業の1つになり、ベゾスは地球上で最も裕福な男になった(2021年1月にテスラのイーロン・マスクに抜かれるまでは)。これが彼を突き動かす倫理観であり、それ以外はアマゾンの死を意味すると考えているのだ。

ベゾスのスピードへのこだわりは、アマゾンの中で広く愛されているとは言い難い。アマゾンの労働条件に関する数多くの報道では、「レート」(倉庫従業員が1時間で処理しなければならないアイテム数を表す同社の用語)を維持するために直面する強烈なプレッシャーが語られている。

パンデミックでアマゾンの従業員は爆発的に増大した。2020年1月から10月までに42万7300人の従業員が新規採用されている。一方で、アラバマ州の同社倉庫では、史上初の組合が設立されるかもしれない。同社は倉庫のトイレに組合反対の看板を掲げてこれを抑えようとしている。

ジャシーがベゾスの後を継いでスピードアップを続ければ、労働者からの圧力に直面する可能性が高い。1月のInsiderの調査では、アマゾンの労働者の40%以上が組合に入りたいと考えていることがわかった。

調査会社CCSインサイトのエンタープライズリサーチ担当上級バイスプレジデントのニコラス・マクワイアー(Nicholas McQuire)がInsiderに語ったところによると、ジャシーが直面している最大の障害は、規制当局の監視強化に加えて、労働者の積極的な行動だという。

「ベゾスはインターネットビジネスの青写真を作った。それは急速なイノベーション、巨大なスケール、顧客第一主義だ。そして、地球上でアンディ・ジャシー以外に、この成長率の高い革新的なビジネスを管理するDNAを持つ人はいない」とマクワイアーは述べた。

[原文:A single line from Jeff Bezos' first Amazon job ad, posted 27 years ago, tells you everything about his obsession with speed

(翻訳、編集:Toshihiko Inoue)

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