コロナ禍が私たちの日常を変え、新しい環境への適応を迫る中、テクノロジー・カンファレンス「TOA ワールド・ショーケース2021」が開催される。2月15日(月)〜16日(火)の2日間にわたりオンラインで実施。「Re-Inventing Everyday -日常を再発明する-」をテーマに、国内外の「イノベーション」の実践者とともに、2021以降の世界、社会がどう変革していくのか議論し、参加者とともに思考を深めていく。
TOA(Tech Open Air)は2012年から始まったベルリン発のテクノロジー・カンファレンスで、いまや「欧州のSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)」と称されるまでに発展している。日本では2017年からスピンオフとして、「TOAワールドツアー」を開催してきた。
2021年の TOAで注目のテーマは以下の通りだ。
- New Livelihood 新しい生活:コミュニティ、街並、文化を再発明するには
- Unified Experience 融合型エクペリエンス:新しい時代のバーチャル市場の可能性
- Distributed Learning 分散化型学習:テクノロジーだけではない、学び全体の再構築が必要な理由
- Regenerative Society 再生型の社会:持続可能、循環型、再生型の社会へ
- The Momentum of a Transformation 新たな時代への移行:日本のイノベーションは、地域の課題解決と大企業のトランスフォーメーションにあり
2021年のTOA、注目のセッションは?
2021年のTOAワールド・ショーケースで注目したいのは「サーキュラーエコノミー」に関する3つのセッションだ。
キーノートには小泉進次郎環境大臣 兼 内閣府特命担当大臣(原子力防災)が登壇。『次のムーンショットは再生型社会の実現。サーキュラー・エコノミーへの転換により、ビジネスの前提が変わる』と題し、ファッションや食など日本においてサーキュラーエコノミーの可能性を秘めている分野や、国としてのサーキュラーエコノミー実現に向けた取り組み、Z世代への働きかけ、また日本企業へのメッセージを発信してもらう。
また、サーキュラーエコノミー実現のためには既存の価値観や社会構造から脱却して「転換(イノベーション)」を起こすことが必要だ。ここでは日本で先駆者としてサーキュラーエコノミーに取り組む企業が登壇、「転換」をキーワードに、それぞれの取り組み、そこから生まれたイノベーションについて語る。
■『The Moment of New Transformation -Innovating the Circular Economy- 今そこにある大転換、サーキュラーエコノミーをイノベートする』
稲継明宏(株式会社ブリヂストン)×田原純香(株式会社メルカリ)×間内賢(みんな電力株式会社)
■『The First and only Circular denim brand in the World 世界初、唯一無二の"サーキュラー・デニム"ブランド』
BERT VAN SON – MUD JEANS, Co-Founder
そのほかにも欧州と日本のイノベーターや、スタートアップによるセッション多数。これからの世界のあり方を知るために、有意義なプログラムが用意されている。
「TOA ワールド・ショーケース2021」について詳しくはこちら。
リアルな機会が奪われる今、オンラインでできること
提供:Unchained
2021年のワールド・ショーケースについて「TOAワールドツアー」「TOA ワールド・ショーケース2021」を主宰するインフォバーンのCVO・小林弘人氏は「テーマは多岐にわたるが、それぞれのテーマに直接関わらない人にとってもインスピレーションを与えてくれるものになる」と話す。その一つの例がコミュニケーションだ。
「本来、オースティンのSXSWやベルリンのTOAなどの世界的なカンファレンスを訪れた皆さんは、刺激的なテーマに触れた後、きっと仲間たちや知り合った人たちと会話をするでしょう。しかし、それはこのコロナ禍では適いません」(小林氏)
そうした課題を補うため「TOA ワールド・ショーケース2021」では参加者間のコミュニケーションを促すための仕掛けを設けた。一つが議論を可視化するグラフィックレコーディング、もう一つが参加者が登壇者の議論に対する提案や質問を書き込む「リアルタイム・ディスカッション」の活用だ。オンラインでのセッションでも、「双方向の議論」「アイデアの共創体制」「偶然の出会い」が生まれることを期待している。
「聞きっぱなしのカンファレンスにはしたくないんです」(小林氏)
リアルなコミュニケーションのためのあらゆる機会が失われる中で、TOAは新たな議論の場の創出を目指している。