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サントリー飲料、2021年も「伊右衛門」成長を狙う…コロナ禍で自販機・コンビニの売上縮小:本決算

伊右衛門

サントリーの伊右衛門。2020年4月にリニューアルされた。

撮影:三ツ村崇志

サントリーホールディングス傘下で清涼飲料事業を担うサントリー食品インターナショナル(以下、サントリー食品)の2020年12月期決算。

売上高は前年比で約10%減の1兆1781億円。営業利益は962億円と、前年比約15%減だった。

飲料メーカーにとって困難を極めたコロナ禍の1年は、減収減益という結果に終わった。

業績

2020年の業績。第3四半期決算時の修正業績予想に対して、売り上げこそ微減となったが、コスト構造の改善によって営業利益はプラスとなった。

資料:サントリー食品インターナショナル株式会社2020年度決算説明会資料

2月9日、決算会見に立ったサントリー食品の齋藤和弘代表は、

「お客様の行動が変化する中、主要ブランドに注力し、キャッシュを創出することができた。当社のブランドの基礎体力を確認することができた」

と、コロナ禍で飲料市場全体が縮小傾向にある中で、主力飲料である「サントリー天然水」「BOSS」「伊右衛門」「健康茶」などの定番ブランドに力を入れた戦略が功を奏したと総括した。

また、コロナ禍でストレスを感じることが増えた結果、爽快感のある炭酸製品や、エナジードリンクやコーヒーといった商品の売り上げも、世界的に伸びる傾向がみられているという。

自販機、コンビニで売上減も、国内市場は伊右衛門が牽引

国内の業績

国内ではコンビニ・自動販売機での販売数の減少が大きい。一方、リニューアルした伊右衛門は好調だった。

資料:サントリー食品インターナショナル株式会社2020年度決算説明会資料

国内の売上高は前年同期比約10%減の6330億円。営業利益は、さらに減少幅が大きく約30%減の370億円

サントリー食品の三野隆之常務執行役員は、この要因を「自販機・コンビニ市場の減少を始めとした複合的な要因が絡んでいる」としている。

ただし、緊急事態宣言の最中となる2020年4月に伊右衛門がリニューアルされると、出荷数が前年比で約1割増。

国内の販売で過去最高シェアとなるなど、個別商品では好調なものもあった。

国内市場における全販売数は前年比96%と減少したものの、サントリーは国内市場の縮小幅を93%と推定しており、そのなかでは健闘したと見ている。

なお、海外でも、ベトナムの「TEA+」、オセアニアの「V」、フランスの「Schweppes」といった各地域での主力製品が市場の動きを上回る成長を見せた。

各国の主力製品

海外でも各地域における主力製品が売上を牽引していた。

資料:サントリー食品インターナショナル株式会社2020年度決算説明会資料

また、海外でもコロナの影響を受けてアメリカを除く全地域で売り上げは減少。しかし、欧州以外では営業利益は前年比でプラスとなった。

第4四半期はコロナの影響を受けたが、ブランドへの注力とコスト管理により、日本・欧州を除く全リージョンで売上予測を上回る結果となっている。

2021年も、引き続き「伊右衛門」が牽引

業績予想

2021年度の業績予想。全領域で、増収増益を見込む。

資料:サントリー食品インターナショナル株式会社2020年度決算説明会資料

一方、来たる2021年度の業績予想は強気だ。

売上高は前年比約7%増の1兆2600億円。営業利益は約9%増の1050億円と、ともに増収増益となる見通しを示した。

国内では依然として新型コロナウイルスの影響が懸念されるものの、自動販売機の販売戦略の改善によって1台あたりの収益力を高めたり、コアブランドへの集中を更に加速させたりすることで収益増を目指すとしている。

主要ブランドを販売数量で見ると、2020年に唯一前年比で販売数を伸ばした伊右衛門が、2021年も引き続き販売数の伸びを牽引する見通しだ。

来季売上予想

国内の製品別販売量。伊右衛門の売上は赤線で示した。2020年、伊右衛門の売上は2019年比で9%増。2021年も、ほぼ同じペースでの成長を狙う。

資料:サントリー食品インターナショナル株式会社2020年度決算説明会資料

また、2021年は、これまで別々のセグメントとしていたアジアとオセアニア地域を「APAC」として統合。

主力製品である「TEA+」、「BRAND’S」、「V」、「Sting」への集中投資を進めていくとともに、ノンアルコールRTD分野の創出や飲料と健康食品の連携によって、2020年比(アジア、オセアニア合算)約10%増となる2920億円の売上を目指すとしている。また、セグメント利益は、7.7%増の370億円と予想している。

また、アジア、オセアニア地域の統合によるコスト構造の改善なども期待される。

(文・三ツ村崇志

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