愛する娘のために! 1人の父親がトランスジェンダーの女の子向けのアパレル「ルビーズ」を立ち上げた

ジェイミー・アレクサンダー

「ルビーズ」を立ち上げたジェイミー・アレクサンダーさん(右)。

Jamie Alexander

  • ジェイミー・アレクサンダー(Jamie Alexander)さんは2020年、トランスジェンダーの女の子のためのアパレルブランド「ルビーズ(Rubies)」を立ち上げた。
  • そのきっかけとなったのは、9歳でトランジション(性別移行)した娘のルビー(Ruby)さんだ。
  • ルビーズでは、トランスジェンダーの子どもや10代の若い世代が安心して着られるようなスイムウェアなどを販売している。

カナダのトロント在住のジェイミー・アクレサンダーさんは、トランスジェンダーの女の子のためのスイムウェアブランドを立ち上げた。そのきっかけとなったのは、娘のルビーさんだった。

ジェイミーさんは現在12歳になる娘が、自分にしっくりくる水着を見つけるのに何年も苦労しているのを見てきた。9歳で性別移行したルビーさんは、一般的な水着の代わりにボードショーツやスウェットパンツを着用することが多かったが、11歳の時にビキニを着ることに関心を示したと、ジェイミーさんはInsiderに語った。

ところが、トランスジェンダーの子どもやティーンエイジャー向けにデザインされた、からだにぴったりフィットする服や水着の選択肢は少なく、それなら自分で作ろうとジェイミーさんは決めたという。

数カ月に及ぶ調査とトランスジェンダーの子どもを持つ他の親たちとの話し合いを経て、ジェイミーさんは2020年2月、ルビーズを立ち上げた。ブランド名は娘にちなんで付けたものだ。

「わたしの娘のシスジェンダー(編集注:生まれたときに割り当てられた性別と性自認が一致していて、それに従って生きている人)の友人たちが着ているのと同じような感覚、同じような見た目の服をデザインしたかったんです」とジェイミーさんはInsiderに語った。

ルビーズの最初の製品は「ルビー・シェイピング・ビキニ・ボトム」(44ドル、約4600円)だった。

サイズはキッズの4~24を用意し、商品説明には「コンプレッション・スパンデックスとメッシュ」で作られていると書かれている。デザイン上、「タック(縫いひだ)を付ける必要はない」という。

ボトムス

「ルビー・シェイピング・ビキニ・ボトム」。色はブラックとピンクがある。

Jamie Alexander

ビキニボトムに加えて、ルビーズではワンピースの水着(51ドル)も販売している。こちらにもビキニのボトムスと同じコンプレッション素材が使われている。

ジェイミーさんは最初の製品を売り始める前に、トランスジェンダーの子を持つ他の家庭にどんな服を自分たちの子どもに買ってあげたいと思うか聞いて回ったと、2019年のInsiderの取材で語っていた。

当時、ジェイミーさんは多くのトランスジェンダーの子どもたちがルビーズのビキニボトムの試作品を下着として身に着けていることを知った。これがのちに「シェイピング・アンダーウェア」(25ドル)の開発につながったという。

トランスジェンダーの活動家ジャズ・ジェニングス(Jazz Jennings)さんとともに、子ども向けの本『I Am Jazz』を書いたジェシカ・ハーテル(Jessica Herthel)さんは、ルビーズのようなアパレルブランドがトランスジェンダーの子どもやその家族に与えるポジティブな影響について『Today』に語った。

「トランスジェンダーやジェンダー・クリエイティブな子どもたちにとって、ルビーズのスイムウェアのようなアイテムは考え方を根本から変え得るものなのです」とハーテルさんは指摘した。

「大半の人々が当たり前にやっていることができる —— 例えば、周りからジロジロ見られたり、いじめられたり、標的にされることなく泳ぎに行ける —— というのは、子どもに正常感や帰属感を与えるでしょう」

娘と協力し、さらなるソリューションを

ジェイミーさんは、ルビーズの今後の展開において娘のルビーさんが積極的な役割を果たしていくだろうと話している。ルビーさんはサンプルのモデルを務めたり、フィードバックをしたり、商品として販売する前に全てのアイテムに承認を与えるという。

ルビーズのアイテムが顧客に与えてきた影響を、ジェイミーさんは誇りに思っているとInsiderに語った。

「ルビーズを着ることでこうした子どもたちが安心して自分の活動に戻ることができていると分かって —— 多くの子どもたちがレギンスの下にルビーズを履いています —— わたしはそれをとても誇りに思っています」

※ルビーズの詳細は、インスタグラムで。

[原文:A dad started a swimwear and clothing line for transgender girls inspired by his daughter

(翻訳、編集:山口佳美)

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み