Crystal Cox/ Insider
もしあなたが仕事上、1日に数時間座ったままの体勢でいるなら、デスクでやるストレッチやエクササイズがからだの凝りをほぐし、活動的でいる助けになるかもしれない。
「途中で立ち上がったり、こまめに休憩を取って足を伸ばしたり、からだを動かすことが非常に重要です」とACE認定のフィットネス・トレーナー、ミンディ・ペダーセン(Mindy Pedersen)さんは言う。アメリカ心臓協会(AHA)では、デスクワークをしている人は少なくとも1時間に5分、もしくは2時間に10分は椅子から立って動き回るようアドバイスしている。短時間でも活動的な休憩を取ることで、引き締まったウエストや健康づくりにつながるという。
デスクに座りながら、またはその場で立ち上がってできるストレッチとエクササイズをいくつか紹介しよう。
※実際にやる時は周りを確認し、怪我などしないように十分気を付けてください。
なぜデスクでエクササイズすべきなのか?
平均的なアメリカ人は、1日に8時間近く座っている。「理想としては、座っている時間はトータルで1日4時間以内にすべきです」とペダーセンさんは話している。メイヨー・クリニックによると、座り過ぎは肥満や高血圧、高コレステロール、高血糖、がんといった健康問題につながる恐れがあるという。
これまでの研究で分かっていること:2009年のある研究では、長時間座っていると循環器疾患などさまざまな病気による死亡リスクが高まることが分かった。からだをよく動かす人でも、日々あまりにも座っている時間が長いとリスクがあるという。
デスクで行うエクササイズは、座り過ぎの影響に対抗する助けになるだろう。2020年のある研究では、短時間のエクササイズを1日に複数回行うことが、血圧や心拍の改善に役立つことが分かった。10分のエクササイズを3回やることで得られる効果は、30~60分のエクササイズを1回やるのとほぼ同じだという。
「エクササイズを1時間単位でやる必要はありません。1日に複数回、1回に10~15分でも心拍を上げることで、1時間のワークアウトに参加するのと同じような効果があります。1つ1つの動きが大切です。動き続けましょう」とペダーセンさんは話している。
デスクでできるエクササイズのタイプがこちら:
- ストレッチ:からだの凝りをほぐし、首や肩の痛みを和らげる助けになる。
- 有酸素運動:心臓や肺、筋肉を強化するタイプのエクササイズ。カロリーを燃やし、体重を減らす助けにもなる。
- 筋力トレーニング:筋肉を鍛え、代謝を上げ、骨の健康を向上させる助けになる。
仕事の日も活動的でいるためのデスク・エクササイズ
からだを鍛え、活動的でいるためにデスクでできるエクササイズがこちら:
- シーテッド・チェア・レイズ
シーテッド・チェア・レイズは、腕とコアを鍛えるエクササイズだ。
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- 椅子に座り、椅子の上で足を交差させる。
- 腕をアームレストに乗せ、コアマッスルを締めて、からだを椅子から数センチ浮かせる。
- このポジションを10~20秒維持したら30秒休む。
- これを5回繰り返す。
- シーテッド・レッグ・レイズ
シーテッド・レッグ・レイズは、コアと下半身を鍛えるエクササイズだ。
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- 椅子に座り、片方の足を前に真っ直ぐ伸ばす
- このポジションを2秒維持。
- 続いて、できるだけ高く足を上げ、そのまま2秒維持。
- これを左右15回ずつ繰り返す。
- インビジブル・チェア・シット
インビジブル・チェア・シットは、複数の筋肉を同時に鍛えられるスクワットのようなエクササイズだ。
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- 椅子の高さをできるだけ低くする。
- 椅子の前に立ち、足を腰幅に開く。
- スクワットでお尻が椅子の座面ギリギリになるまでしゃがんだら、そのままゆっくり座る。
- これを20回繰り返す(できる人はこれを片足でやってみよう)。
- デスク・プッシュアップ
デスク・プッシュアップは腕立て伏せを応用した、上半身を鍛えるエクササイズだ。
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- デスクから1メートルほど離れて立つ。
- 足を揃えてからだを前に倒す。腕は肩幅に開き、手はデスクの端に置く。
- デスクに向かって胸を下ろし、息を吐きながらからだを元の位置へ戻す。
- これを20回繰り返す。
デスクでできるストレッチ
血行を改善し、からだの凝りをほぐすために、デスクでできるストレッチがこちら:
- 首を回す
頭と首の緊張をほぐそう。
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あごを引き、ゆっくりと首を回す(時計回りに10回、反時計回りに10回)。
- 肩を回す
肩回りの緊張をほぐそう。
Crystal Cox,
肩を前後に回す(それぞれ10回ずつ)。
- 手首を回す
手首を回すことで血流を改善し、手根管症候群を予防しよう。仕事で長時間タイピングをする人には特にオススメだ。
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腕を前に伸ばし、手首を回す。一方向に回したら、次は反対方向に回そう(時計回りに10回、反時計回りに10回)。
- 足首を回す
足首を回すことで血流を改善し、血栓ができるのを防ごう。
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足首を回す。一方向に回したら、次は反対方向に回そう(時計回りに10回、反時計回りに10回)。
もっとアクティブに働きたいなら……
デスクをルームランナーの上に配置したり、会議に歩きながら参加することで、有酸素運動を取り入れることもできる。自宅で仕事をしているなら、休憩中にジャンピングジャックをやったり、音楽をかけて10分ほど踊ることで良い有酸素運動になると、ペダーセンさんはアドバイスしている。
デスクをスタンディングデスクに変えるのも選択肢だ。カロリーを燃やし、姿勢を改善する助けにもなるだろう。高さが調整できるデスクを選べば、1日中立ち続ける必要もない。今あるデスクの上に高さを足して使うのもいいだろう。
座る時は、人間工学的な観点からデザインされた椅子やバランスボールを使ってみよう。
まとめ
1日中、座りっぱなしでいるのは健康に良くない。ペダーセンさんは、日々の生活の中にデスクから離れ、からだを動かしたり、ストレッチをする休憩を頻繁に取り入れることが重要だと話している。
「定期的に立ち上がって動くことを確実にする手軽な方法の1つは、携帯電話のアラームを1時間に1度セットすることです。アラームが鳴ったら、立ち上がって、ストレッチをして、歩きましょう。ちょっとしたエクササイズをやりましょう」とペダーセンさんはアドバイスする。
「この新しい習慣によって、徐々にあなたの生産性や仕事への集中力は高まり、気持ちもポジティブになり、1日を気分良く過ごすことができるようになるでしょう」
[原文:8 desk exercises to help you stay fit at work]
(翻訳、編集:山口佳美)